2016年12月21日
コンテンツ番号9359
職務の課題を意見発表
第40回消防職員意見発表秋田県大会予選会が、12月21日(水)に北秋田市消防本部で行われ、若手消防士6人が日ごろの職務の課題などを発表しました。
この意見発表大会は、消防職員が業務に対する提言や取り組むべき課題等について、自由に発表し、消防業務の諸問題に関する一層の知識の研さんや意識の高揚を図ることを目的としています。発表は「消防防災に関するもの」をテーマに1人5分以内とし、発表内容のほか発表の態度や表現力が審査の対象となります。
大会では、6人の消防士が意見を発表。このうち最優秀賞に選ばれた合川分署の佐藤健翔(たける)消防士が「その『いつか』の為に・・・」と題して発表しました。佐藤消防士は、AED(自動体外式除細動器)を使った救急救命講習が終わったあと耳の不自由な方から「私は耳が聴こえません。私のような耳の不自由な人も使えるAEDがあると助かります」と、付添いの手話通訳の方を通じて話しかけられ「健常者のみを対象に講習を進めていた自分が恥ずかしいという気持ちになった。確かにバイスタンダー(救急現場に居合わせた人)が健常者とは限らないと考え、耳の不自由な方でも使えるAEDがないか調べたところ、操作手順を音声だけではなく液晶画面で表示するユニバーサルデザインのAEDの存在を知った」などと自身の体験を例に挙げ、そのうえで「ユニバーサルデザインのAEDの存在を宣伝することや音声のみのAEDが設置されている施設には、操作手順をイラストと簡単な文章で表現した小型紙芝居を作成し無料配布すること。耳の不自由な方を対象とした救急救命講習を実施すること」など講習内容の改善を提案しました。そして「どんな状況でも対応できる環境が救命率の向上につながる。体に不自由をもった人も安心して暮らすことのできる救命のバリアフリー環境や誰でも安心して生活できる温かい地域環境を築いていくのも私たちの務めだと思う。今この瞬間ではなく、そのいつかの為に」などと発表しました。
このあと、審査結果の発表と表彰式が行われ、中嶋誠消防長が「経験が浅い中でも、実際に現場で見て感じたことが意見発表の中にあった。短時間で自分の思いを伝えることは、たいへん難しいことだが、相手の気持ちをつかみ、引き込むことに工夫が必要だと思う。これから、現場や講習会等で講師を務めることもあると思うが、自分が伝えるべきことをしっかりと意識して取り組んでもらいたい」などと講評しました。
なお、最優秀賞に選ばれた佐藤消防士は、2月10日に秋田市で行われる県大会に出場します。
第40回消防職員意見発表秋田県大会予選会 審査結果
賞 | 氏名 | 所属 | 演題 |
---|---|---|---|
最優秀賞 | 佐藤 健翔 消防士 | 合川分署 | その『いつかの為・・・』 |
優秀賞 | 津谷 翔 消防士 | 消防署 | 押しトーーク |
優秀賞 | 野呂 俊樹 消防士 | 森吉分署 | 自主救命組織の発足 |
優秀賞 | 松橋 皇成 消防士 | 阿仁分署 | Bonds |
優秀賞 | 齋藤 将太 消防士 | 消防署 | 命をつなぐ救命講習 |
優秀賞 | 浅野 喜孝 消防士 | 上小阿仁分署 | 高齢化への対応 |