2009年03月11日
コンテンツ番号7084
(2009.3.11)
〜 第5回すこやか健康教室〜
平成20年度「第5回すこやか健康講座」が3月11日(水)、市保健センターで開かれ、各地区から参加した市民約160人が、骨粗しょう症による骨折予防などについて学習しました。
講座は、市民の生活習慣病予防など健康づくりを目的に開かれているもので、毎回テーマを変え、6回の開催が予定されています。今回は、市内の診療所・毛利整形外科クリニックの毛利尚宜(ひさよし)院長が、「健康寿命とロコモティブシンドローム」と題し、講演しました。
演題の『健康寿命』とは、一生涯のうち日常生活で支援や介護を必要としない自立して生活できる期間のこと。日本では年々平均寿命が長くなる反面、一定期間病気やけがで寝たきりや要介護状態となって外出できなくなるお年寄りも多く見られることから、いかに健康寿命を延ばすことができるかが課題になっています。
毛利院長ははじめに、全国と秋田県、北秋田市の高齢化の度合いを示すグラフを示しながら、「全国、県平均に比べても北秋田市の高齢化は著しい。俗に『ピンピンコロリ』というが、この健康寿命を伸ばすことが大きな課題」と、単に長生きするだけではなく、寿命を全うするまで健康に暮らせることの大切さを訴えました。
加えて、「健康寿命を伸ばす上で、注目を集めている言葉が『ロコモティブシンドローム(症候群)=通称ロコモ』。ロコモティブとは、骨や関節、脊椎(せきつい)などの“運動器”のこと。内蔵脂肪型肥満が原因となるメタボリックシンドロームが通称『メタボ』として広く知られているように、日本整形外科学会では運動器の障害によって要介護の状態になる危険性が高まった状態をこう呼び、効果的な予防につなげていこうと啓発活動を進めている」と説明。
その上で、この症候群の自己チェックの方法について、▽片足立ちで靴下がはけない▽家の中でつまずいたり滑ったりする▽階段を昇るのに手すりが必要▽横断歩道を青信号で渡りきれない▽15分くらい続けて歩けない、の6項目に一つでも当てはまれば「ロコモ」であることを示しました。
また、ロコモに至る運動器疾患の代表的なものが『変形性関節症』と『骨粗しょう症』、『腰部脊柱管狭窄症』であることを指摘。
このうち、骨粗しょう症の治療と予防については「骨折を予防することが第一。これには、食生活の改善や適度な運動、日光浴などで骨を丈夫にすること、転倒しないようにすることが予防につながる」と説き、家の中では床につまづくようなものを置かないこと、といった基本的なことに加え、転倒予防に大きな効果あるとされる3つの訓練方法を紹介しました。
その一つは『開眼片脚起立訓練』。ダイナミックフラミンゴ療法とも呼ばれ、鳥のフラミンゴのように片足で一定時間起立し、足の筋力をアップさせる訓練です。また、椅子に座って方ひざを伸ばし、大腿部の筋肉を強くする『大腿四頭筋訓練』や、床に広げたタオルを足の指を使って手前に引き、下腿の筋肉を強化する『タオルギャザー法』について説明しながら、「この3つの訓練だけでも転倒予防に大きな効果がある」と、勧めていました。
毛利院長は、このほか運動器疾患の治療方法などを説明しながら、「健康寿命を伸ばし寝たきりや要介護を防ぐにはメタボリックシンドローム、認知症とともに、このロコモティブシンドローム対策が極めて重要。ぜひ関心を持ってほしい」と、呼びかけていました。