2020年02月16日
コンテンツ番号10543
燃ゆるご神木に「かまくらの権五郎」と叫ぶ
葛黒火まつりかまくら(2月16日、葛黒集落)
七日市葛黒(くぞぐろ)集落に伝わる小正月行事「葛黒火まつりかまくら」が、2月16日(日)に同集落で行われ、地域住民や子どもたちが赤々と燃え盛る神木に向かって「おーいかまくらの権五郎」と叫びながら、五穀豊穣や無病息災を祈願しました。
この行事は、大きな栗の木を切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけて、雪が覆う田んぼに住民や参加者らが協力して起ち上げます。そして火を放ち、燃え上がった木を火の神「不動尊」になぞらえて無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願するもので、燃えさかる神木のまわりで子どもたちが「おーい、かまくらの権五郎」と叫んで厄払いをします。
祭りは、約300年前に始まったといわれており、葛黒では代々小正月行事として旧暦1月14日の夜に行われていました。神木に巻き付ける稲わらなどが不足したことから、平成11年に実施されたのを最後に途絶えていましたが、平成26年に15年ぶりに復活し今年で7年目を迎えています。また、今年の2月に市無形民俗文化財に指定されました。
この日は、集落の人たちが山から高さ約10メートルの栗の木が切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけ、神木を起ち上げました。
また「おーいかまくらの権五郎」と叫ぶ声の大きさを競う第2回大声ごんごろうコンテストが行われ、子どもから大人が神木に向かって大きな声を響かせました。
会場内に用意されたテントでは、温かい食べ物や地域の特産品が販売され、多くの方が買い求めていました。
日が暮れて辺りが暗くなり、会場内につくられた絵灯籠の火がやさしい光を放ち始めると、開会セレモニーが行われ、葛黒火まつりかまくら実行委員会の堀部栄一委員長が「今年の稲作は、夏のやませの災害がないよう、しっかりと危機管理をしてもらいたい。本日は、悪天候の中お越しいただき本当にありがとうございます」などとあいさつ。
続いて、来賓を代表して津谷市長が「今年は雪が少なく、実行委員会をはじめたくさんの方々が苦労したほか、本日はあいにくの天気となった。しかし、雨や風に負けず強い気持ちで頑張っていこうという気持ちが、葛黒地域、北秋田市、秋田県を元気にする力だと思っている。今日はみんなで楽しんでもらいたい」などと祝辞を述べました。
このあと、地域の代表者や来賓らが種火を分けてもらい、神木の下に巻きつけられた稲わらに点火すると、炎は神木へとまたたく間に燃え広がり夜空を真っ赤に焦がすと、来場者が一斉に「おーいかまくらの権五郎」と何度も叫びながら、一年の無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願しました。
焼け残った神木を持ち帰り、祀っておくと無火災のお守りになると言われており、祭りの最後に倒された神木はチェーンソーで切り分けられ、来場者に配られました。
また、この日は、わら細工文化で七日市公民館と交流のあった美郷町の有志らが、灯りを通じた親善交流で「竹灯籠」を用意し、やわらかな光で会場を彩りました。
大声ごんごろうコンテスト
ご神木に点火
竹灯籠