2005年06月04日
コンテンツ番号11064
~森吉山ダム定礎式挙行~
(2005.6.8)
「森吉山ダム定礎式」が6月4日、関係者や地権者など約400人が出席し、盛大に挙行されました。
定礎の儀は、建設工事の開始に当たり、柱の土台として石を置く儀式から始まったものです。その後、儀式の行われた期日等を刻んだ石材を敷地内にはめ込み保存することで、工事の本格化を祝うと共に、悠久の無事を願う行事として姿を変え、今日に続いております。
式典は、ダム工事現場(根森田地内)を会場に工事請負者主催の「修祓(しゅうばつ)式」、国土交通省東北地方整備局主催の「現地式典」と森吉総合スポーツセンターで行われた「会場式典」、そして、森吉山ダム建設促進期成同盟会主催の「祝賀会」となりました。
現地式典に先立ち米内沢・前田・浦田小学校児童134人による鼓笛隊が「手のひらを太陽に」を演奏し、この日のために何度も練習した成果を披露しました。
式典のはじまりは木遣唄とともに礎石搬入
式典は、木遣唄が山間に響く中、七五三の故事に習って長さ70cm、高さ50cm、幅30cm、重さ340キロの黒御影石でつくられた礎石が山内芳朗森吉山ダム工事事務所長を先達に職員や工事関係者によって式場へ搬入され、厳かにはじまりました。
秋田県発展の根幹施設として繁栄することを祈念した森永教夫東北地方整備局長の定礎宣言に続き、搬入された礎石を固めるため盛り立て材を礎石の基礎に入れる「鎮定(ちんてい)の儀」を北側一雄国土交通大臣(代理 金尾健司河川局治水課河川整備調査官)、寺田典城秋田県知事、岸部陞北秋田市長、森永東北地方整備局長が行いました。
続いて、盛り立て材を鍬でならす「斎鏝(いみごて)の儀」を野呂田芳成衆議院議員、山本喜代宏衆議院議員、金田勝年参議院議員、鈴木陽悦参議院議員、そして、槌で礎石を叩いて、しっかりと納める「斎槌(いみつち)の儀」を鈴木洋一県議会議長、篠原正治東北地方整備局河川部長、向笠愼二株式会社大林組代表取締役社長、金山良治西松建設株式会社代表取締役会長らが行いました。
鎮定した礎石を埋め納める「埋納(まいのう)の儀」は、元住民代表の吉田鶴光さん、奥山源蔵さん、高橋直美さん、吉田祐康さん、山田吉雄さん、吉田勘一郎さん、吉田福三郎さん、石川鶴男さん、斉藤由雄さん、斉藤一美さん、新林千代美さん、柴森純蔵さん、大川平左エ門さん、川口庄作さんの14人で行われました。
続いて、ダンプ、ブルドーザにより盛り立て材が投入され、岸部森吉山ダム建設促進期成同盟会会長(北秋田市長)の発声で万歳を三唱すると、山田惣兵衛森吉山ダム用地交渉委員会委員長、北林照助県議会議員、小玉良悦県建設交通部長、清水修智北秋田市議会議長、北林弘大さん(米小6年)、三浦悠華さん(前小6年)の6人がくす玉を開くと米内沢小学校、前田小学校、浦田小学校、下流域を代表して二ツ井町立小学校の児童157人が風船を空高く放ち、のろしが打ち上げられ、大きな拍手が起こり、盛大に定礎を祝いました。
ダムの無事完成と新市の発展を願った会場式典
森吉総合スポーツセンターでの会場式典の前にコールもりよし、浜辺の歌少年少女合唱団、る・それいゆ、鷹巣混声合唱団、MMC、秋田声楽研究会により、「県民の歌」「浜辺の歌」「川」が披露され、大合唱団の迫力に大きな拍手が送られました。
続いて、昭和47年の洪水被害に遭われた方を代表して二ツ井町の奈良ひめ子さんが、当時を振り返り、避難先の学校から自分の家が屋根まで浸かっている様子を目の当たりにしたことなど体験を発表、会場内には大型スクリーンで当時の状況が映し出されました。
式典は、森永東北地方整備局長の式辞にはじまり、寺田知事、野呂田衆議院議員、山本衆議院議員、金田参議院議員から「安全な工事の進展と早期完成に向けがんばりたい」との祝辞がありました。その中で、野呂田議員からは「寒河江ダムの100mの噴水や野営キャンプ場などは、建設省時代に私が提案したもの。財務省と協議するので、是非、何か考えてほしい」とのあいさつがありました。
金尾健司河川局治水課河川整備調査官が「安全で安心な国土づくりには、減災が重要な目標であり推進しなければならない」と北側一雄国土交通大臣のあいさつを代読しました。
山内森吉山ダム工事事務所長からの工事経過報告のあとに、旧森吉町内の小学校で「森吉山ダムと私たちの未来」をテーマに作文コンクールが実施され、最優秀賞となった浦田小学校6年生の三上絵里さんが「未来が楽しみです。生活がどのように変わるかを考えるとワクワクです」と作文を発表し、森吉山ダムの無事完成と、新しく誕生した北秋田市の発展を願い閉式となりました。
このあと、森吉山ダム建設促進期成同盟会主催による祝賀会が行われ、定礎をお祝いし、安心して暮らせる地域に向け、一日でも早い完成を願いました。
【森吉山ダムの概要】
森吉山ダムは、昭和47年の大洪水を契機にその建設に向けた気運が高まり、昭和48年には調査事務所を開設、平成3年に一般補償基準の妥結、平成6年に付替道路工事に着手。そして、平成14年3月に本体工事を契約し、現在の本格工事となり、平成23年の完成を目指して事業が進められています。
形式は「中央コア型ロックフィルダム」といって、岩石や土砂を積み上げて、その中央に水をさえぎる壁(コア)を設ける構造のものです。見た目は、自然の岩石がそのまま外観となります。ダム(堤体)の高さは地上89.9m(およそビルの30階の高さ)、長さは786m、体積は585万立方m(秋田県庁約82.5棟分)になります。
ダムが完成すると、そこには新しい湖が誕生します。この湖に貯えられる水の量は通常2,760万立方mで、洪水時には最大7,810万立方m(大館樹海ドームの約120杯分)、米代川流域では最大容量になります。このうち、洪水を調節するための容量は5,050万立方mで、河川環境の保全やかんがい用水、水道用水、発電に使われる容量が1,760万立方mです。