2018年09月08日
コンテンツ番号3450
多彩なイベントで縄文文化を堪能
(2018年9月8日)
第18回北秋田市縄文まつりが、9月8日(土)に伊勢堂岱縄文館で開催され、来場者が火おこし体験や勾玉(まがたま)づくりなどで縄文の暮らしや文化を体験しました。
伊勢堂岱遺跡は大館能代空港そばの台地上に位置する縄文時代後期前半(約4千年前)の遺跡で、平成7年に同空港アクセス道路建設に先立つ発掘調査で発見されました。直径30メートルを超える4つの環状列石(ストーンサークル)や配石遺構、掘立柱建物跡、土壙墓、捨て場など、多くの祭り・祈りの施設が見つかり、大規模な祭礼の場ではないかと推測されています。
伊勢堂岱遺跡は、7月19日(木)に行われた国の文化審議会において、世界文化遺産の新たな候補の「北海道・北東北の縄文遺跡群」として選出されました。縄文遺跡群は、4つのストーンサークルを主体とする本市の「伊勢堂岱遺跡」や大規模集落跡の「三内丸山遺跡(青森県)」など17遺跡で構成されており、狩猟や採集などを基盤とした先史時代の文化を知る遺跡群として世界的な価値があるとし、平成32年の世界文化遺産登録を目指しています。
縄文まつりは、平成13年に同遺跡が国の指定史跡に指定されたことをきっかけに、伊勢堂岱遺跡や縄文文化に関心を持ってもらうとともに、子どもたちにも体験学習の場を提供しようと始まりました。当初は市文化会館等で開催されていましたが、伊勢堂岱縄文館がオープンしてからは縄文館を会場に開催しています。
開会セレモニーでは、佐藤善寿縄文まつり実行委員長が「18回を数える縄文まつりが今年も盛大に開催できることをうれしく思う。先般、伊勢堂岱ワーキンググループはこれまでの活動が認められ、県から特別表彰を受賞した。ひとえに、この受賞は支援してくださった皆さんのおかげ。心よりお礼申し上げる。今日は時間の許す限り楽しんでほしい」などとあいさつ。
続いて津谷市長が「縄文まつりがたくさんの皆さんに支えられ、今日こうしてめでたく18回目を迎えることができることは応援して下さる皆さんの温かいご支援のおかげ。日頃から来場者に真心を持って接し、ガイドをしている伊勢堂岱ワーキンググループやジュニアボランティアガイドを含め、多くの皆さんからの応援に心から感謝申し上げる。感心のある方だけではなく、多くの方々に伊勢堂岱遺跡に訪れてもらうとともに、遺跡の価値をしっかりと認識し、伊勢堂岱遺跡をPRしていきたい」などと述べたあと、黒澤芳彦市議会議長、北林丈正県議会議員、近藤健一郎県議会議員があいさつしました。
この日は、縄文人の生活を体験できる縄文体験青空教室が開かれ、当時の装飾品だった勾玉づくりや紙粘土での土器・土偶づくり、火おこし体験、縄文ハンコ体験、カラムシ織り体験などが用意されました。このうち、紙粘土での土器・土偶づくりは子どもたちに人気で、夢中になってオリジナルの作品を作っていました。このほかにも地元の野菜と熊肉を使った熊鍋が販売されたほか、縄文料理体験では、ドングリを材料にしたクッキーを焼いたりして、縄文文化の味を堪能していました。
また、縄文館近くの土舞台では音楽祭が行われ、はじめに、佐伯モリヤスさんの壺打楽器ウドゥ演奏で観客を魅了。続いて、レクダンスサークルによる「縄文踊り」で会場を盛り上げたほか、唱歌を歌う会のみなさんが、縄文衣装をまとって歌声を披露し、来場者は美しい歌声に耳を傾けました。
伊勢堂岱縄文館では、ジュニアボランティアが来場者に遺跡の説明をし、専門家さながらの熱心なガイドに驚きながら聞き入っていました。また、JA鷹巣町女性部が新鮮な野菜を販売したり、秋田北鷹高校家庭部が考案したバター餅を使った創作菓子「バターどらもち」が人気を集めたほか、今年の目玉イベントである「サケの縄文大鍋」の振舞いには大行列ができ、来場者は縄文文化を感じる料理に舌鼓を打っていました。