2023年12月03日
コンテンツ番号16618
遺跡や文化を世界へ発信する方策を考える
(2023年12月3日)
「ストーンヘンジと縄文」シンポジウム(中嶋俊彦実行委員長)が12月3日(日曜日)に北秋田市文化会館で開催され、参加者約200名が美しい音色や講演会に熱心に耳を傾けていました。
このシンポジウムは、英国ストーンヘンジビジターセンターで2022年9月から1年間、縄文文化のストーンサークルをテーマに開催された特別展「環状列石:ストーンヘンジと日本先史時代」の成果から、伊勢堂岱遺跡及び縄文文化を世界へ向け発信する方策を考えることを目的に、2部構成(第1部:音楽会、第2部:講演会、パネルディスカッション)で行われました。
開会に先立ち中嶋俊彦実行委員長が「ユネスコ世界文化遺産に登録後、全国各地から多くの人々に遺跡を訪れていただいているが、一方でコロナ前のようなインバウンドや観光消費の面では伸び悩んでいる状況。このシンポジウムを通して、皆さんとともに本市の観光振興を盛り上げる方策を考えたい」などとあいさつを述べました。
続いて津谷市長が「登録後、これまで多くの方に遺跡を訪れていただき、また遺跡の価値や魅力を知っていただくための様々なイベントを開催してきた。またイギリスの世界文化遺産『ストーンヘンジ』ビジターセンターには、伊勢堂岱遺跡の出土品を貸し出し、世界中の方に知っていただく機会を作った。昨年度、国のデジタル田園都市国家構想の交付金が採択され、XR化事業として縄文館内に出土品鑑賞システムを導入した。この取り組みが交付金事業の優良事例を表彰する『デジ田甲子園』において、本選出場を果たした。遺跡を世界に発信する気運は高まってきているため、シンポジウムを通してこれまでの成果や新たな可能性を検討したい。本日はよろしくお願いします」などと来賓挨拶を述べました。
第1部の音楽会では、チェロ奏者の斎藤孝太郎氏による伊勢堂岱遺跡の石の配置や縄文土器の文様を音符に変換した楽曲の演奏「Jomon Music of the Earth」が披露され、参加者らは美しい音色に魅了されていました。
第2部では初めに、セインズベリー日本藝術研究所統括役所長のサイモン・ケイナー博士による「ストーンヘンジと縄文」をテーマにした講演が行われました。講演後は、柳澤伊佐男さん(NHK奈良放送局)をコーディネーターに迎え、サイモン・ケイナー博士、伊勢堂岱遺跡ジュニアボランティアガイドとしてガイドしてきた九嶋莉那さん(国際教養大学学生)、井上樹紀さん(秋田大学学生)によるパネルディスカッションが行われ、参加者らは時折メモを取るなど、熱心に耳を傾けていました。