2008年06月15日
コンテンツ番号10778
河野洋平大会会長
天皇皇后両陛下御臨席のもと、第59回全国植樹祭が北秋田市の北欧の杜公園において開催されることを心からお慶び申し上げます。
まず、昨日の平成20年岩手宮城内陸地震による、ここ秋田県をはじめ東北地方の多数の被災者、被災地の方々に心からお見舞いを申し上げます。
さて、白神山地に代表される広葉樹の原生林は、私たち日本人にとってのふるさと、日本の文化の揺りかごなどと言われています。
1978年にイエローストーン公園、ガラパゴス諸島などで登録が始まりました世界自然遺産は、今日(こんにち)には世界において166件の登録を数えておりますが、本日は、我が国で初めて世界遺産登録された白神山地の山懐、ここ北秋田市において「手をつなごう森と水とわたしたち」をテーマに、秋田県としては昭和43年以来、40年ぶりとなる植樹祭が開催されますことは、大変意義深いことと存じます。
新緑の季節、広大な自然の恵みの中に身を置くとき、わたくしたちは、豊かな森林に恵まれたこの国土に新ためて深い感謝の念を覚えます。森林は、水資源の改良、国土の保全、木材の供給など多くの恵みを私たちにもたらし、森と川と海の壮大な巡回の中で、生きとし生けるものの命を育んでおります。
しかし近年、このままでは秋田はリンゴではなくミカンの里になってしまうんではないか、などと言われるほど、急速に進む温暖化、それを放置すれば、この白神山地のブナ林は50年で半分以下、100年のうちには消滅してしまうのではないかという、研究機関の報告も示されています。
森林の二酸化炭素吸収機能は、来月開催されます洞爺湖サミットの主要な論点であります京都議定書後の温暖化ガス削減問題においても大きなテーマの一つでありますが、そのような時にこの地で全国植樹祭を開催することは二重三重の意味で意義のあることだと考えます。
古来より森は先人が守り育て伝えてくれた貴重な財産であるとともに、未来からの預かり物だといわれております。秋田県は、森づくりについて精神的な取り組みを行なってきましたが、今回の植樹祭に向けても子どもたちが参加しての様々な植樹運動や、秋田スギの間伐行事などを行なったと伺いました。
この豊かなで美しい日本の自然を守り育てる運動は、若い世代によって継承されていくことは、私は大きくこれを期待しております。
ご参集の皆様には、本大会の趣旨を踏まえ、今後とも緑化の推進にご尽力賜りますようお願いいたしますとともに、開催にあたりお骨折りをいただきました秋田県の皆様をはじめ、関係各位に厚く御礼を申し上げましてわたしのご挨拶といたします。