北秋田市議会３月定例会最終日

議案や陳情など64件を採決し閉会

３月定例会最終日（３月９日、議事堂）

国保税の条例改正案の起立採決

平成29年北秋田市議会３月定例会の本会議が、３月９日（木）に議事堂で開かれ、各委員会に付託され審査を経た議案や陳情などを含めた64件を審議、採決し閉会しました。

本会議では、総務文教、市民福祉、産業建設の各常任委員会に付託された議案について、各委員長から審査の経過と結果を報告し、質疑、討論を行い、それぞれ簡易採決や起立採決が行われました。

このうち、議案第６号 北秋田市国民健康保険税条例の一部を改正する条例の制定については、原案に反対の立場から「困惑や怒りの声が上がっているように、値上げすると市民が困る。総額１億1000万円の値上げは、その分が市民の懐から消え、購買力が低下し地域活性化に逆行する。国保会計が厳しくなった理由は、国庫負担が減らされたことや低所得者や無収入の人が増えたなど政治的・社会的なことが要因で、その解決策を被保険者だけに求めるのは酷というもの。一般会計から法定外繰り入れをすれば値上げは回避できる。市の仕事は貯金することではなく、市民のために予算を有効に使うこと、その原点に立ち返るべき」などと反対討論がありました。
また、原案に賛成の立場から「この条例改正は、当初予算で歳入の不足が見込まれることやその翌年の全県化を控え提案されたもの。しかし、その内容は繰越金と国保財政調整基金をすべて見込むことで、国保運営協議会が出した諮問税率の1.4倍より低い、1.2倍に抑えたとはいえ、加入者の負担が大幅に増えることになっている。賛成する理由は、受益者負担、独立採算を原則としていること。この制度運営は、国・都道府県の基準内繰り入れ、市町村が負担すべき国保税により成り立っており、その原則を破ることはけっして好ましいことではない。また、現在の税率を維持するために、一般会計より繰り入れることは、加入者以外の方から理解が得られない。市は、4月から減免制度を見直すとしており、国保加入者全体の約7割の方が軽減措置を受けるとの試算もされている。今回の税率の引き上げは裏を返せば、平成22年度から続く単年度マイナス収支を財源調整により、税率の引き上げに踏み切らなかった努力のたまものであり、税率の激変は国保財政運営に問題があったとは言えない。まさに苦渋の決断と言えるが、以上のことから本議案に賛成する」などと賛成討論があり、起立採決の結果、賛成多数で原案のとおり可決されました。

このあとに審議された、議案第13号平成29年度北秋田市一般会計予算では、原案に反対の立場から「市長は前回の市長選挙で、返済額を超えないよう借入を制限すると公約したが、その年から新年度も含めて４年連続で借金を増やしている。公約違反は認められない。先ほど、国保税の値上げは一般会計からの法定外繰り入れをすれば、値上げしなくても済むという討論があった。これは一例で、本予算は市民の暮らしを応援するという点では不十分である」、「市民からは、命と暮らしに対する政策を充実してほしいという願いが多くあるが、かなえられていない。本予算は市民の暮らしに直撃するものもあり、当局には市民の命と暮らしに直結する政策をさらに増やすよう望む。また、北秋田市民病院の負担金が７億5000万円となっており、財政的に厳しい影響を与える。平成29年度は、厚生連と交渉を続けながら、指定管理者制度の本来のあるべき姿に戻すよう求める」などと反対討論がありました。
また、原案に賛成の立場から「今後ますます進む人口減少や少子高齢化にどう立ち向かっていくか、早急に対策を講じる必要がある。そのためには、財政の健全化を図りつつも、数々の課題に挑戦していく必要がある。本予算は、市長の任期満了により、義務的経費を中心とする骨格予算として編成されつつも、総合戦略にもとづき仕事と収入を増やしていくことで、人口減少に立ち向かっていくという意思が、しっかりと見える予算になっている。クリーンリサイクルセンター建設事業などの継続事業をはじめ、園芸メガ団地育成事業のほか、行政効率化に向けた予算、移住定住対策、コンビニ収納による利便性の向上、今まで紙中心だった事務仕事を電子化一元管理する校務支援システム導入による業務の低減と教育の質の向上、体育施設などの大規模改修など、市民ニーズにもしっかりと対応した予算である。改選後、人口減少時代にどう立ち向かうか、この課題解決に向けた議論を深め、政策的予算が盛り込まれていくことを期待している」などと賛成討論があり、起立採決の結果、賛成多数で原案のとおり可決されました。

なお、３月定例会に提出された議案、請願・陳情等の採決結果は次のとおりです。

選挙第１号北秋田市選挙管理委員及び同補充員の選挙について