2012年06月10日
コンテンツ番号1793
元気な集落パワーを存分に披露
(2012.6.10)
根子番楽まつり(実行委員長=佐藤哲也根子自治会長)が6月10日(日)、阿仁根子集落で開かれ、市内外から訪れた約150人の参加者が根子番楽や郷土料理などを堪能しました。
このまつりは、自治会で組織する実行委員会が中心となり企画したもので、国指定重要無形民俗文化財の根子番楽の公演をはじめ、マタギとの語らい、郷土料理の昼食、昔遊び体験、集落内散策などを盛り込み、入村手形(大人の食事付コース大人2,500円、食事なしコース1,500円)の購入により入村とイベントに参加します。
根子集落は、朝日新聞社と森林文化協会が主催した、人の営みが育んだすこやかで美しい里を全国から100カ所選んだ「にほんの里100選」に選定されています。四方を山に囲まれたすり鉢状の集落は、源平落人伝説が残る隠れ里の雰囲気を醸しだしています。
開会セレモニーでは、佐藤実行委員長が「根子番楽は8月14日7時30分から2時間位かけてほぼ全種目を演じているが、何とかして日中観られないかという声がある。このような地域なので、日本全国同じように過疎集落となっているが、それを何とかしてくいとめようという気持ちがあり、番楽をメインにして根子集落のパワーを皆で出し合って、まつりをやろうと企画しました。一日、ゆっくり楽しんでください」と歓迎のあいさつ。
旧根子小学校で行われた根子番楽公演では、演目前の口上の後、舞台の両脇に控えた笛と太鼓、鉦などの軽快なお囃子に乗って小学生による舞「露払い」から始まりました。続いて、能のように面をつけた演じ手が天地長久を祈って舞う「翁舞」、牛若と天狗の兵法比べを表すという勇壮活発な「鞍馬」、狂言のようにコミカルなしぐさの「三番叟」など6つの演目が次々と披露され、観衆は、独特の小気味良いテンポで演じられる舞の数々に惜しみない拍手を送っていました。
昼食会場の根子児童館では、集落のお母さんたちが作る郷土料理が振る舞われました。地元野菜の煮染め、こごみのごま和え、わらびの辛子味噌、白あえ、漬物、ミズ入り豚汁、地元伝統料理のナッツ(きのこやミズのこぶ、しその実、人参、菊などをたたいた物)が出され、参加者は田舎の味を堪能していました。
この後、築100年余りの古民家二又荘で、地元マタギの佐藤弘二さんが根子マタギについて語り、根子児童館では「ほうびき」という昔遊びで盛り上がりました。また、すり鉢状の同集落を散策したりして山里の初夏を楽しみました。
根子番楽
根子番楽は古くから同集落に伝えられ、現在は保存会(佐藤松夫会長)や子ども会によって保存・継承されている民俗芸能。古来の神楽や能楽に起源を持つとも言われ、歴史的・芸術的に価値の高いことから、昭和39年(11月17日)には秋田県無形民俗文化財に、平成16年(2月8日)には国の重要無形民俗文化財に指定されています。番楽は毎年8月14日のお盆と、9月12日(現在は9月12日に近い日曜日)の根子神社祭典の際に保存会の手で公開されています。