2008年11月29日
コンテンツ番号2616
「青い山脈」など不朽の名作映画を楽しむ
(2008.11.29)
優れた邦画を上映する「昭和名作映画上映会」が11月29日(土)、市文化会館で開かれ、約300人の観衆が「青い山脈(1949年、東宝)」など昭和20年代から30年代に制作された懐かしい映画を楽しみました。
上映会は、文化庁と国立近代美術館フィルムセンターが進める「優秀映画鑑賞推進事業」により開催したものです。
同事業は、日本映画の中から映画史を代表する作品や、多くの国民に好評を博した作品を広く上映し、スクリーンを通して映画を鑑賞する人口が増えていくことなどを目的として全国の公共ホールなどで実施されています。
この日上映されたのは、青い山脈のほか、「また逢う日まで(昭和50年、東宝)」、「野火(1959年、大映)」、「ぼんち(1960年、大映)」の4本で、同事業で用意されている22のプログラムのうち、今井正、市川昆両監督の作品特集。
はじめに上映されたのは、日本映画史に残る不朽の名作「青い山脈(今井正監督)」。秋田ゆかりの作家・石坂洋二郎文学の新聞小説「青い山脈」を社会派として知られた今井正監督が映像化した作品。同名の主題歌も戦後の歌謡史に残る国民的愛唱歌として大ヒットし、世代を超えて多くの人々に受け入れられました。
戦後間もない頃の昭和の風景の中で、女教師役の原節子や学生役の杉葉子、池部良など往年の名俳優がはつらつとした演技を繰り広げるさわやかな青春映画に、観衆も当時の暮らしを思い出しながら懐かしそうに見入っていました。
このほかの3本の作品も、今井正、市川昆といった巨匠が時代と人間を描いた名作ばかり。鑑賞に訪れたのは、ほとんどが60代から70代にかけての映画全盛期を知っている年代の人たちでしたが、4本立てにもかかわらず途中で席を立つ人も少なく、スクリーンでの上映を楽しんでいました。
また、エントランスホールでは、今回の上映作品と「青い山脈」のリメイク作品など9本の映画のポスターが展示され、映画鑑賞で訪れた人たち上映の合間に懐かしい映画のポスターに見入っていました。(→ポスター展記事)
アンケートの声から
時代が変化しても人間としてどうあるべきか考えさせられました。役者はもちろん、監督とか脚本家もすごい作品ばかり。現代の華やかな映画も楽しいけれど、こうして見直すと昭和の映画もすばらしいと思います(50代、女性)
新聞で北秋田市での上映会を知り駆けつけました。良い映画を手軽な価格で提供してくださったことに感謝します。なにかとせちがらい世情の中で、一日のオアシスとして充実のときを過ごせました。来年にも期待しています(50代、女性)
昭和35年頃の学生時代を思い出します。懐かしい思い出が蘇りました(60代、男性)
今日こんなに人が入っているのにびっくりです。500円で何本も見れるからか(60代、女性)
80歳になりましたが、映画を見て60数年前のことがありありとよみがえりました。「また逢う日まで」は私も体験したことです(80代、男性)
戦争による犠牲を描いた「また逢う日まで」はせつなくて泣けて仕方なかった。懐かしい俳優、女優に会えて楽しかった。「野火」では、戦争の残酷さを見て胸がえぐられるようでした。今後絶対に戦争をすることのないように祈っています。(70代、女性)
当時の録音技術のせいもあるが、音声が聴き取りにくかった。しかし、現代とは異なる世界を見ているようで楽しい時間を過ごした(50代、男性)
青い山脈は歌でしか知らなかった。映画は初めて。時代を感じさせられたが人間の中身はあまりかわっていないと思う。白黒映画の、そして昔の風景を見られてよかった。(60代、男性)
上映開始時間が9時からでは早すぎる。せめて10時頃からにしてほしい。本数も4本でなく2、3本でよい。今度はホームコメディを特集してほしい(70代、女性)