2024年04月06日
コンテンツ番号17166
ふるさと川の環境保護と世界遺産の発信に
(2024年4月6日)
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業の「第14回カムバック縄文サーモン」が、4月6日(土曜日)に世界文化遺産・国指定遺跡「伊勢堂岱遺跡」の下を流れる湯車川で行われ、サケの稚魚約2万1,000匹を放流しました。
この放流事業は、「伊勢堂岱遺跡」の世界遺産登録推進の一環として、同遺跡の一般公開前の毎年この時期に行われています。一時期は、遡上するサケの個体数が減少したことで、小林達雄委員長(元史跡伊勢堂岱遺跡整備検討委員長、國學院大學名誉教授)の発案により、平成23年から継続的に実施して今回で14回目を迎えました。
湯車川には例年10月中旬からサケが遡上し、史跡のそばでサケの遡上が観察できることはとても珍しく、かつて縄文人も遡上したサケを食料として活用していたと考えられています。サケが遡上するふるさとの川の環境保護を図りながら、遺跡周辺を「カムバック縄文サーモン」の中心地として、世界遺産登録の推進に大きく貢献することを目的に、市観光文化スポーツ部文化スポーツ課が主催、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤 要代表)、鷹巣漁業協同組合(湊屋啓二組合長)の共催で行われてきています。
この日の放流事業には、ワーキンググループ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、地元自治会、一般市民などが参加しました。
「伊勢堂岱縄文館」で行われた開会式では、主催者を代表して津谷市長が「これまで多くの関係者の皆さまのご尽力により、14回目の開催ができたことに感謝を申し上げる。空港、高速道路が近く、そしてサケがのぼってくる豊かな環境の伊勢堂岱遺跡があることは、市民にとっても大きな誇り。このカムバック縄文サーモンの事業を通じて、伊勢堂岱遺跡をはじめ、北秋田市を盛り上げていきたい。今日は楽しく放流しましょう」などとあいさつしました。
続いて、同遺跡ワーキンググループの佐藤 要代表が「この放流事業により、身近な自然環境を感じ、命の大切さも学んでほしい。地域やふるさとを愛する心のつながりを大切にしてほしい」などとあいさつを述べました。
また、鷹巣漁業協同組合の湊屋組合長が「男鹿市からサケの稚魚2万1,000尾を運んできた。サケの回帰率は0.73パーセントほどといわれており、今回放流すると、その多くは平均して4年後の10月から12月にかけてに遡上してくる。これまで多いときは153匹が確認されている。これからもこの事業を通じて、サケが戻ってくる湯車川の環境を守り大事にしていきたい」などとサケの成長についてなどの説明と諸注意を交えてあいさつを述べました。
このあと、参加者らはスタッフから稚魚をバケツに小分けしてもらい、津谷市長とともに放流したあと、元気に湯車川を泳ぐ稚魚の姿を見守りました。
近年では、放流事業の継続効果もあり、10月中旬から体長約70センチのサケの遡上が確認されており、昨年も約4年前に放流したと思われる複数匹の遡上したサケが、地域住民や来訪者の目を楽しませています。
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あいさつする津谷市長 -
あいさつする佐藤代表 -
あいさつする湊屋組合長 -
開会式での参加者の皆さん -
ジュニアボランティアなども放流 -
親子で楽しく放流 -
元気に泳ぐ放流されたサケの稚魚 -
参加者で記念撮影