2005年12月14日
コンテンツ番号5255
地元産材の活用、18年度の主要施策などについて6氏が一般質問
第7回北秋田市議会12月定例会の本会議が12月14日(水)、北秋田市交流センターで開かれ、6議員が一般質問を行いました。この日の一般質問も、地元産木材の活用、18年度予算の基本構想、たかのす福祉公社に対する指定管理、市職員への成果主義導入、高齢者住宅の除雪に対する補助など多岐にわたりました。
このうち、平成18年度の主要施策は何かとの質問には、
- 統合病院
- アクセス道整備
- ダム周辺利用計画の策定
- 教育施設統廃合
- 企業誘致の推進
- 秋田内陸線の観光路線としての整備
- 高速通信網の整備
- 平成19年秋田わか杉国体開催に向けた準備
- 全国植樹祭開催に向けた準備
- 担い手育成制度の推進
の10施策と答弁しました。
各議員の質問と、市長ほか市当局の答弁の要旨は次のとおりです。
三沢 定幸氏
(順位3-1)
森林資源について
新市まちづくり計画ならびに北秋田市過疎地域自立促進計画に予定されている北秋田市民病院をはじめ、各公共施設に地元産木材を積極的に活用を。
当市の森林資源は全国でもトップクラス。地元で産出される木材を使用した公共施設の整備は旧4町時代から行ってきている。18年度においても、市内2地区の施設建設で地元産を使う計画もあり、市民プールでも集成材などできる限りの木材使用を心がけたいと思っている。
豊富な森林資源を活用した木質バイオマスの実用化と木質ペレットの導入を。
環境に優しい木材資源を有効にエネルギー資源に活用する取り組みが増えてきている。林業生産の過程で発生する間伐材や端材などを、石油に変わる「代替エネルギー」として有効活用するものであるが、現状ではコスト高が難点と言える。導入の可能性を探るためにも先進事例を調査・研究し、関係の機関・団体等との検討協議を行いたい。
成熟化しているスギ人工林資源を有効に活用し付加価値の高い木材・木製品の安定的に供給する基地づくりをめざして木材高度加工施設、乾燥施設の建設を。
18年度に大館北秋田森林組合において、大館と北秋田の2工場に木材乾燥施設導入が計画されている。大館市、上小阿仁村とも連絡調整を図りながら付加価値の高い木材産業の振興に結びつくよう努めていきたい。
計画的な間伐を実行するため、緊急間伐団地を設定、森林の現況調査を行ない、公有林、私有林が一体的な森林施業の確立を。
17年度から「間伐等推進対策事業」が実施され、従来の緊急間伐事業を見直した「緊急間伐団地制度」が創設されて、間伐遅れの解消を図っている。この事業で市では440haの間 伐が計画されているが、今後、関係者、関係機関等との連携をすすめて森林施業確立の努力を続けたい。
観光振興について
道の駅たかのす「大太鼓の里」の整備について。
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県営水環境整備事業で整備した釜堤の浄化、誘客拡大のため大型噴水の設置と年間を通じた流入水量の確保を
釜堤の整備は、県が約2億円を投じて実施したもの。水の流入が少ないことから「ヒシ」の大発生と言う難点を抱えている。噴水の設置はヒシ対策がまず第一で、水の流入も水路の検討が必要である。蓮がヒシの抑制と水質の向上の効果があるとわかったので、来春植え付けて様子をみてみたい。
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地産地消と農産物販売促進のため産直販売施設の設置を
産直販売施設の設置が、現存の「物産館」と競合する部分が生じてくる問題がある。農産物の販 売促進を進める上で効果が期待出来るものゆえ、再度、物産館側と協議・交渉を持ちたいと考えている。
森吉山県立自然公園を世界自然遺産白神山地と一体的にとらえて国定公園指定にむけた運動の展開を。
森吉山の国定公園指定へ向けた要望等は、平成5年に森吉町であったようだが、白神山地と一体的に捉える事は、難しいのではないかと思う。白神山地周辺とは山域も異なるし、いっしょにするにも距離が離れすぎている感もあるので、今後の対応も含めて関係者等からの意見を伺いたいと思っている。
農業振興について
平成17年3月に策定された新たな「食料・農業・農村基本計画」に基づき食の安定・安全確保と農業の持続的な振興対策を。
農政の一大転換と受け止めている。要は、「経営する農業」の確立をめざしたものであり、農業の担い手のスポットを当て政策で、いかに消費になる作物を効率良く生産できるかにかかっているものだ。認定農家と集落営農を確立させるためにも、営農基盤の整備を進めていかなければならないので、JAなど関係機関との連携・協力を深めて対処していきたい。
農産物販売額向上のため旧4町の特性、特徴を引き出し、新たな農産物の特産化、ブランド化を。
農家経営の安定につながる作物の特産化、ブランド化については、これまでと同様に関係の補助事業等を生かしながら、農家が意欲的に取り組めるように関係機関との連携でもって進めたい。旧4町のそれぞれの地域に根ざした特産品、ブランド品はどれも素晴らしいものばかりと思っている。
武藤 忠孝氏
(順位3-2)
市長の政治姿勢について
18年度予算の基本構想について。
おっしゃるとおりの「合併の特例財源」は3種類が存在するが、特に交付税(地方交付税の算定替え)を代表としてそれらの裏付け(交付の)が定まっていないことには、財政が確定していると言い難いため、いろいろとやりたい仕事はあるが事情が許さない面がある。18年度は市民病院建設(実施設計)に力を注ぎたい。あとは、当面の雇用を生み出す大型店誘致関連が大きなものとなるだろう。
岸部カラー・重要政策は何か。
私としては、後世に残すものとしてあげられるものは「北秋田市民病院(仮称)」の設置でなかろうか。
指定管理者に関する(財)たかのす福祉公社について
この時期における市からの財政支援ゼロ宣言について。
話し合いを前にした署名運動・署名簿の提出について。
「ゼロ宣言」は一般会計からの繰り出しを指すものであるが、支援ゼロはありがたいとも思うが、署名簿提出などの手段にする前にもっと話しあいがあってしかるべき、と思う。ケアタウンをすぐ公募にしなかったのは、従業員の問題が大きい。いきなり指定管理者としての公募を行えば、これまでの雇用者の雇用問題が生じて来るため、まずは、2ヶ年の管理委託をたかのす福祉公社にお願いしたいと考えている。管理状況や依託費用の推移を見守っていきたい。
個室料・減免措置を講ずる要請について。
介護保険法の改正により対象者(入所者)の自己負担に改められたものであるから、負担が必然的に伴ってくるものと理解する。必要により、指定管理者と市との協 議が行なわなければならないと思っている。
常備消防について
日常の整備点検と緊急体制の徹底について。
9月25日発生した阿仁水無地内での火災についての指摘であるが、送水まで時間がかかってしまい、近隣住民に迷惑を掛けかつ、不安を抱かせてしまったことにお詫びする。この後、車両(機器)の点検と操作訓練を行って緊急時の対応について再確認させている。今後においてもこれらをさらに強化して万全を期してまいりたい。
簾内 順一氏
(順位3-3)
市長の政治姿勢について
北秋田市公の施設に係る指定管理者の候補者の指名について。
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たかのす福祉公社は公募によるべきでは
たかのす福祉公社に対する指定も、他の指定管理と条件は同じ。
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補助器具センター、訪問看護、子育ては鷹巣地区だけでなく、全市で平等にサービスできる事業者を選ぶべき
補助器具センターなど施設サービスの提供範囲も全て平等が基本。
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市と公社の認識について
これまでは町の一般財源からの持ち出しもあったが、18年度はゼロにできる、との方針も示している。市内の他の施設では、介護保険が導入される以前から黒字経営だった。赤字になるなど協定を超えたものは当然管理を受けた側の責任となる。ホテルコストの分が収入になるのでは、との指摘だが、介護料が下がることもあり大きな増収にはならない。
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福祉公社の職員の食事は利用者の給食と同じものだが、よいのか。
職員の食事は、勤務形態の多様性から給食を利用しているようだ。病院でも以前は給食サービスを受けていたこともあるが、完全分離になった。ケアタウンの人件費は全国的にも高いことから、見直せる部分は見直す必要がある。実態を把握し対応したい。
櫻井 忠雄氏
(順位3-4)
市庁舎の建設について
住民の一体感醸成のためにも計画より早める考えはないか。
現在の総合支所方式も合併協議により選択した方式で良い方式。議会、分庁舎なども統合できる総合庁舎は財政に余裕があれば建設も検討できるが、現時点では庁舎建設よりも優先度の高い事業がいくつもあるため課題としたい。
経済財政諮問会議の基本指針と地方公務員の給与について
市の職員と市内の民間勤労者(常時雇用)、また20人以上雇用(常時雇用)している民間会社の一人当たりの年間給与はどのくらいか。
民間会社の給与水準とのバランスを取るという考え、また何らかの制度を考えていないか。
市の職員の平均給与は約640万円。確かに民間と比較すると高いが、公務員給与は人事院勧告で決まるもの。市が給与に関してできる大きな決定も地方分権が進まないとできないだろう。
成果主義について
成果主義型評価制度を採用する考えはないか。
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先進地に職員を派遣して研修させる考えはないか
成果主義は、国でも一部導入していると聞いている。ただ、民間と異なり公務員については評価の基準が難しい。県や国のやり方を研究したい。職員の研修については、18年度企業誘致と財政担当職員について、1名づつを県に派遣の予定。
佐藤 重光氏
(順位3-5)
教育施設と教育環境について
小、中統廃合について。本市の学校施設は、小学校16校、中学校5校であり、児童生徒数も減少し長期的な計画での地域バランスの考え方について。
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小学校6校(鷹巣地区3校、阿仁地区3校)
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中学校2校(鷹巣地区1校、阿仁地区1校)
現在、プロジェクトチームをつくり、素案を策定している。統合の基準は3つ。1つは12学級以上を標準規模とすること。2つ目は児童の安全や通学時間、距離を十分考慮し、通学上の不便を招かないようにすること、3つ目は散在的な地域については、小規模校としての配置が望ましい場合は標準的な規模にはとらわれない。この3点を基本に検討中。また、中学校については、現在の5校態勢を維持したいと考えている。また、学区については、旧町単位で再編、通学距離を基準に再編の2つの案を検討中。
遠距離通学校にスクールバスの配置について。
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中央小学校、川口、小ヶ田地区
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登下校時の不審者の対応策として
通学上の安全対策については、最近起きた小学生の事件もあり、地域でも神経を尖らせている。学校現場の教職員はもちろん、警察、スクールガードの協力で通学路の見回りを行ない、また防災無線での呼びかけも行った。しかし、これでいいということはない。スクールバスについては、下校時間が児童によってまちまちであることもあり、導入については検討課題。
小学校の暴力、キレる児童が多いと聞くが、その対応について。
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心のケアもできる教育者が必要である
本市では、心身に障害のある児童がそれに近い状態になることがあったが、これは病気が原因の特殊な事例。ある調査では、「きれる」児童は家庭状況に問題があることが多いようだ。小学校でのアンケートでは、朝食を1人で取る子が16%、夕食は6%という実態もある。孤独が子どもの心に与える影響は大きい。スポーツ大会を見ていても、親がすべて準備してあげていることが多く、かまいすぎ。これでは「大人はこわくない」といった意識につながり、歯向かう原因にもなってしまう。なお、市では、不登校児童生徒に対応した「さわやか教室」を開設している。
農業政策について担い手施策集中を基本とする07年産から新たな農業政策が決まった。
担い手育成の好機・集落営農組織づくり
市として強力に支援し指導すべき。
県や農業関係団体と連携し、役割分担により認定農業者、集落営農組織の育成・確保を図ってまいりたい。農業を一つの事業として捉え、商工業と一緒になって進めたい。まずは関係団体と話し合い、その後、農地のパトロールや集約などを説明、事業として成り立つように支援したい。
農業委員(担い手)が中心となり頑張ることであり、農業委員会の役割も重要である。
委員が日頃の活動成果を十分発揮できるような環境づくりに務めたい。具体的取り組みとしては、「農地と担い手を守り活かす運動」の取り組みを強化し、農地パトロール等の実施による監視活動に務めるkとや、経営所得安定対策の円滑な実施に向けた担い手の確保や育成と、農地利用集積等の支援PR活動の強化に務めたい。
山内 清種氏
(順位3-6)
市長の政治姿勢について
新年度の主要施策は何か。
- 統合病院
- アクセス道整備
- ダム周辺利用計画の策定
- 教育施設統廃合
- 企業誘致の推進
- 秋田内陸線の観光路線としての整備
- 高速通信網の整備
- 平成19年秋田わか杉国体開催に向けた準備
- 全国植樹祭開催に向けた準備
- 担い手育成制度整備、の10施策
北秋田市は何をもって立市としていくのか。
必ずしも予算だけではなく、人とのつながりによって進められる事業
市民の働く職場づくりについて。
企業誘致を推進し、雇用確保に努めたい。
幼、小、中、高校統合と教育の充実について。
幼稚園については、西幼稚園、北幼稚園とも定員に達していない状況。北幼稚園は地元糠沢集落からの入園もない。西幼稚園に統合することで教育環境の充実を図りたい。小、中については現在素案策定中。高校については、県でも合川高校を含めた4校統合について理解を示しており、高校統合基本構想が始まる18年度には、できれば早い時期に議会でも審議してもらい、了承してもらった時点で県に要望したい。
生活福祉事業の推進について
生活道整備状況について。
指導整備に対する要望は書面だけでも40ある。しかし要望に対する整備は2割ほど。整備については、現地調査の上、緊急度の高いものから実施したい。
今年度の除雪計画について。
基本は積雪が10センチに達した時点で除雪車が出動することになっているが、5センチであっても断続的な積雪が予想されるときには出動している。
高齢者住宅入口除雪について。
旧町では補助内容がまちまちであったので、出入り口の除雪に関しては65歳以上の世帯に限り10分の9の補助(1割負担)、雪下ろしについては3分の2補助(限度額6万円)とした。鷹巣地区はマイナスになったが、補助制度がなかった地区はサービス向上となり、全体としては向上となったと捉えている。
道路標識の整備について。
県では9月議会で標識関係予算を措置したとのこと。しかし全県的に変更が必要な個所が多く、段階的に実施していくので時間がかかる、との回答。
集落名表示板の整備について。
設置個所は169箇所。全部を変えると3100万円ほど、未設置も含めると4700万ほどの事業費がかかるようだ。また表示板のデザインも市章や市の花を入れるか、などの検討も必要。いずれ統一的なデザインを考慮し、整備したい。
旧バス営業所跡地に診療所、または外来センター設置について。
北秋中央病院病院を外来センターにすると想定した場合、今の外来管理棟で対応できる。バス営業所跡地を利用することになる場合は、3階建ての建物が必要になる。