2017年07月21日
コンテンツ番号3663
市民の安心につながる高度医療の提供を
北秋田市高度医療連携事業に関する北秋田市と国立大学法人秋田大学医学部附属病院との連携に関する覚書の調印式が、7月21日(金)に秋田大学医学部で行われ、津谷市長と羽渕友則病院長が、北秋田市民病院を受診したがん患者に最新の医療技術を提供するなどの覚書を締結しました。
この覚書は、平成21年10月に北秋田市長と国立大学法人秋田大学長が締結した「北秋田市と国立大学法人秋田大学との連携に関する協定書」に基づき、北秋田市民が良質で高度な医療を受ける機会を拡大するため、北秋田市高度医療連携事業を実施するにあたり連携協力体制を確立することを目的に締結するものです。具体的な連携協力の内容としては「北秋田市民病院との高度医療連携の確立」「事業対象の高度医療を必要とする患者の受け入れおよび医療の提供」「事業対象の症例確保」などを協力し実施するとしています。
秋田大学医学部附属病院では、内視鏡手術支援ロボット「ダヴィンチ」を導入しています。ダヴィンチは、4本のロボットアームに鉗子(かんし)やメスなどの手術器具や3Dカメラが装着されており、操作台にいる執刀医が体内の立体映像を見ながら遠隔操作で手術ができるもの。ダヴィンチ手術の最大のメリットは、患者の身体への負担が減ること、手術の質の向上と合併症を引き起こすリスクの軽減ができること、人間の手ではできない精密な動作で正確な手術が可能となることが期待できます。
今回の連携については、秋田県内で唯一ダヴィンチを使った食道がん手術ができる、同大学大学院医学系研究科の本山悟教授が北秋田市民病院の診療応援を行っていることもあり、本山教授がぜひ北秋田市のために協力したいと、同大学病院との橋渡し役となっていただき覚書の締結が実現したものです。
この日の調印式では、津谷市長と羽渕病院長が覚書に調印したあと、津谷市長が「締結した高度医療連携事業については、秋田大学医学部附属病院の羽渕院長の深いご理解のもとに、北秋田市民病院でご尽力いただいている本山悟教授より心強いお話しをいただいたことで実現した。秋田大学病院でしか行えないダヴィンチ手術などの先進的で高度な医療が、北秋田市民もたいへん受けやすくなるというもので、多くの市民の安心につながるものと考えている。先進的な医療に積極的に取り組む秋田大学病院と、連携を深めることができたことをたいへんうれしく思っている」などとあいさつを述べました。
つづいて、羽渕病院長が「ダヴィンチ手術は、県内では秋田大学でしか受けることができず、しかも保険診療ではないため、高額な私費で提供するしかないのが現状。津谷市長のご英断で、そのような医療を受けられる方々をサポートしようと、この事業は始まった。そのほかの連携も将来的には行われる可能性はあるが、現在のところは食道がんに対するダヴィンチ手術を受けられる方を対象にサポートすることが実際のところです。このような実績を積んでいくことで、今は保険で承認されていないが、将来、保険診療になれば、秋田県全員の方々が恩恵を受けられることだと考えている」などと連携がもたらす効果に期待を寄せました。
同病院で提供されている食道がんのダヴィンチ手術を受けるためには、約200万円の医療費が必要となります。本市では、北秋田市高度医療連携事業補助金により、患者の経済的負担を軽減し、より多くの市民が高度がん先端医療を受けることができるように、一人50万円を上限に補助金を交付しています。