2012年05月25日
コンテンツ番号1748
災害対策、備えあれば憂いなし
(2012.5.25)
「県民防災の日」に合わせ、介護老人保健施設ケアタウンたかのすでは5月25日(金)、有事に備え防災訓練が行なわれました。
秋田県は、昭和58年5月26日に発生した「日本海中部地震」を風化させないために、毎年5月26日を「県民防災の日」、また 5月20日から26日までの1週間を「県民防災意識高揚強調週間」に定め、この期間中に訓練を行うよう働きかけています。
この日行われた防災訓練は、北秋田市、北秋田市消防本部、北秋田市社会福祉協議会、高村岱自治会、(株)大館ヤクルト販売、市消防団鷹巣第7分団が合同で実施したもので、大規模地震が発生した場合を想定し、高齢者福祉施設における防災意識の高揚及び速やかな避難誘導、近隣関係機関の連携と迅速に対応するための技術向上を図ることを目的に行われました。
訓練は、午後3時00分、秋田県内陸北部を震源とする震度6強の直下型地震が発生し、北秋田市全体に被害があり、特に鷹巣地区で被害が大きく、ケアタウンたかのすでは避難中の利用者数名が負傷、避難完了後に利用者が心肺停止状態、また同施設から火災が発生したとの想定で実施されました。
同施設では、ケアタウン消防計画及び震災対策に基づき、利用者の避難誘導を開始したが、地震の規模が大きく施設職員のみでは利用者の避難誘導が困難なため、同施設近隣の高村自治会と大館ヤクルト販売北秋田センターに避難の応援要請。市役所では、地震発生と同時に災害対策本部を設置し情報収集を行い、消防本部ではケアタウンから建物被害が大きい連絡を受け、ケアタウンへ現場指揮本部を設置。避難中の余震により利用者3名が負傷し、施設職員、高村自治会員、ヤクルト販売社員よる応急処置を実施。更に救護所において避難した利用者1名が心肺停止状態に陥り、ヤクルト販売社員によるAEDを使った救命処置が行われる。現場指揮本部から出動指令を受けた鷹巣救急隊が到着し、ヤクルト販売社員から傷病者を引き継ぎ処置後搬送。現場指揮本部は市役所災害対策本部に被害状況を連絡しました。地震発生から30分後、施設内から出火があり、現場指揮本部は北秋田消防署のポンプ車2台と消防団鷹巣第7分団に出動指令を出し、ケアタウン自衛消防隊は屋外消火栓を使用し初期消火を行うなど、地震発生時における対応マニュアルに沿った訓練が行われました。
訓練後、参加者を前に、同施設を運営する市社会福祉協議会の高坂祐司会長と、訓練に参加した高村自治会の明石吉左エ門会長がそれぞれあいさつ。このうち高坂会長は「3.11以降、災害の際に想定外という言葉を使ってはいけないと思います。災害対策というのは備えあれば憂いなし、事において後悔せず、やはり万全の準備をして常に動けるような訓練が必要です。今回は当施設で訓練していただきありがたく思っています。社会福祉協議会では、各施設の責任者が全員出席し今回の訓練を見させていただきましたので、各施設においてももう一度徹底的に訓練を行うようにしたいと思います。今日の訓練のような災害でも対応できるように、日頃から職員の意識を高めていきたい」などと述べました。
最後に、長岐順一消防長は「忙しい中訓練に参加していただきありがとうございました。はじめに、通報訓練は問題がなかったので良かったと思います。避難訓練についても、施設職員の皆さんは冷静で手順が良く、また、高村岱自治会や大館ヤクルトの皆さんとの連携も取れていて良い訓練ができたと思いました。ただ、今日避難した屋外の経路は距離が長く、冬場は雪の影響で使えないと思いますので、冬の場合いかにして施設利用者を避難させるかが問題点だと思います。また、ここの施設を見ますと、建物は耐火構造でカーテンやカーペットなども防炎物品を使っていますので、避難の限界時間が10分以内だと思われます。今日の避難で屋外に出た時間はだいたい7分位でしたが、他の出口からは10分以内で屋外に出られるかが疑問ですので、検討をお願いしたい。消火訓練は、ホースから水が出たときに少し振られていたので、放水訓練についても今後訓練が必要だと思いました。また、ここの施設は、スプリンクラーや屋外消火栓など設備が整っていますので、施設職員の皆さん全員が設備を使えるように訓練していただきたい。今日は地域の方々も参加しての訓練でしたが、これからも今日のような訓練がありましたら積極的に参加して、みんなで力を合わせて施設を守っていきたいと思います」などと講評しました。
地震や火災など、災害はいつ起きるかわかりません。災害が起きたときは、あわてずに情報を正しく確認、伝達し、地域のみなさんと一緒になって行動することが大切です。そのためにも、日頃の備えや避難場所を確認しておきましょう。