2024年01月15日
コンテンツ番号16795
今年の豊作を祈願する伝統行事が開催される
(2024年1月15日)
今年の稲作の豊凶を占う小正月行事の雪中田植えが、1月15日(月曜日)に大太鼓の館前で行われ、JA秋田たかのす農業協同組合の関係者などが田の神にお神酒を供え、豊作を祈願しました。
雪中田植えは、農家が一年の仕事始めの儀式として1.8m四方の水田に見立てた雪の田んぼを作り、稲わらや豆からを束ねた「稲」を植え、一年の作柄を占う民俗行事で庭田植えとも呼ばれています。
かつては、干ばつや台風などの「邪気」を祓い、神聖な田の神に、五穀豊穣を祈る大切な儀式で、秋田県内でも古くから行われ、江戸時代の紀行家・菅江真澄も八郎潟周辺で行われた行事を1810年に「小正月の田植え」として絵図に残していますが、現在では綴子のほか、湯沢大倉集落など県内でも限られた地域で伝承されているだけです。
綴子地区に伝わる雪中田植えも、一度途絶えたものを昭和58年、稲作作りに執念をかけた篤農家の故・高橋佐一郎さん(綴子上町)によって復活されました。昭和61年に高橋さんが他界したことで、また一時途絶えましたが、昭和63年より地域の農業後継者である旧綴子農協青年部がその遺志を継いで「再復活」させ、現在はJA秋田たかのす青年部(鈴木豊部長)が継承し今日に至っています。
この日は、厳しい寒さの中、儀式の前に鈴木青年部長は「ここ数年、やや不良という占いの結果であったので、今日の雪中田植えでは今年の豊作を願っていただければと思う」などとあいさつをしました。
続いて、小笠原代表理事組合長が「昨年大雨被害、今まで経験したことのない猛暑、クマ被害などで稲作経営が大変影響を受けている。様々な状況に対応していかなければいけないが、この農地を活かして食料を生産することは国民の命を守ることでもある。鷹巣地区、綴子地区、一体となった営農活動を続けていただきたい」などとあいさつをしました。
また、来賓を代表して河田副市長が「去年一年の稲作を取り巻く環境は、天候不順、燃料費、肥料代の高騰などで厳しい一年となった。北秋田のお米は、私たちが管理しているふるさと納税でも全国津々浦々に発送され高い評価をいただいている。今年の大豊作と農家経営が安定することを願う」などと祝辞を述べました。
その後、大太鼓の館前に特設された雪田の前で儀式が行われ、青年部盟友の亀山春樹さん(26歳)が田植え人を務め、けら、菅笠姿の昔ながらの装いで30センチ間隔で4条に4株ずつ計16束の「苗」をていねいに植え付けました。
田植えの後には、虫除けのためスス払いのワラぼうきで雪田をお祓いし、田の神の目印としてそのワラぼうきを逆さにして雪田の中心に立て、大根の煮しめやナマス、デンブ、お神酒を供え、参加者が豊作を祈願しました。
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あいさつをする鈴木青年部長 -
あいさつをする小笠原代表理事組合長 -
祝辞を述べる河田副市長