2017年03月22日
コンテンツ番号3577
2両を陸送し、通常ダイヤの運行を目指す
秋田内陸線車両の陸上輸送が、3月21日(火)から22日(水)にかけて行われ、阿仁合駅から米内沢駅に2両が陸送されました。
秋田内陸線では、2月17日の降雨と融雪で地盤に多量の水が供給され地盤が緩んだことにより、小渕駅から阿仁合駅方向へ900メートルの地点で、路盤と阿仁川河岸上部間の斜面に幅23.5m、高さ5~7mの崩落が発生し、路盤脇に亀裂が認められたことから、車両の通過による崩落を誘発する恐れがあり、列車の通行ができない状態が続いています。このため、阿仁前田駅から阿仁合駅間をバス代行輸送、鷹巣駅から阿仁前田駅間および阿仁合駅から角館駅間では列車の折り返し運転をすることで対応してきましたが、鷹巣駅から阿仁前田駅間は車両が1両のみであるため、やむを得ず列車9本を運休しています。この運休を解消するため、車両2両を鷹巣側に陸上輸送することで、4月1日から通常ダイヤの運行を目指しています。
陸上輸送する車両は、全長18.6メートル、重さは台車も含めて29.8トン。秋田内陸線の車両が陸路で輸送されるのは、平成元年の開業以来はじめてのことで、社員と業者を含めた35人で慎重に作業が進められました。
21日は、阿仁合駅の線路上にある車両をトレーラーに積み込みする作業が行われました。線路脇に大型クレーン車2台が並べられ、車体の4か所を抱えるようにゆっくりとつり上げました。車両は車体部分と車輪部分の台車に切り離され、車体部分は横づけされた大型トレーラーの荷台に積み込まれました。2台目も同様に積み込まれ、約3時間で作業が終了しました。車体を積んだトレーラーは、交通量の少ない未明に輸送するため、阿仁合駅前の駐車場に2台並べて留め置かれました。駅前では、鉄道ファンや近隣住民がカメラで車両を撮影したり、記念撮影して楽しんでいました。
翌22日の未明には、車両の陸上輸送が行われました。午前4時に車両を積み込んだトレーラーが阿仁合駅を出発。最初の難関となった宮越旅館前では、3回にわたりトレーラーを切り返して、道路幅ギリギリで左折しました。その後、国道105号を順調に北上し、四季美館前、森吉庁舎前、あゆっこ前を通過し、午前4時45分頃にはトレーラー2台が米内沢駅前の駐車場に到着しました。
22日の午前中には、トレーラーに積み込まれた車両が米内沢駅の線路上に戻されました。はじめに車輪部分の車台を線路上に下ろし、車輪の位置を合わせたあと、積み込み時と同様に車体の4か所を抱えるようにゆっくりとつり上げ、線路上の車台に慎重に下ろしました。
このあと、輸送された2両は点検や試運転を繰り返して、4月1日からの通常ダイヤの運行を目指しています。なお、斜面崩落がある阿仁前田駅から阿仁合駅の間は、従前のとおりバスの代行輸送となっています。