2009年02月09日
コンテンツ番号6921
第3回すこやか健康講座
平成20年度「第3回すこやか健康講座」が2月9日(月)、市保健センターで開かれ、各地区から参加した市民約160人が、食生活と健康について学習しました。
講座は、市民の生活習慣病予防を目的に開かれているもので、毎回テーマを変え、5回の開催が予定されています。今回の講演会のテーマは、「食と健康について〜あなたの食事は大丈夫?」。講師には、元秋田短大教授で秋田市のふじ保育園園長を務める管理栄養士の田中玲子さんを迎えました。
田中さんは、講演の冒頭で「がん、心臓病、脳卒中、認知症の中で一番かかりたくない病気は?」と問いかけ、参加者のほとんどが「認知症」と答えたのに対し、「生活習慣や食生活を見直すことは老化を遅らせ、脳の活性化につながる」と述べ、食と健康が密接な関係にあることを指摘しました。
生活習慣では、メタボリック症候群について解説。このうち同症候群の診断基準の一つであるHDLコレステロール(コレステロールを肝臓に運び、動脈硬化の防止につながる脂質)について、100歳以上長生きしている人は、80mg/dlと高い値を示していることを上げ(通常は50mg/dl前後)、適度な運動をすること、食べ物では魚や植物油に多く含まれるリノール酸やリノレイン酸などの不飽和脂肪酸を摂ることでHDLの割合を上げることを勧めていました。
同様に、食事で摂った100キロカロリーのエネルギーを消費するには距離で約2キロ、歩数で3千から3千3百歩が必要であることを説明、万歩計を活用し一日1万歩を目標とすることを推奨しました。
「心臓の栄養は脂肪酸だが、脳の栄養の大部分はブドウ糖。これはデンプンから生ずるもので、ごはんやパンなどデンプン質が含まれるた食事が基本」と、規則正しくバランスの取れた食生活が脳の栄養を維持することを強調し、種や卵黄に含まれているレシチン、学習効果を高めるといわれ、青みの魚から摂取できるDHA、また、肉類、特に豚肉に多く含まれる免疫力の維持に有効なアラキドン酸などが脳細胞の活性化につながる栄養素であることを説明しました。
また、老化をコントロールする栄養素として、ビタミンC、雑穀に含まれるトコフェロール、紫色の野菜や果物に多く含まれるポリフェノール、このほかタンニン、カテキン、フラボノイドなどについて一つづつわかりやすく解説。
このほか、野生種など強い光で育てられた果物や山菜、ブルーベリーやアセロラの実、ゴマなどについても老化を遅らせる栄養素として上げていました。逆に、魚の乾物は過酸化脂質が多く含まれているため、魚中心のおかずが続くなど偏った食事は老化を早める、と注意を呼びかけていました。
調理方法についても、「フライパンで油を長い時間熱すると過酸化脂質に変化してしまう。熱してからすぐに炒めるなど手早く。てんぷらを揚げるときは揚げ油の中にごま油を1%加えただけで過酸化脂質を50%以上抑えることができる」などと、ちょっとした工夫で健康的な食生活につながることを説いていました。
(2009.2.9)