2023年06月07日
コンテンツ番号15935
地域の伝統文化の継承と後継者の育成を支援
(2023年6月7日)
公益財団法人 明治安田クオリティオブライフ文化財団(関口憲一理事長)の令和5年度「地域の伝統文化保存維持費用助成」制度の助成対象となった、比立内獅子踊保存会比靖会(ひせいかい)(松橋恒男会長)への助成金贈呈式が6月7日(水曜日)に市役所阿仁総合窓口センターで行われました。
同財団では社会貢献活動として、クラシック音楽分野における人材育成ならびに地域の伝統文化(民俗芸能および民族技術)の継承、特に後継者の育成支援を行っています。令和4年10月から「地域の伝統文化保存維持費用助成」制度の助成対象候補者を公募し、このたび、応募85件の選考を終えて48件の助成対象の中で「比立内獅子踊保存会比靖会」が決定となりました。
北秋田市指定無形民俗文化財の「比立内獅子踊」は、慶長年間(1596-1614)、佐竹公が常陸から秋田へ来るときに、家来たちが長旅の慰労と崩れがちな士気を盛り上げるため、足軽たちが大名行列を型どって殿様にお目にかけた道中芸が獅子踊りの始まりと言われています。また、獅子踊りは、明治期に浦田地区から伝習したとされており、その後の桂瀬地区から訪れた人からも伝授され、さらに戸沢さらら(現仙北市西木地区)なども参考にして、現在の比立内獅子踊りができたとされています。
贈呈式には、明治安田生命保険相互会社秋田支社の岸本輝彦支社長、沼澤信博大館営業所長、清水潤也市場開発担当部長、江口英賢営業支援担当次長などが訪れ、岸本支社長が「選考委員会において、継承している文化財が内容豊かなものであり、長期に渡る地道な継承活動が高く評価された結果と聞きお祝いを申し上げる。民族固有の財産というべき伝統文化を後世に伝えることによって、豊かな心を育み、地域が活性化することを願っている。今回の助成が皆さまの継承活動のお役に立てれば幸いである」などとあいさつし、比立内獅子踊保存会比靖会の松橋恒男会長と佐藤一男副会長に助成金の目録が手渡されました。
続いて、来賓の秋田県教育庁生涯学習課文化財保護室の五十嵐一治室長が「比立内獅子踊保存会比靖会は、地元に残る貴重な民俗芸能継承のために精力的に活動を行っており、地域の子どもたちとの交流や各種行事への参加実績も豊富である。この度の助成により、演舞に不可欠な用具である大太鼓の修繕を実施することで、活動の継続が安定し、地域でのさらなる広がりを期待する。民俗芸能は地域社会に欠かせないものであり、保存団体の皆さまが直面している課題の解決に向けて積極的に取り組んでまいりたい」などと祝辞を述べたほか、北秋田市教育委員会生涯学習課の小塚重光課長が「この度の決定に、本市としても大変喜ばしく感謝を申し上げる。本市には民俗芸能が多くあるが、少子高齢化や担い手不足により伝承が途絶えてしまったものもある中で、比立内獅子踊は北秋田市に残る貴重な民俗芸能の一つであり、比靖会の皆さまは、昭和23年の設立から現在に至るまで、地域の大切な伝統を継承しようと地域と一体となって活動を継続している。今回の助成金を活用できることは非常にありがたいことである。助成金は太鼓の張り替えなどに充てると伺っているが、太鼓のよりよい音色を響かせた獅子踊りを拝見できることを楽しみにしている」などと祝辞を述べました。
最後に、受贈者を代表して、松橋会長が「このたびの贈呈に感謝を申し上げる。後継者不足は深刻な問題であり、今後の活動も困難ではあるが、地元だけにこだわらずに他の地域からの受け入れも考えている。今後も知恵を絞り力を合わせて努力してまいりたい」などと感謝とお礼を述べました。