2020年02月16日
コンテンツ番号8001
国内では唯一の4つの環状列石が発見された遺跡
平成13年1月に国の史跡に指定
伊勢堂岱遺跡は北秋田市脇神字伊勢堂岱に位置する、縄文時代後期前葉(約4,000年前)の環状列石を主体とする遺跡です。これまでに4つの環状列石を中心に、配石遺構、掘立柱建物跡、土坑墓、柱穴、溝状遺構などが検出されています。
大館能代空港へのアクセス道路建設に先立ち、平成6年から秋田県教育委員会が発掘調査を行い、平成7年には直径約32mの環状列石Aと、弧状の環状列石Bが発見されました。さらに翌年の平成8年には環状列石C(直径45m)が確認されました。3つの環状列石が発見されたことで、地域住民や県民から遺跡の現地保存を求める声があり、平成8年12月に道路計画を中止し、道路を迂回させ、遺跡を現地することが決定しました。
平成9から22年度まで北秋田市教育委員会が発掘調査を継続し、遺跡の範囲や4つめの環状列石など遺跡の詳細な内容が明らかになり、4つの環状列石を主体とする、縄文人の世界観や社会構造を復元できる貴重な遺跡として、平成13年1月29日に国の史跡に指定されています。
環状列石の石の下に、死者を埋葬した土坑墓が確認されており、祈りやマツリの道具も多く出土しています。環状列石Bの土坑墓から完全な形に復元できる板状土偶が出土しました。伊勢堂岱遺跡からは200点近くの土偶が出土していますが、土偶は何らかの願いを込めて壊されたのか、ほとんどは破片で完全な形に復元できたのは1点のみです。この土偶は『伊勢堂岱遺跡出土板状土偶』として秋田県の文化財に指定されています。
伊勢堂岱遺跡発掘調査報告書を閲覧できます →市関連文化財報告書ページへ
見学環境整備について
伊勢堂岱遺跡の見学環境工事も大部分が完成し、平成28年4月から通常公開となります。詳しくはこちら→伊勢堂岱縄文館
遺跡見学について
遺跡は自由に見学することができますが、遺跡ガイドから説明を聞くことができます。ガイドは、「伊勢堂岱遺跡ワーキングループ」の有志によるボランティアの協力により実施されているもので、の土日祝日に行われます。
生涯学習課文化係:TEL0186(62)6618 FAX0186(62)1669
世界遺産登録を目指して
伊勢堂岱遺跡は「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」として世界遺産登録を目指しています。
「北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群」は、平成21年1月5日付けでユネスコ世界遺産センターの世界遺産暫定一覧表に記載されました。
◆北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群の構成資産リスト
キウス周堤墓群(北海道千歳市)、北黄金貝塚(北海道伊達市)、入江・高砂貝塚(北海道洞爺湖町)、大船遺跡(北海道函館市)、垣ノ島遺跡(北海道函館市)、三内丸山遺跡(青森県青森市)、小牧野遺跡(青森県青森市)、是川石器時代遺跡(青森県八戸市)、大森勝山遺跡(青森市弘前市)、亀ヶ岡石器時代遺跡(青森県つがる市)、田小屋野貝塚(青森県つがる市)、二ツ森貝塚(青森県七戸町)、大平山元I遺跡(青森県外ケ浜町)、御所野遺跡(岩手県一戸町)、大湯環状列石(秋田県鹿角市)、伊勢堂岱遺跡(秋田県北秋田市)
北海道・青森県・岩手県・秋田県の4道県は、この縄文遺跡群を日本のみならず、人類共通の貴重な宝として未来に残すべき文化遺産であると考え、世界遺産登録を目指しています。
北海道・北東北の縄文遺跡群のホームページ「http://jomon-japan.jp/」をご覧ください。
※世界遺産一覧表や登録までの流れなど詳しくは、
社団法人日本ユネスコ協会連盟の ホームページ「http://wwwunesco.jp/」 をご覧ください。
関連リンク
北の縄文:北海道環境生活部くらし安全局道民活動文化振興課
縄文ファン :青森県企画政策部企画調整課
国史跡御所野遺跡:岩手県一戸町御所野縄文公園
大湯環状列石:鹿角市大湯ストーンサークル館
縄文都市連絡協議会:青森市教育委員会文化財課(事務局)