2011年02月11日
コンテンツ番号3783
自分で守ろう! 自分のからだ!
平成22年度第4回すこやか健康講座が2月11日(金)、市交流センターで開かれ、市民ら約120人が参加し、子宮頚がんや子宮体がん、卵巣がんについて理解を深めました。
講座は、市民の生活習慣病予防など健康づくりを目的に開かれているもので、毎回テーマを変え、年5回の開催が予定されています。今回は、秋田赤十字病院の大山則昭・第三産婦人科部長が「女性のがんについて〜子宮頚がん・子宮体がん、卵巣がんについて」と題し、講演しました。
女性特有のがんとしてよく知られているのは、子宮頸がん、子宮体がん、卵巣がんの3つ。子宮頚がんは、子宮の入り口付近の子宮頸部にできるがんで、原因はヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染であることが明らかになっています。多くの場合、性交渉によって感染すると考えられており、女性の約80%が一生に一度は感染していると報告があるほど、とてもありふれたウイルス。このため、性行動のあるすべての女性が子宮頸がんになる可能性を持っています。
子宮体がんは子宮内膜がんとも呼ばれるように、胎児を育てる子宮の内側にある子宮内膜から、がんが発生する病気です。
卵巣がんは、卵巣にできる腫瘍(しゅよう)から発生するもので、最も多いのは、卵巣の表層をおおう細胞に由来する上皮性腫瘍で、この中には良性腫瘍と悪性腫瘍(がん)の他に良性、悪性の中間的な性質をもつ腫瘍があります。上皮性腫瘍はさらに5つの細胞型に分かれ、それぞれ異なった性格をもっています。上皮性のがんは卵巣がんの90パーセントを占めています。
大山部長は「子宮頚がんは、すべての年代の女性に起こる可能性があるがんで年間約8000人が発症しており、20代から30代で急増しているのが特徴。また、世界の先進国の同がん検診受診率は70パーセントから80パーセントに対し、日本は20パーセントほどで、その中でも20歳代の受診率が特に低い」などと発症と検診の関係についてを説明しました。
そのうえで、「発がん性HPVの感染は、ほとんどが子宮内から排出され一過性ですが、何度でも感染を繰り返す。HPVは、約100種類ありそのうち15種類ほどが子宮頚がんの原因となる『発がん性HPV』と呼ばれている。さらに16型と18型と呼ばれる2種類が、発がん性HPVの約6割を占めている。予防ワクチンは16型と18型をほぼ100%防ぐことができるもので、3回接種することで十分な効果が得られる。また、性交渉前の女児に接種した場合は、さらに有効性である」と原因とワクチンの有効性について説明しました。
「しかし、予防ワクチンはすべての発がん性HPVに効果があるわけではないので、ワクチンを接種した方も子宮頚がん検診を受診してほしい」などと検診の大切さを話しました。
また、子宮体がんついては「閉経後に発症のヒークがある。月経以外の出血や閉経後の出血が認められたときは、早期に産婦人科を受診してほしい」、卵巣がんについては、「なかなか症状が出にくい病気である。各市町村が行っている卵巣腫瘍検診を受診して、早期に発見することが重要」などと早期発見の重要性を指摘しました。
質疑応答では、市民から「毎年、人間ドックで子宮がん検診を受けているが、頚がん、体がん、卵巣の検査もしているのか」との質疑に、大山部長は「各々の病院によって、検査の内容は違うが、腹部の超音波(エコー)検査を実施している場合は、子宮と卵巣の状態も確認している」と答えていました。
また、市の担当者からは「北秋田市では、子宮頚がんと卵巣がんの検診を実施しています。早期発見のためぜひ受診してほしい」などと呼びかけました。
次に実施される、第5回すこやか健康講座は3月16日(水)、「がんと向き合う医療現場から」をテーマに、中通病院(秋田市)の福田光之院長による講演が行われます。聴講は無料ですが、事前に市健康推進課までお申込みください(電話0186−62−6666)。
参考/これまでのすこやか健康講座から(抜粋)
(2011.2.11)