2005年05月13日
コンテンツ番号10973
第2回北秋田市議会臨時議会
平成17年第2回北秋田市議会臨時会の開催にあたり、議員各位に敬意を表しますとともに、市民の皆様にご挨拶を申し上げます。 私は、去る4月17日に行われた市長選挙において、北秋田市長に選任されました。このことは、これまでの新市誕生にむけた取り組みや新市のまちづくりの理念が市民の皆様によって信任され、今後4年の市政運営の負託をいただいたものと考えております。私は、市民の皆様の期待に添えるよう、議会との連携を大切に、これまで培った経験を生かし、市民一人ひとりの声に耳を傾け、市政運営に全力を尽くす所存でございます。
さて、今臨時会は選挙後最初の議会でありますので、提出議案の説明に先立ち、私の政治姿勢ならびに市政運営の基本的な考え方について所信を述べ、議員各位ならびに市民の皆様のご理解と一層のご協力を切にお願い申し上げる次第であります。 まず、北秋田市まちづくりの基本方針を述べさせていただくとともに、今回の選挙で強く感じましたことについて申し述べたいと存じます。
選挙戦を通じて北秋田市各地を2巡いたしましたが、これまでも鷹巣阿仁地域として相互に交流が盛んだったこともあり、市民の皆様には合併して新市になったという実感が乏しいように感じられました。その一方で、合併により行政サービスの低下を招くのでないかという強い懸念を抱いているようでもありました。 このような不安を解消するためには、まず現場に学ぶことが第一でありますので、北秋田市内をことあるごとに訪問し、市民一人ひとりと北秋田市の未来について対話を深めてまいりたいと考えます。
そして、4町の合併により、阿仁の自然、森吉の農業、合川の工業、鷹巣の商業、空港などそれぞれに特色ある「自然」と「ひと」が調和し、議会、自治会、行政が三位一体となり、協働と連携のもと、透明で公平な市政を推進することによって、合併してよかったと市民一人ひとりが実感できる地域社会の構築を一刻も早く実現しなければなりません。
勢いとゆとりのある北秋田市を目指して
北秋田市は、県の北部中央に位置し、人口40,789人、面積は1,152.5平方キロメートルと県土の約10パーセントを占め、前身の旧4町時代から結びつきが強く、豊かな自然や資源をいかし相互に発展してまいりました。新市となった現在、引き続き先人が培ってきた有形無形の財産を最大限に活用し、各地区の特性を十分に発揮させ市全体の均衡ある発展に努めてまいります。
また、市民の皆様からは合併したことで「住民サービスの向上」や広域的な視野に立った「インフラの整備」が求められております。秋田県北部の空の玄関口である「あきた北空港」や現在整備が進んでいる「日本海沿岸自動車道」の開通により、首都圏をはじめ各地との往来や交流の機会が高まることは確実であり、このような好条件を活かし、都会にはない農山村の暮らしを体験するグリーンツーリズムや中山間地域の資源を活かしたアグリビジネスの展開、広域的な観光振興ネットワークの形成を図ってまいります。
また、鉄道、バスの利便性の確保や基幹道路・生活道路の整備はもとより、上下水道の整備、ITインフラの推進など質の高い生活環境の創造に努めてまいります。 さらに、これらの実現のため、市民がそれぞれの分野で共に汗する協働の意識を持った新市創造の機運が醸成されるよう努めてまいります。
都市機能の整備と産業の活性化
基幹産業である農林業は国際的な競争激化の波をうけ、依然として厳しい状況にあり、商業についても人口一人当たりの小売販売額は、県平均の76パーセント程度であります。また、商圏も周辺都市に依存している状況にあります。
さらに、森吉山をはじめとする自然や「マタギ」などの伝統文化は、他に誇れる貴重な財産ではありますが、観光資源として十分に活用されておりません。 今後は、基幹産業の振興をはじめ、市内全域における主要道路網の形成を視野に、企業誘致や新産業の創出・大型店の誘致による雇用の拡大を図り、商業の再生と都市機能の充実に努めてまいります。
さらに、23年度完成予定の森吉山ダムを見据え、既存の観光資源と連携した新たな観光戦略を推進し、魅力ある都市と産業の創造に努めてまいります。
市人口減少の抑制と永続性のある福祉政策の実現
急速な人口の減少は、あらゆる場面で活性化のための阻害要因となります。人口の減少を抑制するため、快適な住環境の提供、子育て支援、就業機会の創出、出生数の増加や若年層の流出抑制、転入者の増加を図ることなどの諸施策、特に雇用の場の確保を積極的に進めてまいります。 また、一過性ではない永続性のある福祉政策の実現を図るため、高齢者福祉分野の適正なサービスの確保と維持に努めるとともに、子どもからお年寄りまで均衡のとれた福祉政策に努めてまいります。さらに、豊かな健康長寿社会を築くためには、バランスのとれた総合的な保健、医療、福祉の各分野の充実強化はもとより、高度地域医療を提供する(仮称)北秋田市民病院の建設、市民の健康増進及び健康で活動的な高齢者支援のひとつとして、筋肉トレーニング施設を付帯した温水プール建設などの都市機能と併せ、ユニバーサルデザインに配慮したハード、ソフト施策を重点的に進めてまいります。
新時代を担う人づくり
北秋田市がゆとりと潤いのある新しい郷土づくりを進めるため、創造性に優れた豊かな感性を持ち、個性と創造力を伸ばし、郷土を愛し、自らの郷土は自らの手で建設するという気概を持てる人材が求められております。
そのためには、家庭、学校、地域が一体となり生涯にわたり学習できる生涯学習の実践を視野に入れ、各世代にあったハード・ソフト両面における実効性のある生涯学習環境の整備に進めてまいります。 また、豊かで活力ある地域社会の創造の一環として、男女共同参画を進め、社会のあらゆる分野に男女が等しく参画できる機会の確保と環境づくりを積極的に進めてまいります。
合併によるスケールメリットを活かした行財政のスリム化
合併して新市となりましたが、依然として行財政改革は喫緊の課題であります。これまで実施してきた行政サービスの低下を招くことなく、むしろ積極的に効果的なサービスを展開して行くためにも、行財政のスリム化は不可欠であります。
今後は、現在の機構や人員配置、各施策についてより良いものにして行くため、随時状況を見極め、柔軟かつ大胆な改革に努めてまいります。 具体的には、職員の適正数の確保と適正配置、臨時職員の適正な運用に努めるとともに、現在の機構についても将来の財政規模を踏まえ、よりよい形を模索してまいります。
更に、これまで実施してまいりました各施策についても、事業効果等の観点から再度精査し、真に必要な施策の実施に努めてまいります。 一方、現下の財政状況は誠に厳しいものがあります。これまで述べてきた広範な分野に及ぶ多種多様な施策を着実かつ効果的・効率的に進めて行くため「就業の場創出」、「にぎわい創出」、「人材創出」、「安心安全な生活環境創出」の4つを柱に、強力に推進してまいります。そのためには、市民の意思が市政に反映され、市民が主体となり市政を推進できる行財政システムを確立しながら、民意に柔軟に対応して行く必要があります。
さらに、将来世代に負担を残さない行財政を運営して行くため、財源確保はもとより、施策の優先性や投資効果を捉えた事務事業の見直し、行政評価制度の導入と運用を図ってまいります。
以上、今後、新市北秋田市の市政を担当するにあたり、私の所信の一端を述べさせていただきました。もとより新たな郷土づくりは、ひとり行政のみでなし得るものではありません。議会、自治会、行政が一体となって、市民の皆様の英知を結集し、新市誕生の想いを各施策に込めて誠心誠意努力を重ねてまいります。
私は、市政の運営に当たり、市民主体の市政運営を図り、常に市民の視点に立ち、市民の声に耳を傾け、協働の理念により、着実かつ果敢にその任を果たしてまいる決意でございます。
議員各位ならびに市民の皆様の一層のご支援とご協力を切にお願い申し上げ、私の所信表明といたします。