2018年03月11日
コンテンツ番号3286
治療法を理解し素早い対応を
(2018年3月11日)
北秋田市医療講演会が3月11日(日)に市民ふれあいプラザで行われ、脳卒中の基礎知識や最新治療法などについて、講演を聴き理解を深めました。
今回の医療講演会は、秋田大学大学院医学系研究科の清水宏明教授を講師に「脳卒中のいろはから最新治療まで」と題し、脳卒中の基礎知識や対処法、最新治療法について講演を行いました。
開会にあたり、はじめに津谷市長が「本県において脳卒中は、死亡数全体の10.6%を占め、死因原因の第3位となっている。また、10万人当たりの脳卒中による死亡者数を2次医療圏内で比較した場合、県内で最も多い。本日は、脳卒中の基本から最新治療法、予防法を学ぶことができる貴重な機会。有意義な講演会になることを期待する」などとあいさつを述べました。
続いて北秋田市地域医療連携センター運営協議会の神谷彰会長が「清水教授は、脳卒中治療の日本の代表的な医師の一人であり、秋田県全体の脳卒中治療を俯かんする立場であることから、お越しいただいたことはたいへん貴重である。この講演会が市民や医療関係者にとって、意味のあるものになればと思う」などと主催者を代表してあいさつを述べました。
講演会で清水教授は、最新治療法について「大きな治療法として、血栓を溶かす物質を投与する『tPA静注療法』、血栓を取り除く『血管内治療法』、原因によって使い分ける『飲み薬による療法』がある。この中でも血管内治療法は大きく進歩し、日本の血管内脳外科医が力を入れており、県内でも毎年研修を行い、血管内治療の専門医を増やすよう取り組んでいる」などと紹介をしました。
そして、脳卒中の地域連携充実のために「脳研センターは、秋田大学附属病院と連携を強化し、近々病院内に『脳卒中包括医療センター(仮)』をつくる予定となっている。脳卒中の内科的・外科的治療の充実を図るほか、神経系専門医の育成をし県内関連病院に医師を派遣できるように取り組んでいる。また、脳卒中急性期の画像連携システムを導入し、脳卒中専門医が少ないまたはいない地域でも迅速な対応ができるようにしたい」などと今後の展望について述べました。
このあと、神谷会長を座長に質疑応答が行われ、発症から対処するまでtPA治療法は4.5時間、血管内治療は6時間のタイムリミットの違いについて清水教授は「tPA治療法は、薬そのものが血栓を溶かすので体内で出血を起こす可能性が高い。そのため早く投与する必要がある。血管内治療は、tPA治療法に比べ出血が少ないためタイムリミットが少し長くなっている」などと説明しました。
また、正しく血圧を測るにはどこの部位が適しているかとの質問に対し「測る部位によっては数値が10~20違うこともある。体の末端に行けばいくほど血圧は高く測定される。腕で測るのが一番よい」と述べました。