2021年04月30日
コンテンツ番号12843
「夏山冬里」の飼育方式始まる
(2021年4月30日)
市営鷹巣放牧場(平成3年開設)の入牧式と安全祈願祭が4月30日(金曜日)に行われ、同放牧場利用組合(九島敏昭組合長、16組合員)の組合員や関係者約30人が出席し、放牧場の安全と入牧牛の成長を祈願しました。
組合員による放牧は毎年この時期に行われていますが、夏期は緩やかな傾斜の山地に放たれて牧草をはみ、冬期は里で舎飼いされる「夏山冬里」の飼育方式を行うことで、ストレスのない牛の健康と肉質の向上、畜産農家の省力化に適した繁殖経営方式とされています。
この日は、8組合員が飼育する黒毛和種の成牛42頭が放牧され、翌日には県が所有する種牛「糸花国(いとはなくに)」1頭が入牧し、今後の順調な繁殖と成長が期待されます。
入牧式では、三沢聡農林課長が「比較的雪解けが早かったものの、4月に入ってから気温の落ち着かない日が続き、草地の生育状況が心配されたが予定どおり入牧式を迎えることができた。近年、管内の畜産農家は減少傾向にあるが、秋田県では和牛生産の土台固めと品質の向上、ブランドの確立を目指し様々な事業を展開していますので、コロナ禍で市場価格も低迷するなど厳しい局面もあるが、各種事業などを活用しながら所得向上へつながることを祈念する」などとあいさつしました。
続いて、九島敏昭放牧場利用組合長が「早朝から牛を搬入いただき、本日を迎えられたことに感謝します。退牧まで無事に過ごせることを願っています」などとあいさつを述べました。
また、来賓を代表して小笠原隆志秋田たかのす農業協同組合長から「コロナ禍で収束がみえないが、JAとしても経済動向を注視しながら対応したい。ストレスがなく草地を駆け回るため、牛の健全な成長はもとより消費者に支持される高品質な牛に育っていくものと期待している」などと祝辞がありました。
入牧式後には牛の衛生検査が行われ、待機していた牛たちがパドックの扉が開くと同時に勢いよく飛び出し、牧場内を駆け回りました。