2018年09月02日
コンテンツ番号3456
洪水・地震を想定し、本番さながらの訓練を展開
(2018年9月2日)
平成30年度(第56回)秋田県総合防災訓練が、9月2日(日)に市役所周辺や大館能代空港など市内5会場で実施され、地域住民をはじめ指定行政機関、警察、自衛隊、指定公共機関など84団体から約1600人が参加し、自主防災組織発災対応訓練や避難所開設運営訓練など14種類の訓練が本番さながらに行われました。
この訓練は、秋田県と北秋田市の主催で、本市の地域防災計画に基づき、防災関係機関と地域住民が災害発生時の応急対策について、実践的に訓練し対応力を向上するとともに、防災知識の普及と防災意識の高揚を図ることを目的としており、訓練の重点事項として「災害時における組織体制の機能確認」「防災関係機関および協定締結機関等との連携強化」「自助・共助による地域防災力の向上」を掲げています。
この日、市役所本庁舎で行われた「災害対策本部運営訓練」では、米代川支流で局地的な大雨を記録し北秋田市に大雨洪水警報が発表されたことを想定。北秋田市では、災害警戒部から災害対策本部に改組し、情報班、救助班、輸送班などの役割に分かれた職員が、大雨による被害情報を収集し、被害状況に合わせた検討、伝達、通報などの対応策を講じました。そのあと、米代川がはん濫危険水位を超過したことから、収集した情報の内容を検討し、避難勧告から避難指示に発令情報を切り替えました。
また、市役所周辺の花園町・宮前町・東横町・上横町では、地区一帯で火災が発生したことを想定した「大規模火災防ぎょ訓練」を実施しました。地区内の数か所で火災が発生し、地域住民が火事ぶれ、通報、初期消火を行ったほか、ポンプ車やはしご車など21台の消防車が地区内に配置され、各消防団が連携してホースを延長し、水膜ホースから放水して延焼をくい止めたほか、複数の火点に一斉放水し、大規模火災を鎮圧しました。
さらに、市民ふれあいプラザでは「避難所開設運営訓練」が行われました。大規模地震により建物やライフラインに甚大な被害が発生したことを想定し、災害対策本部は、市民ふれあいプラザの建物を確認し、避難所開設を決定するとともに、防災ラジオによる市民への広報活動を実施しました。避難してきた市民に対しては、救助班が受付して避難者名簿を作成し、衛生班が健康状態を確認するとともに、救護室を開設し負傷者への対応を行いました。また、住民同士が協力して、段ボールを組み合わせて、居住スペース確保したほか、避難所には関係機関から備蓄品や支援物資が届けられました。このあと、避難者を主体とした運営委員会を設置するため編成会議が開かれ、一人一人が役割を分担し、住民が主体となった避難所運営を図りました。
各訓練を視察した佐竹敬久知事は「これまでの常識では対応できない災害が相次いでいる。日頃から行政や関係機関と協力して、自治会やグループごとに必要な訓練に取り組んで、いざという時に備えることが大切。これからも防災意識を高めながら自身の安全を確保し、家族や地域の方々を守るという意識をもって訓練に取り組んでほしい」などと述べました。
続いて、津谷市長が「訓練に参加していただいた市民の皆さんをはじめ、すべての関係機関の皆さんにお礼を申し上げる。大きな災害が発生したときには、自分の命や安全は自分で守るという自助。そして、町内会や自治会でお互いに協力しあうという共助という考え方を念頭においてもらうことで、北秋田市がさらに安全安心なまちになる」などと述べました。
高速道路事故想定訓練(川口地区)/広域医療搬送訓練(大館能代空港)
川口地区では、大規模地震により高速道路上で多重衝突事故が発生したことを想定した「高速道路事故想定訓練」が行われました。
北秋田警察署が交通規制および安全確保をし、応援に駆けつけた森吉救助隊が負傷者に見立てた人形を用いてトリアージを開始。DMAT(災害派遣医療チーム)が現場に到着した後、傷病者の安定化を図ったほか、傷病者を航空自衛隊のヘリで搬送する訓練も実施しました。また、渋滞や道路状況により現場に急行できない場合を想定し、一般道からはしご車により消防隊員が投入されたほか、事故車両から火災が発生したことを想定し、消火活動と救助活動が行われ、各機関が連携し、救助活動にあたりました。
大館能代空港では、大規模な災害により傷病者が多数発生したことを想定し、空港消防車庫内にSCU(広域搬送拠点臨時医療施設)を開設する「広域医療搬送訓練」を実施しました。
災害対策本部の指示によりDMATが大館能代空港内の空港消防車庫内にSCUを開設した後、搬入される傷病者の安定化治療・追加処置・航空機搬送の優先順位や決定などを行いました。各地からのSCUへの傷病者の救急搬送に加え、北秋田市民病院の対応容量超過のため、市民病院からSCUへの救急搬送を想定し、航空自衛隊や陸上自衛隊のヘリがピストン搬送しました。
洪水想定避難行動訓練(秋田北鷹高校周辺)/自主防災組織発災対応型訓練(鷹巣小学校周辺)
秋田北鷹高校周辺では、米代川の氾濫危険水位超過を想定した「洪水想定避難行動訓練」が行われました。浸水想定区域内に避難勧告が発令され、秋田北鷹高校を緊急避難所として開設。住民の避難誘導、避難所受入れのほか、秋田北鷹高校の生徒がグラウンドに人文字で「SOSブッシ」の対空表示を作成し、上空を飛ぶヘリコプターに救援物資の要請を行いました。
鷹巣小学校周辺では、鷹巣を震源地とするマグニチュード7.1の直下型地震により震度6強の揺れを観測したことを想定し「自主防災組織発災対応型訓練」が行われました。自治会単位で集まり、初期消火訓練や倒壊建物等救出訓練、応急救護・搬出訓練を行った後、安全な避難経路を選定し、指定避難場所の鷹巣小学校に避難しました。避難所内では、受付で避難者数の把握や、秋田北鷹高校の生徒が段ボールを用いて避難スペースの間仕切りを設営し、本番さながらの避難所開設訓練が行われました。訓練終了後、日本赤十字社秋田県支部による「防災講話」が行われ、地域住民の防災意識の向上を図りました。
遺体安置所開設運営訓練(鷹巣体育館)/防災フェア(イオンタウン鷹巣)
鷹巣体育館では、震災により死亡した市民を受け入れる「遺体安置所開設運営訓練」が行われました。秋田県警によるダミーを用いた検死、葬儀社による遺族対応訓練が行われました。
イオンタウン鷹巣では、「防災フェア」が行われました。地震体験車による地震体験、防災用品の展示、高所作業車搭乗体験、防災装備車両の展示など、防災に関する多くのブースが設けられました。
避難所開設運営訓練(市民ふれあいプラザ)