2017年08月05日
コンテンツ番号3691
若い世代を呼び込む工夫を
市のまちづくりや行政課題などについて市民と語り合う「市長と語ろう!タウンミーティング」が、8月5日(土)に市民ふれあいプラザで行われ、地域住民が津谷市長と意見を交わしました。
「市長と語ろう!タウンミーティング」は、これまで旧町ごと4会場で行われていた「移動行政懇話会」の内容や名称を見直し、市民に市政をより身近に感じてもらえるように、市民と市長が直接対話することを重視した意見交換会。今年度は「人口減少対策~子育て世代・若者をはじめ、みんなが暮らしやすいまちづくりのためには」をテーマに、本市が取り組んでいる事業などについて意見や提言などを聴き、今後のまちづくりに反映させるために行うものです。この日の鷹巣地区会場には、自治会長や地域住民など29人が参加しました。
開会にあたり、津谷市長は「鷹巣地区は、北秋田市民ふれあいプラザが中心市街地活性化の核として昨年4月にオープンし、これまでに25万人を超える方々に利用してもらっている。今年の2月からは、子育て世代への支援として、ねまーる広場での一時預かりを開始し、利便性の向上に努めている。今後もより多くの市民に活用してもらえるよう、憩い・交流・にぎわいの拠点として、中心市街地の活性化、交流人口の増加につながるように、ソフト面からも事業を進めたい。北秋田市誕生から12年間で人口が約7000人減少している。今後は、市政運営の指針に『人口減少時代への挑戦』を掲げ、本市が将来自立した市として存続していくために『北秋田市まち・ひと・しごと創生総合戦略』を策定し、活力ある元気な北秋田市の維持のためさまざまな取り組みを進めている。本市の最重要課題である人口減少対策を中心に、皆さんと一緒に北秋田の未来を考えたい」などとあいさつしました。
このあと、市の各部から、出会い結婚支援、福祉医療制度、子育て支援、商業・農業の振興、都市環境整備、消防救急体制の強化、教育留学の推進などの人口減少対策に係る取り組みを説明し、参加者との意見交換が行われました。 主な質問・意見とその回答は次のとおりです。
質問・意見
私の町内でも、高齢者の1人世帯や高齢者同士の2人世帯が多い。高齢化社会を迎えて、どのような影響が起きているか調査をしているか。
回答
地域包括ケアシステムを構築に向けて、様々な会議やワークショップなどを開催して、皆さんから意見を聴いたり、アンケート調査を行っている。その中で大きな問題は、買い物や通院する際に外出する手段がないことと、除雪のことだと思っている。 除雪について、各世帯で努力はしているが、高齢世帯等では入口の除雪だけでも非常に難しくなっている。入口の前だけでも寄せないようにしてもらいたいと、要望しているが改善されないのはなぜか。 高齢化の進行により、間口の除雪にたいへんなご負担をおかけしていることは承知している。街中については、空き地が増えてきていることから、空き地を利用した雪捨て場を有効活用できるように制度設計に取り組んでいる。地域によっては、説明会を開催すると思うが、その際に雪捨て場の情報も提供してもらえると、対策も検討できると考えている。
質問・意見
大規模な災害が起きて、避難する場合を想定し、地域ごとにどのような対応を取るべきかを、あらかじめ周知する必要があるのではないか。
回答
仮に、北秋田市で大規模な災害が起きて避難指示が発令された場合、市民の皆さんが数千人規模で避難できる施設は、市内にはないというのが現実です。災害の種類によっては、自宅の2階に避難するほうが安心だという方もおりますし、身体の不自由な方や高齢者の方は、早めに大きい施設に避難してもらいたいと考えている。昨年、全世帯に配布した防災マップには、地震や大雨など災害に種類によって、各地域に指定された避難場所が記載されているので、ふだんから家族で確認をしてもらいたい。また、これから各世帯に配布される防災ラジオでは「このような災害が起きる危険性があるので、避難してください、避難所はこちらです」といった情報を市から伝達することになる。
質問・意見
結婚イベントの実施した成果はどうなっているか。また、それを分析した結果、さらなる成果につながっているか。
回答
数年前まで結婚イベントを実施して、実際に結婚された方もいたが、年々参加者が少なくなりいったん中止になっている。県でも同様の取り組みをしており、市でも切り口を変えて、市内の方だけではなく、市外から来てもらってもいいのではという考えを持ちながら、県と協力をして新しいものを作っていくために相談している。行政でやるイベントではなく、民間の自由な発想で行うイベントを通して、市外の方も入ってきてもらいたい。すぐに結果がでるものではないが、参加しやすい環境づくりに努めたい。
質問・意見
狭い道路にある電柱をどうにかできないものか。
回答
道路の無電柱化については、道路の幅員を確保でき通行の支障がなくなることや地震などのとき倒壊の危険性がないなどの有利性は十分に理解している。道路の無電柱化は、国土交通省も推進しており、本市でも通学路を優先的にということも考えたが、まだ無電柱化に対する国の補助制度がなく、電力会社の理解も得る必要がある。道路から電柱を見えなくするには、地下に埋設する方法と道路裏の民有地を所有している方の理解を得たうえで、民有地に回すという方法があるが、いずれにしてもいろいろな方の理解を得る必要があるので、今後の検討課題とさせてもらいたい。
質問・意見
熊の被害や出没情報が相次いでいる。被害を防ぐためには捕獲頭数を増やすほかないと感じている。市で考えている対策は。
回答
市には、捕獲用の檻が37基ある。一義的には、市と県がしっかりと対策する必要があるが、一般市民の方々にも熊の被害に関心をもってもらい、みんなで熊の被害が防げるような周知に力を入れていきたい。
質問・意見
内陸線の線路を改修して高速化を図り、角館まで1時間以内で運行して新幹線に接続するような鉄道にすれば、乗客も増えて収支バランスも改善できると思うので検討をお願いしたい。
回答
線路だけではなく、鉄橋やトンネルも老朽化しているので、一度に改修して高速化することは難しい。内陸線を利用している方々の中には、ゆっくりと旅を楽しみたいという外国人観光客やローカル鉄道が好きな人がたくさんいる。沿線人口が減少しており、通勤通学だけで維持するのは難しいため、多くの観光客に乗ってもらう必要がある。昨年は、前田南駅が人気アニメ映画で取り上げられ、全国からたくさんの人が訪れている。いろいろな情報を活用しながら、内陸線の維持につながるような方向性を探っていきたい。
質問・意見
人口減少問題は、これから30年から40年間かけて徐々に人口が減少していくこと。特に地方はもっと顕著な状態になっていく。その30年後、40年後のことを、ここにいる高齢者の方々で考えてもどうなのかと思っている。もっと20代、30代の若い世代の参加が必要だと思う。たとえば、行政と市民の意見交換ではなく、高齢者と若者が意見を交わしてアイデアを出すなど、市民同士の意見交換や議論があってもいいのではないか。その話を行政の方が聞いて、市政の参考にしてもらうという取り組みであってほしい。もっと斬新なアイデアを出せるよう、若い世代を呼び込む工夫や仕組みを考えるべきではないか。
回答
今年、移動行政懇話会からタウンミーティングと内容や名称を見直して4か所で開催してきたが、どの会場も若い方々の参加が少ない。市が取り組んでいる人口減少対策事業に対して「もっとこのようにしたらどうか」「これで効果があるのか」といったような市民の方々とテーマを絞ったワークショップのように、意見を交わすようなやり方ができないかと模索している。
質問・意見
はじめて出席した。ふだん市政に対して思っている事柄について、直接話を聞くことができて良かったと思っている。特に今回は人口減少、子育て世代、若者という自分たちに関係があるテーマだったので、もっと同世代の人たちが参加していると思って来た。広報やホームページで開催の告知は見ていたが、もう少し若い人に絞ったPRができれば、もっと参加者が増えたと思う。
回答
市としても、タウンミーティングの開催の仕方や意見交換の進め方については、今回のことを反省材料として、次回に向けて内容を検討していきたい。