2022年05月02日
コンテンツ番号14323
「夏山冬里方式」により畜産農家の労力軽減と健康な放牧牛の育成へ
(2022年5月2日)
市営「鷹巣放牧場」(平成3年開設)の安全祈願祭と入牧式が5月2日(月曜日)に行われ、同放牧場利用組合(九島敏昭組合長、16組合員)の組合員や関係者が約30人出席し、放牧場の安全と入牧牛の成長を祈願しました。
組合員による放牧は、毎年この時期に行われており、夏期は緩やかな傾斜の山地に放たれて牧草をはみ、冬期は里で舎飼いされる「夏山冬里」の飼育方式を行うことで、ストレスのない牛の健康と肉質の向上、畜産農家の省力化に適した繁殖経営方式とされています。
この日は、8組合員が飼育する黒毛和種の成牛25頭と、県が所有する種牛「糸花国」(いとはなくに)1頭の計26頭が入牧し、今後の順調な繁殖や成長が期待されています。
関係者による安全祈願祭を終えたあとの入牧式では、金田浩樹農林課長が「今年は雪が多く、牧場の雪害や草地の生育状況が懸念されたが、予定どおり入牧式を迎えることができた。平成3年に開設以来、夏山冬里方式による畜産農家の労力軽減、健康な放牧牛の育成を目的として運営している。畜産農家の皆さまには、コロナ禍の折、市場取引価格等が低迷するなどの厳しい局面もあるが、牧場を活用しながら所得向上につながることを祈念する」などとあいさつを述べました。
続いて、九島敏昭放牧場利用組合長が「本日の放牧に合わせて作業をしてくださった皆さんに感謝を申し上げる。コロナ禍により、3年ほど組合員や関係者の皆さまとの親睦の場を設けることができていないが、早く終息して以前のように開催できることを願っている。放牧場で事故などがなく退牧の日を迎えられることを願っている」などとあいさつを述べました。
また、来賓を代表して、小笠原隆志秋田たかのす農業協同組合代表理事組合長が「本日の入牧により、牛たちにとっては、広々とした環境で自由に動き回れることがストレスの軽減につながり、さらには高品質な牛の生産にもつながることと思う。コロナ禍でも消費者の皆さまに、良質で高品質な牛として支持されることを期待している。牧場の無事故と牛たちの健全な成長、そして皆さまのご多幸とご健康を祈念する」などと祝辞を述べました。
入牧式後は、衛生検査を終えて待機していた牛たちが、パドックの扉が開くと同時に勢いよく飛び出し、牧場内を元気に駆け回りました。