2015年02月26日
コンテンツ番号6113
北秋田市生誕の作曲家・成田為三が初の舞台化
北秋田市出身の作曲家・成田為三をテーマにしたミュージカル「為三さん!」の制作発表会が、2月26日(木)に秋田県庁プレゼンテーションルームで行われました。
このミュージカルは、仙北市のたざわこ芸術村に併設されたわらび劇場で上演されるオリジナルミュージカルで、「浜辺の歌」「秋田県民歌」を作曲し、戦争の時代を音楽家として駆け抜けた成田為三の半生を描いたものです。成田為三の代表曲「浜辺の歌」は、天皇、皇后両陛下が初めて訪米した昭和50年に大統領主催によるホワイトハウスでの晩餐会で演奏されるなど、日本を象徴する歌の一つとして数えられ、昨年開催された第29回国民文化祭・あきた2014では、成田為三が作曲した歌は様々な場所で多くの皆さんに歌われ、秋田の文化の豊かさと可能性を改めて再発見する機会となりました。
制作発表会では、山川龍己・(株)わらび座取締役社長、作・作詞・演出を手掛けた鈴木聡さん、成田為三役を演じる俳優の鈴木裕樹さん、津谷市長のほか、秋田県民歌の詞を手掛けた倉田政嗣ゆかりの地・大仙市の栗林次美市長、わらび劇場の地元・仙北市の門脇光浩市長が出席し、それぞれが上演に対する思いを語りました。
このうち、東京都出身の鈴木聡さんは「秋田は初めてで成田為三も知らなかった。真面目で怖いイメージの為三だが、酒飲みであり女性にもてたなど面白い一面を持っていたらしいので、皆さんにも知ってもらいたい。為三が上京するところからのストーリーは若い方に、戦中戦後のストーリーは大人の方に、ラッキィ池田さんの振り付けは子どもたちにと、幅広い世代に楽しんでもらいたい。歌は心のふるさとと感じてもらえる舞台にしたい」などと述べました。
また、津谷市長は「市には成田為三の功績を称えた浜辺の歌音楽館があり、戦争により多くの資料が無くなってしまったが、残っている少ない資料を展示している。これは市の大きな宝である。また、浜辺の歌音楽館少年少女合唱団も結成され、毎年音楽祭も開催しており、今回の成田為三を題材にしたミュージカルを通じて、地元の方にも成田為三の良さを再認識してもらいたい。また、その際にはぜひ内陸線を活用してもらってわらび座に行って頂きたい」などとあいさつを述べました。
このあと、出演者たちにより劇中で使用されるミュージカルナンバーの一部が披露されました。
ミュージカルは、平成27年4月11日(土)から平成28年1月3日(日)までの計190ステージ上演され、上演初日には県内の合唱団員が約400人集まるイベントが行われる予定です。
ものがたり
大正3年冬、秋田駅のホームから成田為三さんの物語は始まる。
上野の音楽学校を卒業後、「浜辺の歌」が大ヒットすると一躍作曲家の仲間入り。新進気鋭の作曲家として忙しく過ごす為三さんに「秋田県民歌」の作曲依頼が来る。作詞は同級生の倉田政嗣。友人との曲作りは、故郷と音楽への情熱をますます燃え上がらせた。しかし、そんな為三さんの元にも戦争の足音は迫ってくるのだった・・・。
「ふるさとみたいな歌を作ろう」夢を見続けた為三さんの情熱が、人々の心に光をともす!
上演時間やチケットの購入等については劇団わらび座の公式ホームページをご覧ください。