2022年08月14日
コンテンツ番号14732
肝煎屋敷の様子を現代に伝える数少ない建造物
(2022年8月14日)
平成31年3月15日に秋田県有形文化財(建造物)に指定された「旧長岐家住宅」の一般公開が、8月14日(日曜日)、15日(月曜日)の2日間行われました。
長岐家は、江戸時代初期にこの地を切り拓き、七日市村の代々肝煎りを務め、農村の興隆に尽くした家柄で、農業経営の安定のため、灌漑用水利の確保や整備、治水事業に尽力し、馬産改良にも貢献され、地域では「おやかた」と呼ばれ敬われていました。
現存住宅の本屋は切妻造平入りの形式で、江戸時代後期の文政13(1830)年に新たに建てられたことが資料から分かっています。建物内部の北西側の格式の高い書院座敷、釘隠しなどの意匠は農家建築では見られないもので、秋田佐竹藩の本陣を務めた肝煎屋敷の様子を現代に伝える数少ない建造物として、平成元年10月1日には市の有形文化財(建造物)に指定されています。
平成17年に土地と建物の大部分、平成22年に文書・掛け軸など、平成29年には所有していた長岐邸の残りすべての土地が市に寄付されています。
この期間の一般公開は、小猿部地区の歴史、民俗、風土を学ぶ講座の開催をはじめ、旧長岐家の保存活用のための庭園整備やガイド活動などを行っている「おさるべ元気くらぶ」(長岐直介代表)が公開しているもので、住宅と庭園の一般公開のほかに特別展「七日市公民館講座『簡単洋服づくり講座』作品展示発表」も行われ、公開と同時に見学者が訪れていました。