2017年06月19日
コンテンツ番号3643
市史編さん室の設置などについて5議員が一般質問
(2017年6月19日)
平成29年北秋田市議会6月定例会の本会議が、6月19日(月)に議事堂で再開され、5議員が「市道ブナ森線の県道昇格期成同盟会の設立について」や「市史編さん室の設置について」などの事項について一般質問を行いました。
このうち、市道ブナ森線の県道昇格期成同盟会の設立については「国道105号が豪雨などで通行止めになった際、県南部へ向かう唯一の代替路線であることから、県内でも数少ない横軸として、非常に重要な路線。関係する仙北市や議会の協力をいただきながら、年度内にも設置できるように目指したい」などと答弁。
また、市史編さん室の設置については「合併前の各町や昭和の大合併前の旧町村単位で、町史や郷土史はあるが、北秋田市が合併して12年がたち、それが集約されたものはまだ編さんされていない。市史編さんは市の大プロジェクトであり、市史編さん室の設置には市長部局との調整が必要となる。本年度はその準備段階として教育委員会で資料収集などに着手していく」などと答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
大森光信 議員(みらい)
(順位:1-1)
所信表明について
市政運営について
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2期8年の成果と反省とは何か
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政策として挙がっているものは、以前から着手しているものが多い印象だが、今期はどのようなことに挑戦していくのか
私は、1期目には5項目、2期目は8項目の重点事項について、所信表明の中で具体の事項を加えながら述べさせていただいた。
2期目の重点事項について述べさせていただくと、「中心市街地活性化」ではコムコムが完成し、利用者数も累計25万人を数えており、歩行空間整備事業についても、今年度中に残りの事業を完了させる見込みです。
また、「医療の充実と病院事業の安定」では、医師がキャリアアップできるシステムの構築として、市民病院での腹腔鏡下手術の実施により、ドクターのスキルアップが図られており、がん拠点病院指定に向けた取り組みも順調に進んでいます。
そして、「生み育てやすい子育て環境の整備」では、予防接種の拡充、保育料の負担軽減、福祉医療の拡充などを実行してきました。
「産業の振興と所得増、雇用の拡大」では、土地改良事業により生産基盤の整備を順次図ってきているほか、農地集積も進んできており、産直センターの事業も順調に展開しています。
商工業においては、中小企業振興資金の利子補給事業を新たに実施でき、事業規模を拡大する企業や、ボルタージャパンやニューエンジといった新たな企業の進出もありました。
こういったところが成果と言えることができるかと思いますが、例えば、中心市街地の活性化によって人の流れができあがったと言えるまでに至っていないのも事実であり、子育て環境の整備にしても、その最終目的はより多くの子育て世帯が第2子3子と産み育てていただくことにあり、まだまだ目に見えて実感できる状態にはないと言えると考えています。
また、「定住支援と人口減少に歯止め」で掲げた結婚支援の取り組みや「スポーツと芸術文化活動の推進」の伝統芸能の保存、展示、継承などについては、しっかりと取り組まなければいけないと感じているところです。
地方自治体、特に住民と密接な関係にある市町村における施策に関しては、継続することにより成果が現れてくるものが多く、私の公約も継続して掲げているものが多い訳ですが、「人口減少時代への挑戦」を掲げ、その実現に必要な施策について全力で取り組んでいきたいと考えているところです。
重点項目について
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産業振興について
木質バイオマス発電機については、昨年4月に超小型バイオマス発電機を中心とするパッケージ商品を製造販売する企業「ボルタージャパン」が当市へ進出しており、誘致企業として工業振興促進条例を適用し、企業に対する支援を行っているところです。
市内の8割を森林が占める当市において、未利用木材を原料とするバイオマス発電機は、再生エネルギーの地産地消を可能とし、林業分野における循環型社会形成の一助と考えられることから、今後、木質チップの供給体制の整備や公共施設への導入等についても研究していきたいと考えています。
また、国内外からの教育旅行の誘致については、国内の教育旅行は学年単位での催行が多く、市の宿泊施設では定員数が限られることから、宿泊を含む旅行の誘致が進んでいないのが現状です。
今後は、秋田犬ツーリズムなどの広域的な連携の中で、農家民宿や農林業体験などのメニュー提供といった立ち寄り型や小規模旅行を中心とした教育旅行を誘致していきたいと考えています。
また国外の教育旅行については、台湾の高級中学校が平成27年度は1校、平成28年度は2校が当市を訪れています。
当市には大館能代空港や高速道路、JRや秋田内陸縦貫鉄道などの恵まれた交通インフラが整っているという強みがあり、学生の皆様をひきつける様々な素材があることから市内施設の受け入れ環境を整えながら、国内外からの教育旅行の誘致を促進していきたいと考えています。
市民ファーストの推進について
私は8年前に初めて市長に就任した際に、市職員に対して「常に市民の立場になった行政サービスやスピード感を持った対応」を心掛けるよう呼びかけました。
それは、役所側からの目線に偏らず、自分も一市民であるという意識を持って仕事を進めてもらうことが必要と考えたからでしたが、今回は、それに「やさしさ」をプラスした行政運営を「市民ファースト」と表現したものです。
まだ目覚めていない様々な埋もれている「種」とは何か
「種」という表現については、「素材」、「可能性」といった意味合いを組み合わせたものとして使わせていただきました。
今はまだ埋もれているけれども、何かの拍子に芽生えて大輪の花を咲かせることができる素材や可能性が、食、産業、人、地域に存在していると考えています。
木質バイオマス発電装置の生産販売をしているボルタージャパンのように、北欧の杜公園がフィンランドの自然に類似していることが縁で本社設置に繋がったことや、地域の中だけで伝わっていたバター餅がテレビで取り上げられ、それをきっかけに特産品化に成功した例もあります。
当市の中に存在するそれらが何であるかは、私にもまだはっきりとしたものは見えてきていない訳ですが、農業者、商工業者、議員諸氏、市職員などと一緒に、色々な角度から光を当てる動きに是非取り組んでいきたいと考えているところです。
産業振興について
中小企業振興資金保証料及び利子の補給金について
中小企業振興資金保証料については、秋田県信用保証協会が融資に係る債務保証を担い、その保証料全額を市が負担する制度であり、市としても、地元中小企業の育成と産業の振興を図るためにも、今後も事業を継続していきたいと考えています。
また、融資を受けた企業や個人に対する利子補給金については、平成28年度からは3年の期間中に借入を行った事業者に対し、返済終了まで1パーセントの利子補給を行うこととしています。
大森光信議員からは、補助率を下げ、補助枠を拡大すべきとのご提案をいただきましたが、この制度は平成28年度にスタートしたばかりであり、その実績は予算額1千万円に対して800万円であることから、今後の貸付状況を踏まえつつ、活用実態の検証や活用事業者の意見集約等を行いながら、事業変更の必要性についてを判断していきたいと考えています。
中心市街地活性化について
これまでJR鷹巣駅から銀座通り商店街までのエリアを中心市街地と定め、まずは中心市街地の活性化を図るための対策として、空き店舗対策やイベント支援等を集中的に実施してきましたが、空き店舗対策における新規起業者ニーズへの対応や、市内4地区商店街の活性化についても、検討する必要があると考えているところです。
また、合川、森吉、阿仁地区商店街でも、事業者自らが率先して地域活性化イベントやキャンペーン等に参画し、地域一体となった盛り上がりをみせていますので、それらの活動を応援していきたいと考えています。
市道の整備について
JR鷹ノ巣駅前に、ロータリーを設置する必要があるのではないか
鷹ノ巣駅前のアーケードから鷹ノ巣駅までの間については、JRの敷地となっており、その整備をJR秋田支社へ確認したところ、駐車場や横断歩道の線引きについて整備する方向で検討いただいているところです。
鷹ノ巣駅前周辺は、朝夕の通学生徒と車両の交差や、特に夕方の帰宅時に起こる車両による混雑により、危険が伴う状況になっています。
また、駐車区域以外への駐車は、個々のマナーに期待するところが大きいわけですが、事故を未然に防ぐ必要からも安全性の確保について引き続き関係機関と協議していきたいと考えています。
市道大町伊勢町線の整備について
本路線は、延長約940メートルとなっており、そのほぼ全てに都市下水路が並行していますが、ふたと水路自体は車両の重量に耐えられる構造にはなっていません。
これは、当初から水路上を車両が走行することを想定していないためであり、都市下水路上を車両が通行可能とするには、現在の水路を入れ替える必要があります。
また、上家下地内は、道路より水路が20センチメートル以上高くなっており、水路を入れ替えても段差が解消されません。
仮に、道路を嵩上げして水路高と一緒の高さにすると、隣接家屋への取り付けが急勾配なものになります。
現在、都市下水路上を歩道として利用しており、車道との境に歩車道境界ブロック等を設置しているので、歩行者は安心して通行できていますが、買い物等で車両の往来が激しい箇所は、用地取得が可能であれば、道路拡幅工事を視野に、今後検討していきたいと考えています。
ふるさと教育について
副読本の作成について
北秋田市が誕生した平成17年度に、北秋田市教育センター社会科教育推進委員会において、旧町の副読本を参考に、新市誕生に伴う新しい副読本制作が検討されました。
その際、副読本は子どもの興味関心を高める学習ゲームや動画が収録できるCD形式が適当という結論に至りました。
翌18年度に制作に係る検討と協議を重ねCD版副読本が完成し、平成19年度から各小学校で活用した学習が展開されています。
なお、CDに収められている資料のデータについては、毎年更新を行い「わたしたちの北秋田市」平成〇〇年度版として各校に配布され、活用が図られています。
あわせて、市内の各小・中学校において、キャリア教育との関連を図りながら、ふるさと教育全体計画に基づき、地域の歴史や文化に触れ、自然に親しむ活動を通して、ふるさとのよさを発見し、ふるさとへの愛着心を育てる特色ある教育活動が展開され、成果を上げています。
CD版副読本については、毎年、柔軟にデータや内容の更新ができることから、その内容について検討を加え、一層充実させると共に、幅広い活用を図っていきたいと考えています。
福岡由巳 議員(無会派)
(順位:1-2)
北秋田市地域公共交通について
市民が利用しやすい公共交通網の整備について
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「北秋田市地域公共交通網形成計画」について
北秋田市地域公共交通網形成計画は、近年の急速な少子高齢化の進展や、移動のための交通手段に関する利用者の選択の変化により、従来どおりの地域公共交通を維持していくことが非常に困難になってきていることから、広大な行政面積を有する当市の課題として、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律」に基づき策定したものです。
また、この計画は将来にわたり持続可能な公共交通のマスタープランとなるものであり、市の上位計画である「第2次北秋田市総合計画」などとの整合性を図りながら、まちづくりに連携した基本的な方針を示したものです。
策定にあたっては、市民アンケートや交通事業者ヒアリングなどを実施したほか、素案に対するパグリックコメントの募集や各自治会長の皆様にも意見を求めたところです。
また、計画を策定したことにより、今後の推進支援事業や再編実施計画の策定業務等を実施する際には、国の補助が受けられることとなるので、補助を活用しながら計画を推進していきたいと考えています。 -
交通網の大幅改善と共通乗車券の発行について
現在、鉄道や路線バスをはじめとして、マイタウンバスやデマンド型乗合いタクシーなど複数の交通サービスが運行されています。
ダイヤ改正に伴う接続については、バス事業者がこれまでも対応してきていますが、先ほども述べた「北秋田市地域公共交通網形成計画」の事業推進にあたっては、利用状況を含めて改善すべき点を事業者との協力を得ながら検討していきたいと考えています。
共通乗車券については、利用方法や料金設定のあり方、事業者の協力等も必要となるので、他の地域の事例などを含めて研究させていただきたいと考えています。
野生鳥獣の被害防止について
大型野生鳥獣の研究・検討した結果について
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大型野生鳥獣の解体、加工工場の設置、ハンター養成について
当市では、平成28年度より免許取得等に係る経費の一部支援を行っており、昨年度は新規取得者がいませんでしたが、今年度は今のところ第1種銃猟免許取得者2名、銃砲所持許可1名からの申請をいただいているところです。
今後も、積極的に補助制度の周知を図り、資格取得者の支援に努めていきたいと考えています。
また、野生鳥獣の解体、加工場の設置については、現在の当市の大型野生鳥獣の捕獲状況をみると、比較的繁殖力が高くないクマの捕獲のみであり、その多くが自家消費に回っていることや、民間の食肉処理業者を介した流通で間に合っているものと思われます。
しかし、今年は市内においても繁殖力の高いニホンジカやイノシシの目撃も報告されていますので、今後の大型野生鳥獣の捕獲状況等を注視していきます。
野生鳥獣の被害防止策について
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被害防止策の徹底について
有害鳥獣の被害防止策については、今後とも関係機関と連携し、チラシ等による注意喚起を行いながら、市広報及びホームページを活用して情報の発信に努めていきます。
現在の北秋田市鳥獣被害防止計画は、計画年度が平成29年度までとなっており、計画策定当時は、イノシシとニホンジカの目撃情報や被害報告は確認されていなかったので、ツキノワグマのみを対象鳥獣としていました。
しかし、今年5月にはイノシシと思われるジャガイモの種イモの食害が1件、ニホンジカと思われる圃場へ定植後の水稲の食害が1件報告されていることから、平成30年度以降の計画策定に向けて、周辺自治体と情報を共有しながら、今後の被害の状況を勘案し、新たな対象鳥獣として追加するよう検討することとしています。
また、捕獲後の対象鳥獣の処理については、自家処理を基本としていますが、個体の状況によっては北秋田市鳥獣被害防止計画に基づいて適宜対処していきたいと考えています。
「ジビエ料理」への参画について
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地域の産業として推進することについて
北秋田市にはマタギに代表される狩猟文化があり、ジビエ料理の提供や獣肉の販売等を行なっている民間事業者もいくつかあります。
しかし、今のところは供給できる食材(獣肉)に限りがあるとともに、年毎の変動も大きく不安定であるため、産業としては確立するのは、現時点では困難であると考えています。
北秋田市史編さんについて
早急な態勢づくりについて
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市史編さん室の設置について
合併前の各町や昭和の大合併前の旧町村単位で、町史や郷土史はありますが、北秋田市が合併して12年が経ち、それが集約されたものはまだ編纂されていません。
市史編纂は市の大プロジェクトであり、市史編纂室の設置には市長部局との調整が必要となります。今年度はその準備段階として教育委員会で資料収集等に着手していきます。
松橋 隆 議員(みらい)
(順位:1-3)
3期目に向けた市長の意気込みについて
産業振興による仕事づくり
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高収益作物栽培(セイショウ農法への挑戦)
高収益な作物栽培については、農業関係機関における長年の研究により、栽培技術等が進歩してきているほか、公的機関以外の民間組織においても研究が行われて様々な資材が販売されており、それらを活用した栽培により、効果を実感している農業者もいると思っています。
しかし、その効果を公的機関が認めているものと、そうではないものがあるので、当市としては、農法の誘導ではなく、市の9品目の重点推奨品目、6品目の推奨品目を中心に種苗費等への支援を行う「青果物振興対策事業」を実施しているところです。
また、今年からは園芸メガ団地等への支援を行うこととしており、今定例会には「しいたけ栽培への支援」に係る補正予算案を提案させていただいたところです。
今後も、関係機関と連携のもと、「やる気のある農家・法人」への積極的な支援を行い、産地の確立はもとより、安定した農業経営を後押ししていきたいと考えています。 -
観光産業の振興(ホテルの誘致)
市内で大きな行事が行われる際、既存の宿泊施設だけでは、そのニーズに対応することができないという実態があり、そういう意味では松橋議員ご提案の大型ホテル等の誘致により、対応が可能になるものと思われますが、大きな行事がない期間の誘客がホテル運営の大きな課題になるものと思われます。
また、既存の宿泊施設の利用状況が、必ずしも定員を満たしているわけではないことから、新たな宿泊施設の誘致によって、既存の宿泊施設の経営を圧迫する可能性も考えられます。
当市としては、昨年度より「宿泊施設パワーアップ事業」によって、既存の宿泊施設の定員数の増加や設備の充実に対する支援を行っているほか、冬期間における宿泊支援事業により、安定経営に向けた支援を行なっているところです。
今後、当地域は日沿道の延伸などにより、観光客やビジネスによる交流人口の拡大が見込まれているところであるので、当市を訪れる皆様のニーズに対応した施策を行いながら、観光振興を進めていきたいと考えています。
移住、定住対策について
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給食費の無料化
県内でも学校給食費の無料化を実施している自治体はありますが、学校給食法では、給食センターの調理員などの人件費、設備の維持管理費などは自治体が負担し、それ以外の食材費等の経費を保護者が負担することになっています。
児童生徒に学校給食の意義を認識させ、望ましい食習慣を身につけさせると共に、保護者に対する感謝の気持ちを育てるという教育的観点からも、学校給食費は保護者に負担していただくべきと考えています。
市道ブナ森線の県道昇格期成同盟会の設立について
この道路の必要性についての認識
当路線は、県道河辺阿仁線終点部の「打当温泉マタギの湯」や「くまくま園」から、日本の滝百選で第二位に選ばれた「安の滝」や「幸兵衛滝」を通じて仙北市の国道341号へと繋がり、「宝仙湖」や「玉川温泉」などの観光名所も結ぶ路線です。
昨年度、当市に開通した日本海沿岸東北自動車道も、今後も全線開通に向けた整備が進められていることから、観光周遊ルートを構成する道路として、インバウンドを含む誘客が大いに期待されるところです。
また、国道105号が豪雨等で通行止めになった際には、当路線が県南部へ向かう唯一の代替路線であることから、本路線は秋田県内でも数少ない「横軸」として、非常に重要な路線であると考えています。
もっとスピードをあげて設立を
先月も市単独で秋田県に対して、県道昇格の要望を行ったところですが、松橋議員より「スピードを上げて」との激励をいただいたところですので、関係する仙北市や議会の皆様のご協力をいただきながら、同盟会等を年度内にも設立出来るように目指していきたいと考えています。
北秋田市職員定員適正化計画について
合併時663人、平成28年度末では何人か
平成28年度末の職員数は、491人となっており、合併時と比べて172人の減となっています。
非常勤職員は、合併時何人で、平成28年度末では何人か
合併時は、臨時と非常勤の区別がなく、すべて臨時職員としてカウントしていたので参考値となりますが、合併時の臨時職員は307人、平成28年度末の臨時・非常勤職員は306人(臨時40人、非常勤266人)となっています。
急激な人口減少に対して、この計画は合致しているか
総合計画で示しているとおり、市の人口が減少していくことを踏まえると、長期的には職員数の削減も検討しなければなりませんが、行政区域面積の広さと集落数の多さに起因する当市特有の行政ニーズや、高齢化に対応した市民の安心と安全、そして防災の面などを考慮した場合、急激な人口の減少に見合うような職員の削減は、困難であると認識しています。
一方で、厳しい財政状況に伴う行政のスリム化は不可欠ですので、今後も事務事業の見直しや効率化を進めるとともに、適正な職員の定員管理を行いながら、平成33年度の職員数は今年4月の488人から8人減の480人と計画したところですが、職員の削減による住民サービスの低下を招かないように対応していきたいと考えています。
女性管理職の割合について
平成28年度末の人事異動によって、女性管理職の割合は何%か
この度の人事異動により、課長級以上の女性管理職は2人で、管理職全体に占める割合は4.44%となっています。
第二次総合計画にある、平成32年度目標値10.5%の達成見通しは
女性管理職の登用にあたっては、これまでもキャリアアップや職場改善に向けた研修機会の確保により、意識や能力の向上に努めてきたところです。
現状は数字的に厳しいものとなっていますが、女性の活躍と女性ならではの意見や提言は、行政運営に必要であると認識していることから、目標値の達成に向けてより具体的に取り組みを進めていきたいと考えています。
教育行政について
北秋田市の実態をふまえた、教育行政の基本的な考え方
平成27年4月に、今後5年間の取組として北秋田市教育ビジョンを策定しました。
また、生涯学習分野では、平成29年度4月から第3次社会教育中期計画を、スポーツ分野では、平成25年度に策定したスポーツ振興基本計画の最終年度として取り組んでいます。
これらには、北秋田市が取り組むべき目標や基本方向が明らかになっており、今後時代の変化に対応した教育施策を展開していくために、市民の皆様からも御意見等を伺いながら、北秋田市の学校教育を推進していきたいと考えています。
小規模校におけるコミュニティ・スクールは、どういった形態が望ましいか
コミュニティ・スクールは、学校教育に広く保護者や地域住民の方々が参画できる仕組みであり、校長の作成する学校運営の基本方針や学校運営等に関しての意見を述べることで、より良い学校教育を運営する仕組みです。
北秋田市では、市民の教養や経験を学校での学習活動に活かしながら、学校と地域両方での人材を担うことを目的に、支援・提供型の「学校支援地域本部事業」を実施してきましたが、今年度は、さらに、地域と学校がパートナーとして、地域の課題解決や地域活性化を推進するため、「地域学校協働推進活動」を行っていきます。
北秋田市小中学校適正規模、配置再編プランについて、教育長はどういう認識をもっているのか
昨年度、検討委員会で議論を重ね、住民説明会等での意見を反映させた再編プランですので、昨年度、議会全員協議会で報告したプランに沿って進めていきたいと考えています。
小笠原 寿 議員(緑風・公明)
(順位:1-4)
市長の政治姿勢について
観光振興について
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LCC(格安航空会社)の早期就航実現を
大館能代空港の利用状況については、ここ数年利用者が増加しており、平成28年度の利用者は13万1千517人と昨年度より7千744人増加しています。
当市が加盟している大館能代空港利用促進協議会では、搭乗率60パーセント以上の達成に向け、県や関係機関と連携して旅行商品の造成などさらなる利用者増加につなげる取り組みを行っており、昨年度は、国内チャーター便の誘致活動による就航実績もあり、今後も定期便の利用促進と空港利用の増大を図っていきます。
また、今年度は、「(仮称)あきた北空港インターチェンジ」の供用により、観光面のみならず企業活動などの様々な面からも大きな期待が寄せられていることから、休止となっている大阪便の再開と、新規LCCの就航などに期待を寄せているところです。
今後も大館能代空港利用者の増加に向けて、当市のPRを行うとともに、県や関係機関と連携を図りながら就航の実現に向けて取り組んでいきたいと考えています。
農業振興について
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ブランド強化と特産品開発を
農産物等のブランド強化については、当市で生産された米や比内地鶏がプレミアムブランドとなるように各種事業を展開していますが、現段階ではそこまでに至っていないと考えています。
ブランドには、希少価値を売りとした農産物等もあり、広域的な産地をブランド化する場合もありますが、どちらにしても高い品質を維持しながら販売され、それが世間に広く知られることで初めてブランドと言えるものと考えています。
米については、流通が多様化する中で、JAが独自の販売戦略のもとブランド化を図っており、生産者自らがブランド化を図り、直接販売をしているケースもあります。
他の品目においても、県では「枝豆日本一」や「秋田牛」、「しいたけ三冠王」、「秋田比内地鶏」といったように、オール秋田で全国の消費地に向けたPR戦略を取り組んでいるところです。
当市としては、まずは品質の高い農産物を生産することが重要と考え、土づくりから支援するため「戦略作物地力増強推進事業」を実施しているほか、JAによる販路拡大策や生産者の直接販売を支援する「推奨品目販売促進事業」により、実際に販売する方への助成を行い、北秋田市産の農産物等が高いブランド力を持てるような支援策を展開していきたいと考えています。
また、特産品開発について小笠原議員からいただいた提言は、貴重な意見として参考にさせていただきます。
昔からある食材を使用したB級グルメによる地域おこしや、特産の比内地鶏を用いた商品開発は、市内の生産者や販売者にとって大変ありがたい話であると思うし、新たな地域おこしに繋がることを期待するものです。
新たな特産品の開発としては、市の提案公募型特産品活性化推進事業により、どぶろく製菓や馬肉食品、黒にんにく等の20件の新商品の開発事業を支援してきたところです。
今後もこの事業のPRに努め、新たなご当地グルメのアイデアを支援していきたいと考えています。
生活環境整備について
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少子高齢化の中で、今後、除排雪の問題が今まで以上に深刻な問題になると思われる。特に、ドーナツ現象となっている鷹巣地区市街地の高齢化が著しい。市の除雪車や近隣の人が自由に投げられるように、冬期間除雪場として提供して頂ける土地に対し、固定資産税の減免措置を行い、促すことはできないか
高齢者にとって除雪作業は、大変な重労働であり、敷地内の除雪した雪を寄せる場所がない市街地に暮らす方にとっては、さらに大きな負担が伴います。
また、雪捨てに関わる近隣トラブルから、地域のコミュニティ活動の停滞化も懸念されているところです。
空き家対策の観点からも、小笠原議員の提案を、どのような制度設計が効果的なのかを研究しながら、具現化に向けて取り組んでいきたいと考えています。
板垣 淳 議員(共産党議員団)
(順位:1-5)
市財政について
一般会計財政調整基金残高が増加しているが、保有額はどの位が妥当だと考えているか
可能な限り、有効活用すべきでないか
一般会計財政調整基金については、平成28年度末の残高が67億5千992万7千円と、合併時の平成16年度末と比較し、55億3千300万円ほど積み増しとなっています。
地方交付税の段階的な減額に備えて、また、年度間の財源調整を主な目的として積み立ててきたもので、どの程度の保有額が適正かということについては、一概には言えないところがありますが、平成28年度、平成29年度と基金を取り崩して財源調整に充てているところであり、今後も各年度の財政運営において、必要に応じて適切かつ有効に運用していきたいと考えています。
福祉施設について
ケアタウンの今後のあり方をどのように考えているか
ケアタウンたかのすは、平成20年度より指定管理者である北秋田市社会福祉協議会により運営されており、専門的なノウハウを生かした質の高いサービスが提供されています。
当市においては、民間にできることは民間に委ねることを基本としており、ケアタウンたかのすを委託期間の規定がある指定管理者制度から民間移管とすることで、より長期的な視点に立った人事計画と介護計画などの経営戦略が可能となることや、入所者へのサービス向上と入所者の家族に対するフォロー体制の構築が、より容易になるなどの創意工夫を生かせるようにしたいと考えています。
また、職員の長期的な雇用や人材育成なども可能となることで、地域における安定的雇用が一層確保されるものと考えているところですが、民間移管にあたっては、土地や建物等を貸与方式か譲渡方式か無償か有償かなどの比較を行うほか、事業所の選定についても、利用者の不利益とならないよう十分に配慮しながら、進めていきたいと考えています。