2017年02月19日
コンテンツ番号3561
赤々と燃え盛るご神木に無病息災を祈願
七日市葛黒(くぞぐろ)集落に伝わる小正月行事「葛黒火まつりかまくら」が、2月19日(日)に葛黒集落の雪田で行われ、赤々と燃え盛るご神木に向かって「おーいかまくらの権五郎」と叫び無病息災を祈願しました。
この行事は、高さ10メートルほどの栗の木を切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけて、雪が覆う田んぼに住民や参加者らが協力して起ち上げます。そして火を放ち、燃え上がった木を火の神「不動尊」になぞらえて無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願するもので、燃えさかるご神木のまわりで子どもたちが「おーい、かまくらの権五郎」と叫んで厄払いをします。
祭りは今から250年ほど前に始まったといわれており、葛黒では代々小正月行事として旧暦1月14日の夜に行われていました。ご神木として用いる適度な高さの木が少なくなったことなどから、平成11年に実施されたのを最後に途絶えていましたが、平成26年に15年ぶりに復活し今年で4年目を迎えています。
この日は、時おり吹雪くあいにくの天気でしたが、集落の人たちが山から高さ約10メートルの栗の木が切り出し、それに稲わらや豆がらを巻きつけました。そのあと、地元住民をはじめ鷹巣南小の児童や鷹巣南中の生徒、ボランティアスタッフ、一般サポータら約200人が協力して、木の幹に括り付けた縄を少しずつ引き、ご神木を起ち上げました。
また、地元葛黒集落のテントでは、秋田北鷹高校家庭クラブがアレンジした「バター餅スープ」が数量限定で無料提供されたほか、七日市女性会がご神木をイメージして商品化した「ごんごろう餅」や「おしるこ」、「ご神木の台座セット」、地元葛黒産の「竹炭」などが販売され、多くの人たちが温かい食べ物や地域の特産品を買い求めていました。
辺りが暗くなり始めると、会場内につくられたミニかまくらの火がやさしい光を放ち、幻想的な雰囲気につつまれるなか開会セレモニーが行われ、葛黒火まつりかまくら実行委員長の堀部明博さんが、ご神木の起ち上げについて「権五郎は、15年ぶりの復活した1年目、2年目は歓迎してくれたが、去年は、雨のため雪田がぬかるみ、私たちにたいへんな試練を与えた。今年は、皆さんのご支援と協力のおかげで、立派なご神木を起ち上げることができた。とても感謝している」などとあいさつ。
続いて、来賓を代表して津谷市長が「地域の方々が、たくさんの皆さんのご協力のもとに、250年前から続く伝統行事を復活させ、次代につなげていくことは、これからの新しい地域コミュニティのモデルとなる。地域の皆さんはじめ、ご神木の起ち上げに協力していただいたボランティアや一般サポータの方々に心から感謝します」などと祝辞を述べました。
このあと、小中学生や地域の代表者らが堀部会長から種火を分けてもらい、ご神木の下に巻きつけられた稲わらに点火すると、炎はご神木へと燃え広がり、夜空を真っ赤に焦がすと来場者が一斉に「おーいかまくらの権五郎」と何度も叫び、一年の無病息災や無火災、五穀豊穣を祈願しました。
燃え残ったご神木を持ち帰り、祀っておくと無火災のお守りになると言われており、まつりの最後に倒されたご神木はチェーンソーで切り分けられ、来場者に配られました。