2017年08月16日
コンテンツ番号3684
山峡に響き渡る音と夜空を彩る花火で観客を魅了
第55回阿仁の花火と灯籠流しが、8月16日(水)に阿仁河川公園で行われ、市内外から訪れた大勢の観客が幻想的な灯籠の灯りと夏の夜空に広がる光の大輪に酔いしれました。
花火大会に先立ち、午後4時から阿仁庁舎前駐車場でアトラクションが行われ、阿仁からめ節保存会による「阿仁からめ節」、阿仁中学校有志による「ニューソーラン」、もりよしダンスキッズのダンス、阿仁合小学校有志による「よっちょれ」などそれぞれが演舞やダンスを披露。最後に合同演舞が行われ、詰めかけた大勢の観客が、郷土芸能や元気いっぱいの踊りにさかんに拍手を送っていました。
このあと行われた灯籠流しは、お盆に帰ってきた死者の魂を現世から再びあの世へと送り出すために、死者の魂を乗せた灯籠を流す行事。阿仁地区では、花火大会に合わせ阿仁仏教会と灯籠流し奉賛会が中心となって開催しており、午後6時30分から河川公園に設営された特設祭壇で、祖先の霊を招霊し供養する儀式「一代供養」が行われました。
式には、善導寺、専念寺、善勝寺、耕田寺、法華寺、福厳寺の6寺院から檀家代表と住職などが参加。表白を読み上げ、祭文、物故者への追悼文朗読などのあと、僧侶による読経と檀家代表の焼香で祖先の霊を供養しました。あたりがお香のにおいと読経の響きに包まれる中、各檀家から持ち込まれた灯籠が係員により1つずつ火が灯され、阿仁川に流されました。流れた灯籠は約450個。夕暮れの薄明かりの中を川面に影を映しながらゆらゆらと流れ、川辺で見守る観客などもその幽玄な美しさを堪能しました。
メインの花火大会は、阿仁の花火大会実行委員会(片岡信幸委員長)の主催。午後7時15分に「精霊に祈りを込めて」と題したスターマインと4号玉10発の花火が打ち上げられて始まった花火大会では、はじめに主催者を代表して片岡実行委員長が「皆さんの協力で55回目の花火大会を開催することができた。我々は、この花火大会を観に来る大勢のお客さんのために準備を頑張ってきました。来年もまたこの場所でみなさんが元気に花火大会を迎えられることを期待する。今日は最後の最後まで花火大会を楽しんでいただきたい」などとあいさつしました。
続いて、来賓を代表して津谷市長が「阿仁花火大会は、たくさんの方々に喜んでもらえる行事。阿仁地域には色んな観光の宝がある。市としても実行委員会をはじめ、協力してくださった方々を支援し、地域が活性化する仕組みを作っていきたいと思っている。今日は花火大会を楽しみましょう」などとあいさつしました。
開始号砲が鳴り響いたあと、「光と音のグランドファンファーレ」と題した大スターマインをはじめ、慰霊や御祝いのメモリアル花火、4号玉から6号玉の割り物花火、色とりどりのスターマイン、造形花火が次々と打ち上げられました。
川幅約100mほどの阿仁川をはさんで対岸から打ち上げられる数々の花火は、間近に迫ってくる光のきらめきと山間に共鳴する轟音で迫力満点。フィナーレの「活気あふれる故郷の祭り」と題した小型煙火付ワイドスターマインが夜空を彩り、今年の大会を締めくくるまで、観客は、美しい灯籠絵巻と山峡にこだまする花火との競演を堪能していました。