2017年09月15日
コンテンツ番号3709
今後のケアタウンのあり方などについて4議員が一般質問
(2017年9月15日)
平成29年度北秋田市議会の9月定例会の本会議が、9月15日(金)に議事堂で再開され、4議員が「来年度以降のケアタウンのあり方について」や「移住・定住対策について」などの事項について一般質問を行いました。
このうち、ケアタウンの民間移管に関する質問に対しては、津谷市長が「庁内検討会議において、民間でできることは民間に委ねることを基本とする考え方に基づいて実施計画を策定しているところである。現段階では、公募により移管先法人等を募集し、選定委員会で候補者を選定することとしている。また、検討中の段階であるが、移管にあたっては建物及び備品は無償譲渡、土地については20年間の無償貸付との方向で進んでいる。無償譲渡とする理由は、建設から20年近く経っており、今後は改築、修繕等の維持管理に多額の費用を要することが見込まれるためである。また、土地の貸付期間を20年間とすることで転売や転貸、用途変更することを防ぐとともに、同事業を継続することで地域や利用者が引き続き安心で介護サービスを受けることができるものと考えている」などと答弁しました。
また、一般質問終了後、「平成29年度北秋田市一般会計補正予算」が追加提案され、大綱質疑が行われました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
吉田仁吉郎 議員(清和会)
(順位:2-1)
阿仁診療所の改築について
設置場所について
設置場所については、「現在地での建て替え」と、陳情のあった「阿仁庁舎の隣接地への建設」の2つの候補地の比較を行っており、建設費の概要や概算の解体費用、両候補地での建設に関わる問題点等洗い出しや、関係者からの意見聴取等をまとめ、それらを地元関係者に示しながら協議をし、総合的に判断して決定したいと考えています。
規模について
規模については、鉄筋コンクリート平屋建て、880平方メートルの規模で検討しています。診療科は、内科、外科、歯科の3科とし、それぞれ診察室のほか、リハビリテーション室、レントゲン室、内視鏡室などを設置する予定です。概算の総事業費は、候補地により異なるが、概算事業費が多い候補地では、設計、管理、解体費などを含め合計で約5億5千万円と見込んでいます。
農業振興について
生産調整(減反廃止)にともなう今後の営農方針について
それぞれの経営体において多種多様な選択が行われているため、市では引き続き「やる気のある攻めの農業者」に対する支援を実施していきたいと考えています。
今後の個別補償について
経営所得安定対策の米の直接支払交付金が今年度で廃止されることとなっています。国では、この交付金が廃止されることにともない、収入保険制度をスタートさせることになっている。この制度は、現行の農業共済制度では対象外であった価格の下落や、特定の品目以外もカバーする制度となっています。この制度によりメリットを受ける農家も多いと思われるため、保険制度の詳細が示され次第、農家への周知を図る予定としています。
教育行政について
学校教育について
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今後の教育方針はどのようなものか
6月議会の就任挨拶で述べたとおりです。子どもたちに、本市の将来像をしっかりとイメージさせ、自分たちの手でこの地域を支えていこうとする強い気概や、高い志を持たせることが、教育長としてやらなければならないことと考えています。
地域を支えようとする強い気概や高い志を持たせるには、学校を取り巻く保護者を含めた地域社会全体で、子どもを参加させた活力ある地域コミュニティーを築いていくことが大切であり、その取組をコーディネートしていくことが教育委員会の役割であると認識しています。地域を支え、活性化する取組を教育委員会から提案し、推進していけるよう努力します。 -
北秋田市の小中学校の学力は全体のどこに位置するか
平成29年4月に実施された「全国学力・学習状況調査」の本市調査結果は、小中学校ともすべての種目で全国の平均正答率を上回っています。小学校では4種目のうち3種目が秋田県の平均以上であり、中学校では4種目すべてが秋田県の平均以上であり、大変良好な結果と捉えています。
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ふるさと教育の目指すものは何か
キャリア教育を重視したふるさと教育の充実を、北秋田市学校教育ビジョンの施策の柱の一つとして取り組んでいるところです。北秋田市の将来を担う子どもたち一人一人に、自分たちの手でこの地域を支えていこうとする気概や高い志を持たせることを目指し、地域の歴史、伝統文化、自然、産業、地域交流等の分野で取り組んでいます。
社会教育について
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今後の社会教育の方針は
今後は、この3月に策定した「第3次北秋田市社会教育中期計画」の基本理念「学びを通じた協働による地域づくり」の下、市民が生涯学習を通じて、地域づくりに参画していただけるよう、様々な機関や団体等のネットワーク化を図りながら、相互に学び合い、教え合う教育のまちづくりを目指していきます。
板垣淳 議員(共産党議員団)
(順位:2-2)
ケアタウンについて
来年度以降のケアタウンのあり方について
7月に副市長を座長とする「北秋田市在宅複合型施設民営化庁内検討会議」を設置し、今後の施設のあり方についての検討を進めてきました。検討会議では、民間でできることは民間に委ねることを基本とする考え方に基づき、「北秋田市在宅複合型施設民営化実施計画」を策定し、民営化を進めることとしたところであり、現在策定中の計画では、公募により移管先法人等を募集し、選定委員会で候補者を選定することとしています。
民間移管する場合でも、適正価格で売却すべきでは
現在、検討会議において、建物及び備品は無償譲渡、土地については20年間の無償貸付との方向で進んでいます。
建物及び備品を無償譲渡する理由は、建設から20年近く経った建物であり、今後は改築、修繕、買い替えなどの維持管理に多額の費用を要することが見込まれることや、平成26年に特別養護老人ホーム森泉荘を移管した際にも建物等を無償譲渡していること、全国の高齢者施設等の事例をみても建物を無償譲渡していることが多い状況となっています。
また、土地については、森泉荘や永楽苑などの市有地を無償貸付しているということもあり、ケアタウンたかのすも同じく無償貸付にしたいと考えているところです。貸付期間を20年間とすることで転売や転貸、用途変更することを防ぐとともに、今後20年間は同事業を継続することを移管の条件とすることで、地域や利用者にとっても引き続き安心で安定的な介護サービスを受けることができるものと考えています。
国民健康保険都道府県化について
これまで決まった主な点、ならびに今後のスケジュールは
財政運営につきましては、県が責任主体となりますので、県が決定した事業費納付金を市が県に納付することになります。また、詳細はまだ決まってはいませんが、県は財政安定化基金を設置し、市町村への貸付などの運営を行います。 資格の管理については、被保険者証の発行を市が行いますので、引続き市が資格異動の管理を行うことになります。
保険税については、県が標準的な算定方法により市町村ごとの標準保険税率を算定し公表することになっていますが、市は県が算定した標準保険税率を参考にしながら、独自の保険税率で賦課・徴収を行うことができます。
また、今回の制度改正によって、「激変緩和措置」と「保険者努力支援制度」という公費による財政支援が新たに拡充され、国保の財政基盤が強化されることになります。
「激変緩和措置」については、平成28年度の事業費納付相当額と平成30年度の事業費納付金の一人当たりの納付金額を比較して一定以上上昇した場合、県の繰入金を受けることができるものであり、実施期間を平成30年度から平成35年度までの6年間としています。
また、「保険者努力支援制度」については、医療費の適正化に向けた各市町村の取り組みに対して、特別調整交付金が交付されるものであり、重症化予防の取組、収納率向上、個人への情報提供、特定検診受診率、後発医薬品の使用割合、データヘルス計画の取組等に対して評価指標が加点され、その合計得点によって交付金が増える仕組みとなっていますが、その交付基準については、現在も継続して検討されている状況であります。
今後のスケジュールですが、県では、国保の安定的な財政運営と市町村の国保事業の効率的な運営を図ることを目的に「秋田県国民健康保険運営方針」を策定していますが、現在、方針案を県ホームページで公開しておりまして、パブリックコメントを受けた上で、10月をめどに決定する予定となっています。また、事業費納付金につきましては、国からの仮係数による算定が11月頃とされておりまして、翌年1月には本算定による事業費納付金が示されることになっています。
来年度の北秋田市の保険税額の見通しは
平成30年度の保険税額を算定するためには、県から示される事業費納付金に保険事業費等を加えた金額を保険税で賄うことになりますが、事業費納付金が示される時期につきましては、平成30年1月となっています。 税率の設定には、平成29年度の決算見込みが大きく影響してきますし、特に平成29年度は税率を改定していますので、今後の納付状況を見定めて行く必要があると考えています。また、保険給付費の動向も大きく影響しますし、平成30年度から実施される追加財政支援による交付額も関係してきます。
従いまして、現時点で平成30年度の保険税額を見込むことは、大変難しいと考えていますが、11月に県から示される仮係数による算定額を見極め、1月の本算定による事業費納付金が示された段階で速やかに判断しなければならないと考えています。
保険税以外で市と被保険者にとって代わる点は何か
都道府県化に伴い、保険者は県と市の共同となり、県は財政の主体的な運営とその責任を担うことになりますし、市はこれまでどおり、市の国保財政、資格の管理、国保税の賦課徴収、保険給付、保健事業などを実施することになりますので、市としては、これまで以上の効果的な保健事業の実施により、被保険者の健康増進による医療費の抑制と、市の国保財政の安定につなげていきたいと考えています。
従いまして、今のところ被保険者にとって、保険税以外でこれまでと大きな変化はないものと考えています。
大森光信 議員(みらい)
(順位:2-3)
雇用行政について
現在の有効求人倍率について
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依然高水準で推移している有効求人倍率を市はどう認識しているか
平成29年8月29日に厚生労働省秋田労働局から発表されたハローワーク鷹巣管内における7月末の有効求人倍率は、1.28倍となっておりまして、前年同月比0.03ポイントの増、前月比0.01ポイントの増と、依然として高水準で推移しています。
人材、労働力不足について
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人口減少による人材、労働力不足が深刻化し、市内の経済力低下につながっていると考えるが、どう考えているか
労働力不足については、求職者側と求人の職種、給料、雇用形態等がマッチングするかどうかという点で、ミスマッチが生じていることや、少子高齢化による人口減少も影響を及ぼしているものと考えています。
当市としては、「産業振興による仕事づくりと働く場の確保」、「移住・定住対策」、「少子化対策・子育て支援」等について重点的に取り組むとともに、地元企業との連携による産業の振興を図りながら、地域経済の活性化に繋がるよう努力していきたいと考えています。 -
人材や労働力確保のため、市ではどのような政策を展開していくか
市の施策としては、市民の皆様の就労機会を拡大するための資格取得支援事業、事業所に対しての雇用を促す雇用促進交付金、新規起業者に対する新規開業者等支援補助金などの就労支援を実施しており、今後も国と県の施策の動向に注視しながら、新たな事業分野への助成制度等を検討するなど、雇用職種の多様化を図っていきます。
また、優秀な人材の確保を図るため、移住者やAターン希望者を含めた人材の掘り起し等を行い、労働力の確保しやすい体制の整備を進めるとともに、地元就職率の向上を図るため、ハローワーク主催による新規高卒者求人求職情報交換会や、秋田北鷹高校への企業説明会、地元企業のインターンシップを行っているところでありますし、昨年は地元福祉施設からの協力を得ながら、ヘルパー2級取得のための集中講習などを行い、地元への就職に繋がったところです。
なお、今年4月からは「広報きたあきた」において地元企業の紹介をしておりますが、市産業祭においては、県と協力しながら「企業博覧会」を新たに開催し、小・中学生への地元企業の情報提供を行っていきたいと考えています。
障がい者の雇用について
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雇用率を遵守している市内の企業、団体等の割合は
ハローワーク鷹巣によると、大館北秋田管内において対象となる企業数が72社、うち障害者雇用率を上回っている企業が49社で、達成率は68.1%という状況です。
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障がい者の社会参画を促すように、あるいは差別なく就労できるように市が啓発すべきと考えるがどうか
当市の「障がい者生活支援センターささえ」において、障がいをお持ちの方が自宅で出来ることを増やしながら、社会参画へ向けた取り組みを進めていますが、昨年4月には、厚生労働省の委託事業により、就業と生活上のサポートを総合的に行う「北秋田障がい者就業・生活支援センター」がささえの2階に開設し、障がい者の就労のための基礎訓練や実践的訓練、そして就労の斡旋や就労してからの定着支援が行われています。
また、昨年4月の「障がい者差別解消法」の施行に伴い、商工会を通じて市内約800店舗に制度周知のチラシを配布しておりますし、説明の依頼があった団体には赴いて説明会を開催したところでありますが、今後も社会参画のしやすい住みよいまちづくりを進めるとともに、各事業所に対しても協力を求めてまいりたいと考えています。
移住・定住対策について
子育て世帯の移住・定住について
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子育て世帯が移住・定住する上で、重要視している点と対策は
人口減少が進む中、第2次北秋田市総合計画の重点プロジェクトに位置づけて取り組みを推進しておりまして、当市の自然や暮らしやすさ、そして恵まれたインフラ環境を知っていただきながら、移住を選択していただけるよう受け入れ体制の整備を進めているところであります。
その中でも子育て世帯の移住・定住につきましては、地域に子どもが増え、地域の活性化にもなることから、大いに期待しているところであります。その支援策としては、親御さんの仕事の確保も必要ですが、当市が子育てしやすい環境であるということが重要であると考えており、子育てにおける育児相談や保育の支援、医療費の無料化などの支援策を展開しているところであります。
また、市外からの移住者の住宅取得や、建築費用の助成については、子育て世帯への助成の上乗せを今年度から実施しておりますし、住宅リフォーム事業においても上乗せを行い、子育て世帯の移住・定住に向けた制度拡大を図っているところであります。
今後も、当市の子育て支援策を大いにPRするとともに、受入体制の整備充実を図ってまいりたいと考えています。
教育ツーリズムを活用した移住促進について
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小中学校への短期留学事業を拡充し、教育に特化した移住政策に取り組んではどうか
合川学童研修センターで実施している教育留学推進事業は、年間を通して行う長期留学事業と、参加児童生徒の夏休みと冬休みを利用して行う短期留学事業の2種類がありますが、いずれも県の秋田未来総合戦略事業の一環として、学力トップクラスの秋田の授業を体験して、北秋田市に興味・関心を持ってもらい、将来的な移住等に結びつけることを目指しております。
教育留学推進事業は、県教育委員会から社会教育主事をはじめ職員を数名派遣していただき、県、合川小・中学校、市が協議のうえ実施しており、合川地区以外において短期留学事業を行う場合は宿泊施設以外に、指導員の確保、学校側の受入体制などの調整が必要となります。
今後も教育の質の高さをPRし、移住促進を図るという視点からも関係機関と協議させていただきます。
三浦倫美 議員(共産党議員団)
(順位:2-4)
婚活支援策の充実を
気軽に相談できる窓口を
婚活は、結婚を希望する方やその親族にとって大きな問題であり、少子化の要因の一つである未婚化や晩婚化の対策として、行政による支援は大変重要であると考えていますが、極めてプライベートなことであり、その対応が難しい問題であると考えています。
県や県内市町村及び賛助団体で構成する「あきた結婚支援センター」では、結婚を希望する方への相談や、出会いイベントの情報提供などの支援を行っていますが、当市としては、相談者にはセンターの機能を紹介しながら、希望者にはセンターへの登録を行っていただいているところです。
また、センターには、地域での出会いや結婚支援をボランティアの方に支えていただく「結婚サポーター」という制度もあり、当市でも6名のサポーターの方に活動していただいています。このほか、今年10月からは、相談者の利便性を図るため、月1回程度の出張センターを市役所内に開設することとなっておりますし、相談窓口を担当している総合政策課にも気軽にご相談いただきたいと考えています。
多様な支援策を
当市では、「あきた結婚支援センター」と連携を図りながら相談者への支援を行っていますし、平成28年度からは相談者の負担軽減のため、センターの入会登録料の全額助成を行っています。 また、今年度は出会い創出イベントを実施する予定ですが、参加者への参加経費の助成も検討しているところです。さらに今年度からは、経済的理由で結婚に踏み出せない方を対象に、結婚に伴う新生活を支援する事業として、居住費や引っ越し費用に対して1世帯当たり24万円を上限に助成することにしています。
今後も、1組でも多くの成婚に繋げていけるようなイベントの実施や、相談者への支援を行っていきたいと考えています。
子育て支援策の充実を
現時点での成果と課題をどのようにとらえているか
保育園では通常保育のほか、延長保育や一時預かり事業、病児病後児保育や育児相談、育児指導などの相談事業を行っておりますし、在宅保育については、一時預かり事業や子育てサポーターの派遣、つどいの広場事業、相談事業などの利用者も多く、充実した支援が行われているものと認識しています。
また、子育て支援センターわんぱあくでは、一時預かりのほか病後児保育、在宅保育者の交流、来所相談、電話相談などの年間の平均利用者が1万人を越えておりまして、特に転入された方の利用が非常に多く、評判が良いと伺っておりますし、一時預かりなどは年平均1千人以上で相談事業も年平均150件を越えておりまして、施設保育及び在宅保育支援については、ともに充実しているものと考えています。
なお、課題としては、全国的に発生している保育士不足による待機児童の問題であり、今年度初めて待機児童が3名発生しましたが、現在は1名に減っています。
「保育料無料化」などの思いきった政策が必要ではないか
保育料の意義や平等公平性の観点などを考慮しますと、現在行っている保育料の助成や軽減といった方法を今後も継続していきたいと考えています。
また、県との連携による保育料の大きな軽減策である「すこやか子育て支援事業」については、秋田県では次年度以降の少子化対策の大きな目玉とするべく、県と市町村との担当会議を開催し、それぞれの状況などを話し合いながら、議論を進めているところです。
合川球場と旧合川高校の利活用について
「北秋田市公共施設等総合管理計画」が示されたが、これを受けて、あらためて利活用の方針は
合川球場につきましては、硬式野球のみならず軟式野球やソフトボールでも頻繁にご利用いただいていることから、これまで同様に維持管理に努めていきたいと考えておりますし、旧合川高校敷地内のテニスコート一帯を駐車場として整備する予定としています。
今年3月には、公共施設等の総合的かつ計画的な管理を行うための「北秋田市公共施設等総合管理計画」と、主要な公共建築物の施設ごとの保有の方向性等を示した「北秋田市公共施設適正化方針」を策定しましたが、旧合川高校については「施設の老朽化が著しいことから、解体を視野に入れ検討する」としており、適正化方針に基づく個別計画において、利活用の可能性を含めた具体的な方向性を検討していきたいと考えています