2008年10月04日
コンテンツ番号2606
伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録に向けてPR
国指定史跡「伊勢堂岱遺跡」など市の縄文遺跡と文化をPRする秋恒例のイベント「第8回縄文まつり」が10月4日(土)、秋田内陸線小ヶ田駅そばの伊勢堂岱遺跡を会場に開催され、子どもたちや考古学ファンらが遺跡見学や勾玉づくりなどで縄文づくしの1日を過ごしました。
同遺跡が国の指定史跡に指定された平成13年、伊勢堂岱遺跡に関心を持ってもらい、また子供たちにも体験学習の場を提供しようと始まったもので、今年は同遺跡が「北海道・北東北の縄文遺跡群」(秋田県など4道県)として世界遺産暫定リスト入りしたことから関心も高く、内陸線などを利用し、例年より多くの人たちが訪れました。
伊勢堂岱遺跡はあきた北空港(大館能代空港)そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(今から約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30mを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。遺存状態がよく学術的価値が高いことから、平成13年1月、国の史跡に指定されました。
昨年6月からは、青森、岩手、秋田の北東北3県と北海道が、伊勢堂岱遺跡や大湯環状列石、三内丸山遺跡など15の縄文遺跡を「北海道・北東北の縄文遺跡群」と名付けて世界遺産登録運動を展開、今年9月26日、「金と銀の島、佐渡」(新潟県)」など他の4件とともに、暫定リスト入りが決まりました。
開会セレモニーでは、同遺跡のガイドやPRを務めるボランティアグループ「伊勢堂遺跡ワーキンググループ」の佐藤喜美男会長が、「今朝方の激しい雨には心配したが、最近の事件も含め下界の汚れを洗い流してくれたよう。この縄文の聖なる地もさらに清々しくなった気がする。縄文人も歓迎してくれたようで、私たちも縄文時代に帰ってやさしい気持ちでまつりの一日を過ごしましょう」などとあいさつ。
また岸部市長が、伊勢堂岱席の世界遺産暫定リスト入りをあらためて紹介し、「これも、國學院大學・小林達雄教授をはじめ指導いただいている先生方やワーキングの皆さんの協力のおかげ。古きを学んで新しきを知ると言うが、遺跡をさらにPRし、地域活性化につなげてほしい」と期待のことばを述べました。
会場では、ボランティアガイドによる遺跡見学会のほか、土偶や当時の装飾品だった「勾玉(まがたま)」づくりコーナー、弓矢の的当て、火おこし体験コーナー、縄文クイズなど盛りだくさんのイベントで、縄文文化をPR。土偶づくりでは、鷹巣陶芸教室の会員の指導で、子どもたちや親子が伊勢堂岱遺跡出土の土偶や、恐竜などを思い思いに形作っていました。
このうち、火おこし体験は、「舞いぎり式火おこし」という道具を使って火をおこすコーナー。道具を回転させ、心棒と床に置いた板との摩擦熱で発火させますが、子どもたちは、なかなかコツがつかめず、回し続けても出るのは焦げ臭いにおいばかり。スイッチ一つで火がつく現代生活の便利さをあらためて感じていた様子でした。
各コーナーでは、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループのメンバーなど50人ほどのボランティアがスタッフとして協力、訪れる人たちの指導や遺跡のガイドで活躍していました。
参考(伊勢堂岱遺跡関連記事)
- 伊勢堂岱遺跡紹介
- 第5回北秋田市縄文まつり(2005.10.1)
- 第1回北秋田市縄文シンポジウム(2006/1/21)
- 第6回北秋田市縄文まつり(2006.10.7)
- 北の縄文文化回廊フォーラム(2006/10/15)
- 伊勢堂岱遺跡調査指導委員会(2006/11/9)
- 伊勢堂岱遺跡を語る会(2007/1/20)
- 秋田県埋蔵文化財発掘調査報告会(2007/1/26)
- 北秋田市内遺跡発掘調査合同見学会(2007/9/1)
- 第7回北秋田市縄文祭り(2007/9/8)
- 伊勢堂岱遺跡WG発足10周年記念式典(2007/10/26)
- 伊勢堂岱遺跡調査指導委員会(2008/7/4)
- 伊勢堂岱遺跡が世界遺産暫定リスト入り決定(2008/9/26)