2022年06月05日
コンテンツ番号14468
降水期を前に水防技術の向上と水防体制の確認・強化へ
(2022年6月5日)
令和4年度の北秋田市水防訓練が6月5日(日曜日)に米代川右岸鷹巣橋下流河川敷で行われ、北秋田市水防団(消防団各分団)などが水防技術の向上と有事に備えて対応を確認しました。
この水防訓練は、出水時における初期の防災活動および水防機関の士気の高揚と水防技術の向上、水防体制の強化を図り、地域住民の安全を保持することを目的に実施しています。
この日の訓練は、水防団(杉渕一弘団長)、市や消防本部(長岐篤市消防長)などの関係者約160人が参加し、シート張工、月の輪工、積み土のう工の3工法が行われ、水防団員12分団が3工法それぞれ6班での編成により実施しました。
開会式では、訓練本部長の津谷市長が「3年ぶりに水防訓練を行うことができた。こうして皆さんを前にして大変心強く感じており、日頃の活動と訓練への参加に感謝を申し上げる。全国各地で自然災害による大きな被害を及ぼしているが、北秋田市においては平成19年に大きな水害があった。以降、大きな災害は発生していないものの『1,000年に1度』『想定外』という言葉が当たり前のように自然災害が猛威を振るっている。本日の訓練は、降水期を前に団員の意識の高揚、水防技術の向上、そして水防体制の強化を目的に行われるものである。再度、確認の意味で意思疎通を図りながら、有事の際に取り組むための位置付けとして訓練に臨んでほしい」などとあいさつを述べました。
続いて、杉渕団長が「このように一堂に会しての訓練は3年ぶりとなる。訓練の目的は、水防の技術向上と体制の確立・確認である。全国各地で災害が発生している。有事の際は、一致協力しながら、その体制づくりに向かっていかなければならない。本日の訓練は、3工法それぞれとなるが、消防職員の指導の下、くれぐれもケガなどのないよう訓練に励むとともに、技術を身に着けてほしい」などと訓示しました。
このあと、実施部長の小松正彦総務部長から指令が出されて訓練が始まり、訓練本部長(津谷市長)などが3工法それぞれの視察を行いました。
訓練後の閉会式では、長岐消防長が「近年は、少ない人数、そして短時間での新たな工法も開発されているが、本日の訓練は昔からの工法を基礎とするものである。受け継がれてきた物理的な効果を知ることができる。古典的で手短にできる工法の効果と原理を理解することに、訓練の一番の目的があろうかと思う。また、長年にわたり水と生活を共にした先祖が、ふるさとを守るための英知として活用してきた水防工法を継承していくことは、私たちに課せられた責務でもある。そして、今の私たちにできる必要なことは、災害を忘れないことである。消防が訓練を行うことで、過去の災害を振り返り、災害の警戒認識を市民の皆さんと共有できることが、市民の安心や安全確保にもつながっていくものと考える。水防訓練を行う意義や意味について、理解を深める機会となれば幸いである。地球温暖化が影響とされる異常気象は、最近では局地的、集中的、そして長期化する特徴を持っている。河川の氾濫はどこでも発生するという危機意識を持ち、有事には今日習得した技術を発揮していただきたい」などと講評しました。
また、訓練会場では、あらかじめ設置された川倉工の展示、国土交通省による排水ポンプ車と照明車の展示が設けられたほか、そのポンプでの排水作業や東光産業株式会社によるドローンのデモンストレーションも行われ、今後の水防体制が確認されました。