2017年03月12日
コンテンツ番号3582
自然公園への理解と知識を深める
森吉山県立自然公園公開セミナーが、3月12日(日)に市民ふれあいプラザコムコムで行われ、参加した約50人が講演や意見交換を通し、国立公園及び国定公園の指定に向けて理解を深めました。
このセミナーは、県立自然公園の指定を受ける森吉山を、国立公園又はそれに準ずる国定公園に昇格させ、全国へ発信していこうという市民からの強い要望を受け、市民の方々とともに自然公園に対する認識と知識をより深めるため市が主催したもの。
開会にあたり、主催者を代表して虻川広見副市長が「花の百名山として知られる森吉山。春から夏にかけ約300種類の高山植物が咲き誇り、秋には色鮮やかな紅葉、冬には樹氷を楽しみながらのウィンタースポーツと、四季折々の魅力を備えてる。市としても滞留型観光の拠点として、平成25年から県と協働で森吉山周辺の整備を進め、誘客に努めている。今日は市の財産である森吉山をどのように生かしていくか、皆さんととも学び、今後の活動に生かしていきたい」などとあいさつ。
引き続き、秋田県立大学の青木満主監が「自然公園の近年の指定動向について」と題し、講演を行いました。
講演の中で、青木主監は自然公園指定の動向に触れ「近年は優れた自然の風景地というだけではなく、海域や生態系を重視したものが指定されたり、インバウンド観光に対応した取組みを国が推進しており、国立公園に関しては動きが活発になっている。国定公園については、近年では2か所が指定を受けたものの動きは鈍い」と紹介しました。
また、森吉山の可能性については「県立公園の中では最大の面積を有し、周囲には小又峡をはじめとする渓谷、東部に広がる東北最大級の針葉樹林があり、面積や自然の質は国定公園に匹敵する」などと述べた一方、国立公園としては難しいと解説。そうした中で一つの案として「十和田八幡平と景観や地形、地質、植物が似ていることから、一体としてとらえた国立公園の拡張は可能性があるのでは」などと話しました。
このあと、質疑及び意見交換が行われ、参加者からは「国立公園になり森吉山の名が無くなるよりなら、国定公園でも森吉山の特徴を生かしてアピールしていければと考える。国立、国定、県立いずれにしても、そこに価値のあるものがあれば人は集まる」などの意見が出される一方、「十和田八幡平には、岩木山や十和田、八甲田もあり、森吉山の名前にこだわらなくても良いのでは。国が取り組むインバウンド観光の8つの国立公園の中に十和田八幡平もあるので拡張に積極的に行動すべきでは」などの意見が出されました。
参加者からの意見を踏まえ、最後に青木主監は「皆さんは全国の国立公園はいくつか挙げれると思うが、国定公園はほとんど挙げられないと思う。それだけ国立と国定には知名度に差があるのは事実。すでに森吉山は東北でも有名であり、自然の質や豊かさが、国立、国定、県立で比例しないことも事実。現在、十和田八幡平は、国が推進する国立公園8つに選ばれていることから、隣接した場所であるということも利用していけると思う。それらを総合的に考え、選択するのは地元の方たち。いずれの方向にしても私も出できる限り応援していきたい」などと述べました。