2026年01月15日
コンテンツ番号19858
伝統行事で五穀豊穣を祈願
(2026年1月15日)

今年1年の農家の仕事始めと五穀豊穣を祈願する小正月伝統行事の「雪中田植え」が1月15日(木曜日)に大太鼓の館前で行われ、秋田たかのす農業協同組合(小笠原隆志代表理事組合長)と関係者が田の神にお神酒などを供えて豊作を祈願しました。
この「雪中田植え」は、農家が1年の仕事始めの儀式として六尺(1.8メートル)四方の水田に見立てた雪の田んぼを作り、稲わらや豆がらを束ねたものを苗に見立て田植えを行い、1年の作柄、豊凶を占う民俗行事で庭田植えとも呼ばれています。
かつては、干ばつや台風などの邪気を祓い、神聖な田の神に五穀豊穣を祈る儀式として秋田県内でも古くから行われていて、江戸時代の紀行家・菅江真澄も八郎潟周辺で行われた行事を1810年に「小正月の田植え」として絵図に残しています。現在では北秋田市「綴子」のほか、県内でも限られた地域で伝承されているようです。
ここ綴子地区にも長く伝わる「雪中田植え」も一度途絶えましたが、昭和58年に稲作づくりに執念をかけた篤農家の故・高橋佐一郎氏(綴子上町)によって復活されました。しかし、同61年に高橋氏が他界したことで、また途絶えてしまいましたが、同63年より地域の農業後継者となる旧綴子農業協同組合青年部がその遺志を受け継いで再復活させ、現在は秋田たかのす農業協同組合青年部(藤嶋泰介青年部長)が継承して今日に至っています。
儀式を前に、藤嶋青年部長は「本日は地域農業の発展を祈願し、農業を守っていくために、会場の皆さまと一緒に『雪中田植え』を行いたい」などとあいさつしました。
次に、小笠原代表理事組合長が「近年、物価高騰、自然災害、鳥獣被害などで農業を取り巻く環境は年々厳しくなっている。しかし、農協としても農家の皆さんが営農を継続できるように努力していきたい。今年からいよいよ当管内でもサキホコレの作付けが本格的に始まる。今年が作付けの初年度ということで3つの農家の皆さんが対応する。これがうまくいって、これからどんどん作付けが拡大するように期待したい。今年は災害がなく大豊作となることを祈念する」などとあいさつしました。
また、来賓の小松武志産業部長が「昨年の『作占い』では『やや不作』であったが、県北地域の作況単収指数は『やや良』との喜ばしいニュースもあった。その一方で、渇水や4年連続の豪雨災害にも悩まされ、一部の地域ではかなり収益を落としているときいており、北秋田市としても心配しているとともに、災害復旧に全力で取り組んでいる。今後、新米の価格や在庫等、いろいろと先行きが見通せないところもあるが、市としても農協さんとともに農家の皆さんが安心して営農できるよう努めてまいりたい。本日参加されている皆さまにとって今年1年が良い年となるよう、また、今年の『作占い』に良い目となることを期待する」などと祝辞を述べました。
続いて儀式に移り、同青年部の小坂亮太さんが田植え人を務め、けら、菅笠姿の昔ながらの装いで、約30センチ間隔で4条4株ずつ計16束の「苗」を丁寧に植え付けました。
田植えを終えた後、虫除け(病害虫防除)のためにスス払いのワラほうきで雪田をお祓いし、田の目印としてそのワラほうきを雪田の中心に逆さに立て、大根の煮しめやナマス、デンブ、お神酒などを供え、参加者全員が大豊作を祈願しました。
来月2月1日(日曜日)には、作占いとなる「雪中稲刈り」が同所で行われる予定となっていて、その際に稲が直立していれば実が入らない不稔(ふねん)、倒れていれば風水害による倒伏のそれぞれ凶作を意味します。また、たわわに実った稲穂のように適度に傾いていれば豊作など、1年のお告げが出るとされています。
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あいさつする藤嶋青年部長 -

あいさつする小笠原代表理事組合長 -

祝辞を述べる小松産業部長 -

儀式の様子
