2017年05月26日
コンテンツ番号3613
有事に備え地震想定訓練
5月26日の「県民防災の日」に合わせ、市内各地では防災訓練が行われ、参加者は有事の際にとるべき行動を確認し合いました。
秋田県では、日本海中部地震(昭和58年)が発生した5月26日を「県民防災の日」と定めており、この日は県内各地で防災訓練が行われています。
この日は、市役所や北秋田市民病院、グループホーム「もりの家」(米内沢)などで、大規模地震の発生を想定した、避難訓練や多数傷病者対応訓練、火災防ぎょ訓練、、シェイクアウト訓練、災害対策本部図上訓練などが行われました。
このうち、市役所では全職員によるシェイクアウト訓練と災害対策本部の構成員による災害対策本部図上訓練を実施しました。
シェイクアウト訓練は、指定された日時に、それぞれの場所で、自らの身を守る行動(低い姿勢をとる、頭を守る、動かない)を一斉行う訓練で、今後は総合防災訓練等で市民の参加も検討しているもので、市職員が訓練を経験し市民への普及と防災意識の向上を目指しています。災害対策本部図上訓練は、災害が発生し災害対策本部が設置された場合に、実際に想定される被害情報や様々な負荷を想定し、各班が付与される事案に対し、対応策や方向性を示すための訓練で、災害発生時の初動体制や業務継続に至る諸問題に対して、想定意識と相互理解を構築することを目的としています。
訓練は、午後2時の地震発生と同時にシェイクアウト訓練が一斉に行われ、職員たちが身をかがめて、机の下に潜りこみ自身の身を守る行動に取り組みました。同時に、災害対策本部が設置された3階大会議室では、災害発生の初動で主に対応しなければならない7班(庶務班・消防班・情報班・救助班・衛生班・土木班・給水班)に対して、地震発生からの時間経過に合わせて、建物倒壊や火災、停電、水道の断水、道路や橋の損壊や崩落、住民の避難誘導など、次々と発生する被害の状況などが記載された「状況付与カード」が配られ、各班ではリーダーが対応策の指示を行い、記録員が対応記録票やホワイトボード、地図などに対応状況を記録して情報の共有を図ったほか、連絡票で関係する班に情報を伝達して問題の解決に取り組むなど、万一の災害発生に備えて本番さながらの訓練が展開されました。
訓練終了後に行われた閉会式では、石川博志総務部長が「図上訓練開始時には、報告を受けた連絡票に書かれた被害状況などの内容に不備が目立ち、これからも訓練を重ねていく必要があると感じた。はじめての図上訓練だったが、このあとも各班で自分たちの役割をしっかりと把握しながら、災害があった際には、しっかりと対応できるような体制をとっていく必要がある」などと、北秋田市消防本部の中嶋誠消防長が「今回の図上訓練を通じて、北秋田市地域防災計画や災害時職員初動体制マニュアルなどの課題や見直す点があったなどの気づきがあれば、たいへん意義のある訓練になる」などと講評を述べました。
北秋田市民病院で防災訓練
県民防災の日である5月26日(金)、北秋田市民病院で防災訓練が行われました。
この訓練は、大規模地震が発生した場合を想定し、地域災害拠点病院におけるすみやかな初動および多数の負傷者の受入れ、治療等を円滑に実施できるよう災害医療供給体制強化、地域災害拠点病院としての災害対策初動機能の充実を図ることを目的として、今回はじめて市民病院と消防本部合同で行われました。
この日は、地震発生後、災害対策本部を設置し、院内の被災状況を確認して多数傷病者受入体制確立可能と判断したあと、「トリアージエリア」を開設し、傷病者の受入・処置を行うという流れで本番を想定した訓練が行われました。
「トリアージエリア」…患者の重症度に基づいて、治療の優先度を決定して選別する場所。救急事故現場において、患者の治療順位、救急搬送の順位、搬送先施設の決定などに用いられる。
職員は、各部署から報告のあった被災状況のホワイトボードへのまとめ方や、混乱した状況で多数傷病者の情報共有の仕方、傷病者の適切な処置の仕方などを入念に確認したあと、全員で反省点・改善点を述べ合い、有事の際に備えました。
最後に、北秋田市消防本部田中正消防次長が「消防本部側として、病院内でどのような動きが行われているのか把握することができ、たいへん有意義な訓練となった。有事の際により円滑にできるよう、再度訓練内容を検討していきたい」などと講評を述べました。