2018年10月22日
コンテンツ番号3465
宮城県の印刷会社で保管されていた版木を寄贈
(2018年10月22日)
阿仁の行商人が使用していた版木の寄贈が、10月22日(月)に市役所で行われ、関係者らが津谷市長に版木を手渡しました。
寄贈者の佐々木弘重氏は、宮城県登米市の老舗印刷会社を経営していました。東日本大震災で事務所や蔵が倒壊し、蔵を整理していたところ「行商人 松橋福松 本舗 松隆堂 秋田県北秋田郡荒瀬村 御薬入」と書かれた文字やクマの絵などが彫られた版木を発見。宮城県の一般社団法人シニアパートナーズを通じ、版木について情報収集を依頼したところ、版木に刻まれた行商人と同じ名前の人物が旧荒瀬村(現在の阿仁荒瀬)にいたことが判明しました。
佐々木さんは、子孫に返却したいとの心遣いでありましたが、多くの方に見ていただく方がよいとの子孫の意向を踏まえ、この度北秋田市に寄贈する運びとなりました。寄贈された版木は胃もたれや腹痛などに効くとされた「熊の胆」の薬袋やチラシを刷る際に使われたとみられています。
この日市役所を訪れたのは、北秋田市文化財保護団体連絡協議会の戸嶋喬会長(写真右)、版木寄贈の仲介者である長岐正志さん(写真左)、松橋福松さんの親族の松橋久敏さん(写真中央)の3人。3人が版木を手渡し、津谷市長が「版木はマタギのルーツを探るうえで大変貴重なもの。また一つ阿仁の宝が発見された」などと述べ版木を受け取りました。
寄贈された版木は、マタギ資料館や伝承館、大阿仁公民館などに展示される予定です。