2015年08月06日
コンテンツ番号6947
次世代を担う子どもたちが、まちづくりについて提案
きたあきた子ども議会が、8月6日(木)に議事堂で開かれ、23人のこども議員がまちづくりに対する新たな提案をして、津谷市長の考えをただしました。
子ども議会は、次代を担う子どもたちが、行政や市の課題に関心を持ち理解を深めるとともに、本市の教育課題である「問いを発する子ども」の育成と、ふるさとを愛し支える自覚と高い志をもつ子どもの育成などをねらいに開催されており、今回が3回目。
市内の小中学校から選ばれた子ども議員たちは、事前研修で議会の仕組みや議員の役割、市の主な施策・事業について学習し、 議長団、ハッピータウングループ、地域活性化委員会、パワーアップスクールグループ、ハッピーライフグループに分かれ質問書や資料などを作成して議会に臨みました。
この日は、市当局から通常の市議会と同様に、津谷市長、虻川副市長、三澤教育長を始め部長や担当課長が出席。議長団による開会宣言、経過説明に続き、提案された「きたあきた子ども議会宣言」(案)を全会一致で可決し、このあと4つのグループの子ども議員が一般質問を行いました。
提案された案件や一般質問の主な質疑は次のとおり。
「議長団」 福嶋夕璃(阿仁中3年)/工藤 遼(合川中3年)/佐藤 佑(前田小6年)
▼きたあきた子ども議会宣言(案)
1.きたあきた小学校子ども議会宣言(案)
2.きたあきた中学校こども議会宣言(案)
採決の結果、全会一致で可決
「ハッピータウングループ」 加賀谷涼未(阿仁中3年)/佐藤千笑(合川中3年)/堀内健太(鷹巣小6年)/小笠原優斗(綴子小6年)/松岡 譲(合川小6年)
▼北秋田市にはどのくらいの防犯カメラが設置されているか
▼防犯カメラの数を増やすことで安全な町になるのではないか
北秋田市では、市内の小中学校のほか、コンビニエンスストアや銀行などで独自に防犯カメラを設置しているが、全部の台数は把握できていない。防犯カメラの設置は、犯罪の減少や犯人逮捕に大いに役立っていると認識している。プライバシーの問題もあるため、充分な注意が必要だが、市民の安心・安全のため警察署などとも相談しながら、より効果的な導入と運用について検討し、設置に向けての準備をしていきたい。なお、防犯カメラを設置することも、安心・安全なまちづくりのための有効な手段の一つだが、市民が一緒になって力を合わせて「北秋田市を安全なまちにしよう、安心できるまちにしよう」という思いを持つことが何よりも大切だと考えている。
〈再質問〉▼防犯カメラのダミーや『防犯カメラ作動中』の看板を設置できないか
防犯カメラのダミーや、看板の設置も効果的な一つの方法であると考えるが、大変広い面積を持つ北秋田市のどこに設置するのかということが非常に大切だと思うので、これから検討を進めていくうえで大いに参考とさせていただく。
「地域活性化委員会グループ」 片山竣介(鷹巣中3年)/成田悠人(鷹巣南中2年)/佐藤笑夢(鷹巣小6年)/鈴木唯来(鷹巣東小6年)/木村優花(米内沢小6年)
▼北秋田市には魅力ある観光資源がたくさんあるが、そのPRがたりないのではないか
▼インターネットを通じたPR、お金は掛かるがテレビCMを行ってみては
北秋田市には、年間約120万人の観光客が北秋田市を訪れているが、さらに多くの観光客を呼び込むため、旅行代理店や雑誌社、各報道機関を通じて情報を発信している。また、昨年は「第12回あきたふるさと手作りCM大賞」で、北秋田市の作品が最優秀賞に輝き、秋田県だけでなく東北地方に毎日このCMが放送され、大変大きなPR効果を上げている。市、観光物産協会、阿仁スキー場などのホームページでさらに発信し、北秋田市の強みである大館能代空港や内陸線などの交通手段を整え、くまくま園や伊勢堂岱遺跡などの全国に誇る観光資源も併せて、何日でも北秋田市に滞在し、観光を楽しんでもらえる仕組みを作っていきたい。
▼くまくま園でアクリルドームの中から間近で熊が観れるようにしてみては
▼伊勢堂岱遺跡では見学だけでなく、体験を通したPRも考えてほしい
提案のあった「くまくま園」でのアクリルドームの中からの観察は、大変楽しい提案だが水族館とは少し異なり、相手がヒグマなので安全上の問題で難しいと思われる。もう一つの提案である伊勢堂岱遺跡での古代人の体験施設については、北秋田市縄文まつりで行っている勾玉づくりや火おこし体験などが、大変好評であったことから、平成28年度にオープンする伊勢堂岱遺跡ガイダンス施設では皆さんの提案を取り入れ、見学者が興味と感心をもてる内容となるようにもっと工夫したい。
今後も、北秋田市内の観光エリアや施設の充実はもちろんのこと、英語を始めとする多国籍語に対応できる案内人の育成や、パンフレット関係の整備を進め、国内外の観光客に対応した魅力ある北秋田市をPRしていく。子ども議員の皆さんを始め、皆さんの家族、そして全市民が地元の観光エリアや観光施設を訪れて実際に体感していただき、その体験を基に北秋田市を売り込むためのツアーガイドであるという思いを持って、一緒に北秋田市を売り込んでいただければ大変心強い。
「パワーアップスクールグループ」 高谷萌夏(鷹巣南中2年)/加賀 葵(森吉中3年)/長崎杏奈(鷹巣西小6年)/松橋結人(阿仁合小6年)/金田 雅(合川小6年)
▼もっと充実した学校生活をするために、これからも学校統合を進めてほしい
北秋田市では「小学校再編整備計画」という計画に従って統合を進めてきたが、統合による影響をできるだけ少なくするように、今後は市内の小中学校の課題をつかみ、地域の意見や要望なども十分に聞きながら、どの学校の統合が必要かどうかをよく考えて、新しい「小・中学校再編整備計画」を平成28年度中には作る予定になっている。
▼統合した新校舎へクーラーや新しい設備を
北秋田市では、全ての学校の保健室・職員室・校長室にはエアコンを、教室には大型扇風機を付けて、児童・生徒の皆さんが暑さを克服して学びやすい環境となるように取り組んできた。全ての学校の教室にエアコンを付けることができれば理想的だが、騒音や悪臭といった特別の事情がない限りは、窓を開けて自然の風を感じてみたり、大型扇風機やパソコン教室などを活用していただきたい。皆さんにはこの夏休み期間にエアコンに頼らなくても、夏の暑さに負けない丈夫で健康な体を作ってほしいと願っている。
▼少人数を解消し、部活動や体験学習を充実させるために、行きたい小中学校を選択できるようにするのはどうか
全国的に見ると、小・中学校の学校選択制度を実施している所はあり、北秋田市でも希望する部活動のある学校でどうしても頑張りたいという場合や、不登校を解消するためなど特別な理由がある場合に限り認めている。しかし、市内の小・中学校を自由に選択できるようにすると、どこの学校を選ぶか迷ったり、一部の学校に子どもが集まって他の学校がますます小規模になったりすることが考えられるほか、遠距離の通学が多くなる、子どもの成長に必要な地域との繋がりが薄くなる、皆さんの生活や地元に密着したテーマの体験学習を行いにくくなることなども予想されることから実施は考えていない。
「ハッピーライフグループ」 朝倉奈南美(鷹巣中3年)/伊東翔大(森吉中3年)/宮野里月(鷹巣中央小6年)/井上樹紀(鷹巣南小6年)/鈴木公基(大阿仁小6年)
▼北秋田市の充実した医療費無料制度などを他県に発信し、子育てしやすい環境であることを積極的にPRしてはどうか
北秋田市では、妊婦さんへの無料受診券の交付や、なかなか赤ちゃんに恵まれない方への治療費の援助など、子どもが生まれる前からの支援を用意していますし、子どもが産まれたあとは、中学生までの医療費を無料としたり、子育て世帯への児童手当を支給したりしている。また、保護者の方が、仕事をしながら子育てしやすい環境を整えるため、保育料の引下げや延長保育、授業終了後の学童保育を行うとともに、乳幼児健診の実施やインフルエンザを始めとする子どもがかかりやすい病気の予防接種代を援助することで、子どもの健やかな成長を応援しているところです。
北秋田市としても、今までもホームページやパンフレットで子育て支援の取組をPRしてきたが、北秋田市が抱える人口減少問題に対する激励とアドバイスと受け止め、わかりやすいパンフレットを用意してPRや窓口を充実していく。
▼移り住むには、働く場所と住む場所が必要。空き家に長く住んだら持家になるようにしてみては
▼働く場所については6次産業に力をいれ、全国に市の特産品を発信する仕事に就いてもらうのはどうか
他県から北秋田市に移り住んでもらうためには、住む場所と働く場所が必要となる。全くそのとおりです。空き家を活用するために空き家バンクという仕組みを作り、空き家の持ち主と家を借りたい人の仲立ちを市が行っている。まだ始まったばかりですが、空き家バンクを利用して多くの人に北秋田市に移り住んでもらいたいと考えている。「空き家を自分の持ち家にしたい」という方には、空き家を買うために必要なお金の一部を援助する仕組みもあるが、「長く住んだら自分の持ち家になる」ようにするためには、新しく仕組みを作る必要があるので考える時間をいただきたい。
働く場所としては、農産物を販売するための直売所が、来年、大太鼓の館がある「道の駅たかのす」の場所にオープンする予定ですので、地元のお米や野菜を売るだけでなく、市内の農産物を加工して販売する6次産業化にも積極的に取り組むこととしている。このほかにも、東京都板橋区にあり、1日の買い物客が約2万5千人もいる大山商店街では、北秋田市でとれた野菜や加工品を出品している「とれたて村」という店がありますし、先月は合川中学校の皆さんが東京都国立市まで行って、まと火の交流を行いながら比内地鶏のスープやあきたこまちのおにぎりの振るまいをして、北秋田市を大いに売り込んでいただいた。多くの皆さんに北秋田市を知っていただき、活気のある街にしていきたいと思っているので、皆さんにも北秋田市の応援団として、これからも積極的な応援をお願いしたい。
閉会にあたり、議長団を務めた工藤遼さんが、「こども議会の参加は、市の行政や議会の仕組みを学び、北秋田市の未来について考える機会として、私たちにとても貴重な経験になった。この経験を明日からの学校生活はもちろん、今後の生き方にも生かしていきたい。私たちのために指導にあたってくれた多くの方たちに感謝したい」などと子ども議員を代表してあいさつ。
最後に市議会の松尾秀一議長が「議長団においては、円滑な議事運営がなされ素晴らしかった。質問した4つのグループも、当市が現在抱える懸案事項や要点をついた鋭い質問内容であり、提案理由も分かりやすく、たいへん良い質問であった。今日、出された質問については、今後も十分に検討され、実現されることを私からも市長にお願いする。これからのまちづくりには、皆さんのような若い力と新しい発想が大切。今まで以上に市政に関心を持っていただきたい」と講評しました。