2019年11月17日
コンテンツ番号9245
世界遺産登録を目指す子どもたちによるガイドボランティアの報告会
伊勢堂岱遺跡ジュニアシンポジウムが、11月17日(日)に市民ふれあいプラザで行われ、ジュニアボランティアガイドが今年の活動の経過や意見発表を行い、ボランティアを通して感じたことや意見を発表しました。
伊勢堂岱遺跡ジュニアボランティアガイドは、ふるさとが誇る伊勢堂岱遺跡への興味関心を高め、体験的実践を通して遺跡への愛着心を醸成するとともに、世界遺産登録推進の一助となることを目的として、平成27年に鷹巣地方史研究会と市教育委員会の共催で設立されました。今年度は、小学生5年生から高校2年生までの44人が登録し、遺跡の現地ガイドをはじめ、伊勢堂岱縄文館での案内も行っています。
この日のシンポジウムでは、はじめに北秋田市教育委員会の佐藤昭洋教育長が「毎年行っているサケの稚魚の放流の成果として、遡上してきたサケの姿を実際にみることもできた。今年4月から11月4日まで伊勢堂岱遺跡を訪れた方々は7,239人で、昨年度より若干減ったものの、2年連続7千人を超える来場者、そのうちガイドボランティアが活動した5月の連休と夏休み期間では、1682人、夏は暑かったが36人多くなった。今年は昨年に引き続き、遺跡群の候補の推薦もあったが、むしろジュニアボランティアの活動が周知されてきているためだと思う。そしてなにより、一番なことは、伊勢堂岱遺跡ジュニアボランティアは小学生中心であったが、今年は、部活動や勉強が忙しい中、中高生になっても参加してくれる子どもたちも増え、たいへんうれしく思う。特に、今年は、新たに研修をした英語でのガイドを実際に高校生が行う場面があったが、案内を受けた方にもたいへん好評であった。今日の報告を受けて、世界遺産登録を目指してどのような活動をしていけばいいのか一緒に考える機会としたい。」などとあいさつ。
続いて、お祝いの言葉として、大館市教育委員会教育長高橋善之氏より、北秋田市での教員時代に関わった伊勢堂岱遺跡の思い出や縄文土器を実際に作ってみた体験についてのご紹介がありました。
ジュニアボランティアガイドを代表して中嶋杏莉さん(秋田北鷹高2年)が「今年の活動を振り返ってもっとももうれしかったことは、7月30日に北海道・北東北を中心とした縄文遺跡群が、国内推薦候補に選ばれたことです。昨年も国内推薦候補に選ばれたものの1年据え置かれた。正式な世界遺産登録までには、もう少し時間がかかりそうですが、確かな一歩という事でとてもうれしい。また、2021年正式登録を笑顔で迎えられるよう、自分たちもガイドを続けていきたいと思う。今日は、私たちが取り組んできた活動内容や、ガイド体験、遺跡に寄せる想いなどを発表しますので、最後までお聞きください」などとあいさつをしました。
引き続いて、本年度の活動報告として、櫻田凪砂さん(なぎさ:合川小6年)と小林暖人さん(はると:中央小6年)が活動の経過について説明。飯塚凛人さん(大館東中1年)が秋田駅のPR活動について説明。田村緋咲さん(国際情報中1年)と吉田美優さん(国際情報中1年)からアンケート結果の集約について説明がありました。
意見発表として、ガイド体験を通して学んだことやこれからの目標について、それぞれ6つのテーマで意見発表がありました。
最後に、伊勢堂岱遺跡縄文館中嶋俊彦館長から、「みなさんからの活動報告、意見発表ともに、みなさんの真摯な取り組みについて感心するとともに、全体の報告を聞いていて、縄文愛、遺跡愛を感じた。そして、今年度のみなさんの活動を身近にみて、経験を積みながら、一人でも団体のお客さんをガイドを任せられるようになっており、たいへんすばらしいことだと思う。今年、7月には国内推薦が決まったが、つい最近までは世界遺産登録は夢物語のように感じていたことを考えると、このあとも、1年かけた調査があるが、現地調査の際、しっかりガイドできるようにがんばってほしいとともに、これからもジュニアガイドのみなさんとともに、伊勢堂岱遺跡のすばらしさを多くの方に伝えていけるよう一緒にがんばっていきたいと思う」などと発表についての感想を述べました。
感想発表でも、「人のため、地域のためという活動が自分自身の成長に繋がっているように感じられた」「地域を元気にしている活動は地域のほこり」「この後もがんばってほしい」「来てくれた方の心に残るジュニアガイドの活動は県外でも記事になっている」「英語でのガイド聞いたが、すばららしかった。これからのレベルアップも期待している。協力したい」などの感想が聞かれました。
最後に、伊勢堂遺跡ワーキンググループの清水さんから「ジュニアのがんばりはすばらしい。こちらが逆に勉強になることもある。活動には、保護者のみなさんの協力が必要であり、もしなければこのジュニアボランティアは存在しない。その協力に感謝したい」とのお話しがありました。
伊勢堂岱遺跡ジュニアシンポジウム
- 進行 梶原楓華(鷹巣中2年)
- 機器操作 飯塚濠人(大館東中1年)
- 受付 嵯峨遥(大館一中1年)/梶原春華(綴子小6年)
- 開会の言葉 梶原楓華(鷹巣中2年)
- ジュニア代表あいさつ 中嶋杏莉さん(秋田北鷹高2年)
- 本年度の活動報告
- 活動の経過 櫻田凪砂(合川小6年)/小林暖人(中央小6年)
- 秋田駅のPR活動 飯塚凛人(大館東中1年)
- アンケートの集計結果から 田村緋咲(国際情報中1年)/吉田美優(国際情報中1年)
- 意見発表
- 「ぼくのガイド体験」 佐藤偉知郎 (綴子小5年)
- 「伊勢堂岱遺跡の土偶について」 嵯峨煌也 (城西小5年)
- 「ガイドの喜び」 藤原好生 (鷹巣小6年)
- 「ふたつのチャレンジから」 倉内日向 (鷹巣南中1年)
- 「三年間のガイド活動」 仲村悠花 (鷹巣中1年)
- 「ガイド活動から学んだこと」 成田青空 (鷹巣中3年)
- 感想発表 (マイク) 倉内日高 (中央小5年)/菅原恵人 (鷹巣小5年)
- 閉会の言葉 伊東悠愛 (鷹巣中2年)