2010年01月20日
コンテンツ番号7639
昔っことマジックで楽しむ
民俗行事・大師講にちなんだ「大師コの集い」が1月21日(木)、材木町のみちのく子ども風土記館で行われ、保育園の園児らが今はあまり行われなくなった伝統行事で昔話やマジックを楽しみました。
みちのく子供風土記の会(中嶋喜代会長)の主催。大師講は、デャシコ、ダイシコなどと呼ばれ、作物の実りなど人々の生活に恩恵をもたらす神・御大師(太子)様を祀り感謝する民間信仰で、昭和中期頃までは多くの家庭で行われていました。
旧暦11月の4のつく日に行われることが多く、鷹巣では11月24日(新暦で1月上旬)を御大師様の日として小豆粥をたき、ゼンマイの味噌汁に煮つけ、大根漬のついたお膳を2膳つくり二尺ほどの長い萱の箸を添えて大師様に供えます。
小豆粥やおはぎをはじめご馳走が振る舞われることから、当時の子どもたちはこの日を首を長くして待ち望みました。
同会では、本市鷹巣出身の直木賞作家・故渡辺喜恵子さんの小説「みちのく子供風土記」にも登場する(「昔コ」の章)この行事を、子どもたちにも伝えていこうと平成2年から毎年この時期に開催しているもので、同7年頃までは渡辺さん本人も参加し、子どもたちと一緒に懐かしい行事を楽しんでいました。
この日は会員約10人が参加、子どもたちは七日市保育園と鷹巣東保育園の園児36人が招待されました。
集いでははじめに、会員の小坂浩子さん(72)が、貧しさから子どもに食べさせるのに困り、風雪の中他家から食ベ物を盗って逃げる父親の足跡を、天が哀れみ吹雪で消してあげるためにこの季節は風雪で荒れる日が多いのだという大師コのお話を聞かせ、「ごはんを食べる時にはありがとうの気持ちを忘れずにね」と、語りかけました。
また、大館市マジシャンクラブの副会長の藤田淑幸(しゅくこう)さん(76)が、ハトや新聞紙などを使ったマジックを披露。子どもたちは次々と繰り出されるマジックに目を点にして見入っていました。
この後、子どもたちは会員手作りのあんこ餅をごちそうになり、「きょうはありがとうございました」と大きな声で感謝の気持ちを伝えました。
(2010.1.21)