2024年01月28日
コンテンツ番号16851
文化財を火災などから守る ~みんなで守ろう文化財~
(2024年1月28日)
令和6年「文化財防火デー」による火災想定訓練(教育委員会主催)が1月28日(日曜日)に合川地区鎌沢地内の曹洞宗 白津山「正法院」で実施されました。
「文化財防火デー」は、昭和24年1月26日に聖徳太子の縁の寺として知られ、現存する世界最古の木造建造物である奈良県の国宝・法隆寺の金堂が炎上し、貴重な文化財である壁画が焼損したことで、火災など災害による文化財保護の危機を深く憂慮する世論が高まり、翌昭和25年に文化財保護の統括的法律として文化財保護法が制定されました。1月と2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期であることから、昭和30年に1月26日を「文化財防火デー」と定め、同年の第1回文化財防火デー以来、毎年1月26日を中心に全国で文化財防火運動が展開されています。
北秋田市でも「文化財防火デー」を迎え、地域の重要な建築物を火災、その他の災害から守るため、消防関係機関と地域周辺住民との連携、協力体制を強化し、地域ぐるみの防火、防災意識の高揚を図るとともに、冬期間における火災防御実践訓練を実施し、迅速かつ的確に行える技術の習熟と向上を図ることを目的に実施されています。
この日の火災想定訓練が行われた曹洞宗 白津山「正法院」では、「お寺で檀家が会合中に火災が発生し、自主避難と消火器による初期消火。火事ぶれと119番通報をし、火災発生の連絡を受けた消防団が文化財への延焼防止のため火災防御(貯水槽から中継送水を介して放水)を実施する」との想定の下で、正法院関係者、鎌沢自治会、消防団第8分団、消防署西統合分署、教育委員会の約70人が参加連携し、通報・避難誘導訓練、初期火災訓練、火災防御訓練などの活動にあたりました。
訓練のあとの閉会式では、教育長代理の小塚重光生涯学習課長が「北秋田市には、国指定8件、県指定12件、市指定71件の文化財がある。ここの正法院も市指定有形文化財である鎌沢の大仏・丈六延命地蔵菩薩像がある。お寺も地域の皆さまと関わりが深く、心のよりどころと言える存在。こうした財産を大切にし、火災などの災害から守り、後世に引き継ぐことは私たちに課せられた重要な責務と考える。日頃から防災に努めることはもちろん、万が一の際は、本日の訓練をはじめ、地元の自治会の皆さまの協力が必要であるため、ご協力を賜るようお願いする」などとあいさつしました。
また、鎌沢自治会長は「心のよりどころである大仏を守っていくことが大事。火災に対しては気をつけ、普段の心構えを大事にして努めていきましょう」などとあいさつしました。
最後に、正法院住職が「普段の訓練が何より重要で、このような機会を与えていただいてお寺としても感謝を申し上げる」などとあいさつしました。
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自主避難訓練を行う住民 -
火災防御訓練で放水する消防団 -
あいさつする小塚生涯学習課長 -
あいさつする鎌沢自治会長 -
あいさつする正法院住職 -
丈六延命地蔵菩薩像(鎌沢の大仏)