2022年01月15日
コンテンツ番号13836
今年の稲作の豊作を祈願
(2022年1月15日)
今年の稲作の豊凶を占う小正月行事の雪中田植えが、1月15日(土曜日)に大太鼓の館前で行われ、JA秋田たかのすの関係者などが田の神にお神酒を供え、豊作を祈願しました。
雪中田植えは、農家が一年の仕事始めの儀式として1.8m四方の水田に見立てた雪の田んぼを作り、稲わらや豆からを束ねた「稲」を植え、一年の作柄を占う民俗行事で庭田植えとも呼ばれています。
かつては、干ばつや台風などの「邪気」を祓い、神聖な田の神に、五穀豊穣を祈る大切な儀式で、秋田県内でも古くから行われ、江戸時代の紀行家・菅江真澄も八郎潟周辺で行われた行事を1810年に「小正月の田植え」として絵図に残していますが、現在では綴子のほか、湯沢大倉集落など県内でも限られた地域で伝承されているだけです。
綴子地区に伝わる雪中田植えも、一度途絶えたものを昭和58年、稲作作りに執念をかけた篤農家の故・高橋佐一郎さん(綴子上町)によって復活されました。昭和61年に高橋さんが他界したことで、また一時途絶えましたが、昭和63年より地域の農業後継者である旧綴子農協青年部がその遺志を継いで「再復活」させ、現在はJA秋田たかのす青年部(鈴木豊部長)が継承し今日に至っています。
儀式を前に鈴木青年部長は「青年部活動においてはコロナ禍によりうまく活動ができなかったが、こうして年初めの一大行事である雪中田植えを行うことができ感謝している」などとあいさつしました。
このあとの儀式では、小坂亮太さんが田植え人を務め、けら、菅笠姿の昔ながらの装いで30センチ間隔で4条に4株ずつ計16束の「苗」を丁寧に植え付けました。
田植えの後には、虫除けのためスス払いのワラぼうきで雪田をお祓いし、田の目印としてそのワラぼうきを逆さにして雪田の中心に立て、大根の煮しめやナマス、デンブ、お神酒を供え、参加者が豊作と米価の上昇などを祈願しました。
田植え人を務めた小坂さんは「今年は1年ぶりに雪中田植えの田植え人を務めることができた。今年の豊作と天候に恵まれる1年になることをお願いしながら田植えを行った。コロナ禍ではあるが、今年1年を元気に過ごして、良い稲を作れるようにしていきたい」などと話しました。