2021年04月03日
コンテンツ番号12740
縄文の里への遡上を願いサケの稚魚2万匹を放流
(2021年4月3日)
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業「第11回カムバック縄文サーモン」が、4月3日(土曜日)に同遺跡の下を流れる湯車川で行われ、市民ら約40人が参加して、サケの稚魚約2万匹を放流しました。
この放流事業は、「伊勢堂岱遺跡」の世界遺産登録推進の一環として、毎年この時期に行われています。縄文人も遡上したサケを食料として活用していたと考えられており、湯車川をサケが遡上するふるさとの川とした環境保護を図りながら、遺跡周辺を「カムバック縄文サーモン」の中心地として、世界遺産登録の推進に大きく貢献することを目的に、市教育委員会(主催)、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤善壽代表)、鷹巣漁業協同組合(湊屋啓二組合長)の共催で行われました。
この日は、同遺跡ワーキンググループ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、地元自治会などの市民約40人が参加しました。「縄文館」で行われた開会式では、主催者である津谷市長が「遺跡近くの湯車川にサケが遡上するということが、遺跡の文化的価値を高めている。世界文化遺産登録に向けて大詰めを迎えており、今後の観光にも期待するとともに、文化遺産を育て上げていきたい」などとあいさつをしました。
続いて、同遺跡ワーキンググループの佐藤善壽代表が「サケの遡上は財産であり、コロナ禍で実施できることに感謝したい」などとあいさつ。また、鷹巣漁業協同組合の湊屋啓二組合長は「男鹿市にある県養殖場などから稚魚2万匹を用意できた。放流された稚魚は、湯車川から移動して海に向かい、回遊しながら大きく成長し、平均4年で遡上してくるので楽しみにしてほしい」などとあいさつしました。
参加者らは、スタッフから体長5センチから6センチほどの稚魚をバケツに小分けしてもらい、川岸に並んで遡上を願い放流し、元気に泳ぐ様子を見守りました。近年では、放流事業の継続効果もあり、10月中旬から11月上旬ころに、体長70センチほどのサケの遡上が複数確認されています。