2021年06月30日
コンテンツ番号13034
伝統の色に染め秋田八丈をつなぐ
今回は、秋田に伝わる伝統の染め織り「秋田八丈」を復活し今に伝える、綴子地区田子ヶ沢にある「ことむ工房」を紹介します。
秋田八丈と呼ばれる200年を超える秋田の伝統工芸の絹織物を今に伝える「ことむ工房」。現在も手作業で染め織りを続けている奈良田登志子さんにお話しを伺いました。
Q.このお仕事を始めようと思ったきっかけはなんですか?
「もともと生まれた場所が田子ヶ沢だったからで、実家の傍に工房を姉の協力で建てました。最初は秋田市で秋田八丈を作る会社で仕事していましたが、その会社が廃業となり、いったん秋田八丈が途絶えた時期もありました。その後、先代の廃業した工場から、使える機械や道具などを全部譲り受けて工房をはじめました。秋田市で働いていたときは最初パートとして工場に就職しました。従業員は2、3人でしたが、先代の社長は仕事には厳格な方で大変な面もありましたが、染めの仕方から、織物として仕上げるところまで教わりました」
Q.秋田八丈を製作する上で心がけていることはありますか?
「秋田八丈は草木染で使用する色が黄・黒・茶など決まっています。それを中心にして柄を考えなければいけないわけですが、色数が限られた中で、どのように柄を作るかを考えながら織る必要があるので、それが大変です。また、最近では時代に合わせピンク色の糸もよく使うようになりました。また、絹糸を染める際に、どうしても染め具合が全く同じとはいかず、色指定の注文の際には、なかなか同じ色にならないので苦労します」
Q.おすすめの商品はなんですか?
「特におすすめという商品はありません。小物などは反物の余った部分を使っていますが、色の染め具合、織り具合で、同じ種類の小物でも一つ一つ違うので、全く同じものがない状態です。逆に同じものがないというのも魅力かもしれません」
Q.お客様にどのように利用してもらいたいですか?
「秋田八丈と聞くと敷居が高いものだと思われているようで遠くから工房にくるお客さんの中には勇気を振り絞ってこられる方もいますが、そこまで難しく考えず見学も気軽に来てほしいと思っています。自分もお客さんが来てくれるのがとても楽しいし、一度見て色々な秋田八丈に触れてもらえればいいと思います」
Q.今後の展望について
「経営者として事業を大きくしたいとは特に考えていませんが、元気なうちは自分たちが好きなように秋田八丈を織っていきたいと思っています。これを誰かに必ず伝えないといけないと難しく考えることなく、自分がやれるペースで続けていきたいと思っています」
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所在地・連絡先等
ことむ工房
電話番号(FAX兼用):0186-62-0118