2017年04月15日
コンテンツ番号3600
遡上を願いサケの稚魚3万匹を放流
伊勢堂岱遺跡世界遺産登録推進サケ放流事業「第7回カムバック縄文サーモン」が4月15日(土)、同遺跡近くを流れる湯車川で行われ、サケの稚魚約3万匹を放流しました。
この放流事業は、伊勢堂岱遺跡の世界遺産登録推進の一環として行われたもの。縄文人も遡上するサケを活用していたと考えられていることから、湯車川をサケが遡上するふるさとの川として環境保護を図り、遺跡周辺を「カムバック縄文サーモン」の中心地とし、世界遺産登録推進にも大きく貢献することを目的に、伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤善寿代表)、鷹巣漁業協同組合(湊屋啓二組合長)、市教育委員会の共催で行われました。
この日は、あいにくの雨となりましたが、同遺跡ワーキンググループのメンバーをはじめ、ボランティアガイド、ジュニアボランティアガイド、地域の方々など約30人が参加。縄文館で行われた開会式では、同遺跡ワーキンググループの武藤祥子副代表が「ここ数年は、遡上するサケの数も多くなり、魚影の中には大きい個体も見受けられ、事業の効果が出ていると実感している。今日はあいにくの天気となったが、足元に気を付けて放流してほしい」などとあいさつ。
また、鷹巣漁業協同組合の湊屋啓二組合長は「放流事業は7年目となるが、これまでの皆さんの努力が実って、遡上がよく見られるようになった。雨が降っているが、低い水温を好むサケにとっては、いい天気ということになる。遺跡のそばを流れる川にサケが遡上することは、全国でも珍しいこと。地域の皆さんとともに、これからも継続して放流を実施していきたい」などとあいさつしました。
参加者らは、漁業の職員からバケツに入ったサケの稚魚を分けてもらい、川岸に並んで「大きくなって、またここに帰って来て」と声をかけて放流しました。放流された稚魚は、川面を力強く泳ぎ回ると、川の流れにのって下流に向かって泳いでいきました。
今回放流したサケは、阿仁川漁協で育てられた体長7センチから8センチほどの稚魚で、大体4年をピークに、早いもので3年、遅くて5年で戻ってくるといわれています。近年は、10月中旬から11月上旬頃に、同遺跡周辺で体長約70センチのサケの遡上が複数確認されております。