2023年01月29日
コンテンツ番号15424
文化財を火災などから守ろう ~育てよう 歴史を守る 防火の心~
(2023年1月29日)
「文化財防火デー」による火災想定訓練が1月29日(日曜日)に市内4地区(旧長岐家住宅、向本城児童館、根子児童館、新田寺)で実施されました。
「文化財防火デー」は、昭和24年1月26日に聖徳太子の縁の寺として知られ、現存する世界最古の木造建造物である奈良県の国宝・法隆寺の金堂が炎上し、貴重な文化財である壁画が焼損したことで、火災など災害による文化財保護の危機を深く憂慮する世論が高まり、翌昭和25年に文化財保護の統括的法律として文化財保護法が制定されました。1月と2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期であることから、昭和30年に1月26日を「文化財防火デー」と定め、同年の第1回文化財防火デー以来、毎年1月26日を中心に全国で文化財防火運動が展開されています。
北秋田市でも「文化財防火デー」を迎え、地域の重要な建築物を火災、その他の災害から守るため、消防関係機関と地域周辺住民との連携、協力体制を強化し、地域ぐるみの防火、防災意識の高揚を図るとともに、冬期間における火災防御実践訓練を実施し、迅速かつ的確に行える技術の習熟と向上を図ることを目的に実施されています。
この日の火災想定訓練が行われた秋田県有形文化財「旧長岐家住宅」(七日市)では、「旧長岐家住宅から火災が発生し、初期消火を行うが火勢は衰えず、強風により七日市地区全体に延焼拡大する恐れがある」との想定の下で、自治会、自主防災会、消防団、消防署が連携し、通報訓練、初期火災訓練、火災防御訓練などで消火にあたりました。
訓練のあとの閉会式では、はじめに佐藤教育長が「北秋田市には、国指定8件、県指定12件、市指定70件の文化財がある。この旧長岐家住宅は、平成31年3月15日に県指定文化財に指定されており、貴重な文化財が収蔵されていて、七日市小猿部地区の歴史や営みをうかがうことができる。このような地域の宝を大切にし、火災などの災害から守り後世に引き継ぐことは、私たちに課せられた責務であると考える。日頃から防災に努めるとともに、万が一の際は、本日訓練されたような初期対応など地元自治会のご協力が必要である。今後もご助力をお願いしたい」などとあいさつしました。
また、千葉一永七日市自治会長が「地域では、『おさるべ元気くらぶ』などをはじめとして保存活動に努めている。県や市の協力もあり修復も進んできている。地域も一丸となって、今後も保存に努めていきたい。本日は七日市地域から3消防団が参加され、日頃の活動に敬意を表したい」などとあいさつしました。
最後に、杉渕一弘消防団長が「文化財防火デーが定められてから69回目を迎えた。近年火災が多く発生しているが、火災に対して、我々消防団もいち早く初期消火にまい進しているが、文化財防火デーを迎え、自治会の皆さまとの協力体制が一番重要と思っている。何よりも、火災、震災、あるいはその他の災害から文化財を守り、後世に残していくことが我々の使命である。災害の際には、本日の訓練を思い出しながら、地元の消防団、自主防災組織が一致協力して初期消火に向かい、被害を最小限に努めてほしい。今日の訓練を糧として、これからも防災意識を高めながら地域の安心安全のために協力をお願いする」などと講評を述べました。
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地域住民による初期消火(バケツリレー) -
消防団による放水訓練 -
あいさつする佐藤教育長 -
あいさつする七日市自治会長 -
講評を述べる杉渕消防団長 -
火災想定訓練に参加した皆さん