2022年11月13日
コンテンツ番号15070
大阿仁地域の救命率の向上を目指して
(2022年11月13日)
大阿仁AEDステーションの開所式が11月13日(日曜日)に市役所阿仁庁舎大阿仁出張所で行われ、大阿仁地域の住民が参加し「大阿仁AEDステーション構想」に理解を深めました。
AEDステーションは、バイスタンダー(その場に居合わせた方)が救命を目的としてAEDを使いやすい環境の整備をする事業で、北秋田市消防本部(長岐篤市消防長)では、応急救護体制の強化を図り、当該地域で心肺停止の傷病者が発生した場合、あらかじめ救命講習等の教育を受けた住民が消防署からの連絡を受け、救急隊が到着するまで応急手当を行う「ファーストレスポンダー体制」の導入も進めています。
北秋田市では昨年、県内初となる自治会が運営するAEDステーションが浦田地区に開所しています。
北秋田市消防本部によると、管内で救急車が到着するまでの平均時間は9.1分となっていて、この大阿仁地域では最も離れたエリアを含めて19.47分と、到着まで約2倍以上かかっていることから、大阿仁地域の救命率を向上させたいという考えのもとで大阿仁出張所が選定となりました。出張所では「緊急時は誰でもAED使用可能」の表示証を入口付近に掲示しています。
開所式では、はじめに佐藤敏文阿仁総合窓口センター長から「大阿仁出張所では、誰もが24時間出入りできる場所を提供できるとして、このたびのAEDステーションの開所を迎えるに至った。これにより、地域住民の皆さまへAEDを広く周知し、必要時には有効活用していただきたい。命を救うために一人ひとりが協力し助け合うことが重要であり、この大阿仁AEDステーションが助け合いのきっかけとなり、一人でも多くの方を救うことができれば安心して暮らす地域となる」などとあいさつがありました。
また、松橋雅徳警防課長が「AEDは救命のために電気ショックを行う誰でも使用できる安全な医療機器である。AEDステーションは救急隊の到着までの時間を要する地域において、救急車の到着を待たずに地域の皆さんがAEDを使用し、救命処置を行う拠点となる。様々な地域に備わっているAEDが迅速に使用できるような体制づくりは、地域住民の命を救うチャンスが格段に上昇することになる。まさに、自分たちの地域は自分たちで守るという自助・共助の精神で、救急隊が到着するまで時間をカバーしてほしい。一人でも多くの命が救われるよう、さらに安心安全な地域となることを祈念する」などとあいさつしました。
このあと、参加者は職員からAEDステーションの重要性と運用方法、心肺蘇生法とAEDの説明を受け、119番通報や心肺蘇生法、AEDの取扱いを体験しました。
今後は、さらに普及啓発活動を継続し、ファーストレスポンダー隊の発足も視野に、地域住民や旅行者に安心を提供する拠点となることが期待されています。