2018年03月01日
コンテンツ番号3295
世界遺産登録へ遺跡の魅力発信を誓う
(2018年3月1日)
伊勢堂岱遺跡ワーキンググループ(佐藤善壽代表)の結成20周年記念式典が、3月1日(木)にホテルニュー松尾・耕ホールで開かれ、今後も世界文化遺産登録を目指して活動を続けるとともに、遺跡の魅力を発信していくことを誓い合いました。
国指定史跡の伊勢堂岱遺跡は、北秋田市脇神にある縄文時代後期前半(約4千年前)の環状列石や配石遺構を中心とした大規模な祭祀跡。大館能代空港アクセス道路建設に伴う発掘調査で平成4年に発見され、平成7、8年には県が発掘調査、保存と活用が決まり、現在は北海道・北東北の縄文遺跡群として世界遺産登録を目指しています。
平成9年に鷹巣町文化遺跡ワーキンググループが結成され、平成17年に現在の伊勢堂岱遺跡ワーキンググループに改称。同遺跡やガイダンス施設の伊勢堂岱縄文館でのボランティアガイド、サケの放流や縄文まつりなどのイベント、ジュニアボランティア育成、遺跡のPR活動などを行っています。現在のメンバーは25人で、大館市や秋田市からの参加や、親子2代にわたる会員もいます。活動が認められ、平成19年に秋田県北秋田地域振興局長から「地域活動マスター」に認定され、平成26年には北秋田市から市誕生10周年記念特別表彰を受けました。
記念式典には市や県の関係者など約50人が出席。佐藤代表が「まったく予期していなかった20周年を迎えられたのは、皆さんのご支援とともに、メンバーが寸暇を惜しまず邁進、活動してきた結果。先人が残してくれた四つの輪(ストーンサークル)は、単なる石組ではない。縄文人の精神を重んじ、後世に継承していくことが重要であり、これからもそういう信念をもって前に進んでいきたい」などとあいさつしました。
来賓として、津谷市長が「6度目の挑戦となる今年こそ世界遺産の国内推薦を勝ち取り、皆さんと一緒に喜びを分かち合いたい。鷹巣大館道路の大館能代空港インターチェンジ開通で、人や物の流れが大きく変わる。伊勢堂岱遺跡は、当市の観光のけん引役としてこれまで以上に重要になる」と祝辞を述べました。また、県議会「北海道・北東北の縄文遺跡群」世界遺産登録推進議員連盟の副会長を務める近藤健一郎県議、同幹事長の北林丈正県議がお祝いの言葉を述べました。
このあと、同遺跡整備検討委員長を務めた国学院大学の小林達雄名誉教授が「伊勢堂岱遺跡の意義」と題して記念講演を行い、環状列石がつくられた目的や縄文人の生活について紹介しました。ワーキンググループの活動については「全国のほかの遺跡のモデルになる模範的な活動」とたたえました。
引き続き祝賀会に移り、乾杯のあと、関係者がワーキンググループの20年間の活動を振り返りながら、さらなる遺跡の活用に向け協力していくことを誓い合いました。