2017年07月24日
コンテンツ番号3660
日韓交流の懸け橋に
韓国木浦市(もっぽし)にある児童養護施設「木浦共生園」の一行12人が、7月24日(金)に市役所を表敬訪問し、虻川副市長と懇談しました。
木浦共生園は、1928年にキリスト教伝道師の尹致浩(ユンチホ)が7人の孤児たちと生活をともにしたのが始まりです。博愛精神に徹した日本人 田内千鶴子さんが尹さんと結婚し、終戦後も残って孤児たちの養育に専念しました。韓国動乱で夫が行方不明になってしまいますが、田内さんは、あらゆる困難を乗越え、生涯2000人の孤児を育て「韓国孤児の母」と慕われました。韓国民間社会事業の中ではもっとも古い歴史を持ち、現在まで約3700人が共生園を巣立っています。 田内園長の生涯は日韓合作映画「愛の黙示録」で映画化され、日韓両国に多くの感動を伝えています。
平成16年に七日市の吉野郷にある児童養護施設陽清学園(畠山悦美園長)の児童が木浦共生園を訪問したのを契機に交流が始まり、17年には秋田北・日韓交流協会(吉岡興会長)が設立され、毎年交互に訪問し合いながら、日韓交流を深めてきました。
今年は、木浦共生園が陽清学園を訪問。田内千鶴子さんの孫の鄭愛羅(チョン・エラ)園長はじめ、小学5年生から大学3年生の生徒10人、職員2人が3泊4日の日程で来日しました。
この日の表敬訪問では、一行12人と陽清学園の畠山園長はじめ職員皆さん、虻川副市長、石川総務部長が出席。はじめに、生徒たちが日本語で「将来の夢は社会福祉士になることです。日本でたくさんの友だちができるといいです」「日本に来れてとてもうれしい」などと将来の夢や日本の印象を交えながら自己紹介したあと、虻川副市長が「ようこそ北秋田市へ、心から歓迎します。皆さんには、北秋田市の豊かな自然やおいしい食べ物、日本文化に触れてもらいたい。そして、北秋田市の魅力をたくさん発見して、その魅力を韓国に帰ってから、周りの方々に伝えてほしい。そして再び、北秋田市を訪れてもらいたい。また、陽清学園の皆さんには、今後とも日本と韓国の懸け橋となって、両学園が今後も強い絆で交流を続けていくことをお願いしたい。木浦共生園の皆さんにとって、今回の訪日がたいへん有意義なものになるよう願っている」などと一行を歓迎しました。
続いて、鄭園長は「昨日、生徒たちとともに北秋田市に到着してあたたかい歓迎を受けた。今日は、虻川副市長に会うことができて、たいへん光栄に思う。この交流が末永く続くよう皆さんの協力をお願いしたい」などとあいさつしました。
このあと、虻川副市長から訪問の記念に「北あきたバター餅」が贈呈されたほか、虻川副市長と石川総務部長が生徒からの質問に答えるかたちで、秋田米のあきたこまちや北秋田市の除雪状況などを話題に懇談して交流を深めました。